閑話2 ミミのセキュリティ豆知識クイズショー
今日は抜き打ちテストぴこぉぉぉ!自信ない人は、読む前に復讐してくるぴこ!
夜のインフォシティ。
街の灯りはネオンのように瞬き、
広場の酒場は今日も冒険者たちで賑わっていた。
ジョッキを打ち合わせる音、笑い声、テーブルの上に積まれるクエスト報酬の金貨。
そんな喧噪の片隅で、ぴこたんたち四人は丸テーブルを囲んでいた。
ぴこたんはジョッキを豪快に煽り、泡ひげをつけてドヤ顔。
ルークは静かに水を飲み、周囲を見張る。
おぬしは旅の記録をメモしている。
そしてミミは――妙にニヤつきながら、テーブルに乗ってぴょんと跳ねた。
「 えへへ〜♪今日は特別企画!
その名も……《ミミのセキュリティ豆知識クイズショー!》」
「な、なんだ急にぴこ?」ぴこたんが泡を飛ばす。
「クイズ?」ルークが眉をひそめた。
おぬしはペンを止め、興味深そうに顔を上げる。
「そう!この間、私ちょっと艶魔にやられかけたでしょ?
あれでさすがに懲りたの!」
「ほう」ルークはうなずく。
「で、ただ懲りるだけじゃ悔しいから!
今度は知識で無双してやるのよ!」
ミミは腰に手を当て、胸を張った。
「というわけで、ここでみんなにクイズを出します!
ちゃんと答えられないと……ぴこたんの晩飯から焼き肉券マイナスだからね!」
「うわああぁぁぁ!?それは死活問題ぴこおおぉぉ!」
酒場の客たちも「お、なんか始まったぞ」と耳を傾ける。
こうして即席のセキュリティ講座が、クイズショー仕立てで幕を開けた。
【第一問:怪しいメールにありがちな三大ワードは?】
ミミが指を一本立てて言った。
「じゃあ第一問!
怪しいメールによく使われる“三大ワード”とは何でしょう?」
「おお、三大ワード!任せろぴこ!」ぴこたんが勢いよく手を挙げる。
「答えは――“マッスル・焼肉・今すぐ”ぴこおおぉぉぉ!!」
会場どっと爆笑。
「バカ!」ミミが即ツッコミ。
「そんなわけないでしょ!それただのあんたの欲望!」
ルークが咳払いし、冷静に答える。
「本物は……“無料・限定・今すぐ”。違うか?」
「せいかーい!」ミミが拍手した。
「これらは人の“欲”を刺激する言葉。
つい反射的にクリックしちゃう仕掛けなの。
“タダ”とか“ここだけ”とか“急げ”って言われると、人間は弱いんだよね」
おぬしがメモをとりながら補足する。
「心理学でいう“希少性の原理”だ。
数や時間が限られていると思うと、人は冷静な判断を失いやすい」
「おおお……恐ろしいぴこ」
ぴこたんは冷や汗をかきながらプロテイン入りのビールジョッキを傾けた。
【第二問:添付ファイルで特に危ないのは?】
ミミが次の札をひらりと掲げる。
「第二問!
メールの添付ファイルの中で特に危ないのは、どんなやつでしょう?」
ぴこたん、再び挙手。
「えっとぴこ、答えは……“焼肉のタレレシピ.pdf”ぴこ?」
「惜しい!……って惜しくないわ!!」
ルークが静かに答える。
「二重拡張子だ。
“画像.jpg.exe”のように、見た目は安全そうに見せかけて実は実行ファイル。
これが危険だ」
「大正解ー!」
ミミは水晶板を映し出し、観客にも見えるように拡大した。
「これ、パッと見は画像ファイルに見えるけど、実際はプログラム。
開いた瞬間にウイルスが実行されちゃうの」
おぬしが付け加える。
「拡張子を隠す設定がデフォルトだと気づかないことも多い。
だから表示をONにして確認するのが鉄則だ」
観客の何人かが「へぇ〜」と頷いている。
酒場がだんだん勉強会みたいになってきた。
【第三問:いざというときの最後の砦は?】
ミミがドヤ顔で両手を広げた。
「第三問!
もしウイルスにやられても復活できる“最後の砦”ってなーんだ?」
ぴこたんは立ち上がり、筋肉をぶんぶん振り回して叫んだ。
「それはもちろん!
筋肉!!壊れても毎日鍛えれば復活するぴこおお!」
「違ぁぁぁう!!」ミミのスリッパアタックが炸裂。
ルークが即答する。
「答えは……バックアップ、だ」
「ピンポーン!さすがルーク!」
ミミは満足げに頷き、水晶板に雲のマークを浮かべた。
「バックアップがあれば、感染してもデータを巻き戻せる。
外部媒体でも雲でもいいけど、必ず“オフラインで安全に保存”しておくこと」
おぬしも同意する。
「データは金貨より価値がある。
守るには二つ目三つ目の命を持たせることが大切だ」
「データに筋肉をつけるってことぴこな!」
ぴこたんが意味不明なまとめをして、再び笑いが起きた。
【クイズの総括】
ミミは手を腰に当て、観客へくるりと振り向いた。
「まとめると――」
・怪しいメールにありがちな三大ワードは「無料・限定・今すぐ」
・添付で危ないのは「二重拡張子(.jpg.exeなど)」
・最後の砦は「バックアップ」
「この3つだけでも覚えておけば、ずいぶん騙されにくくなるんだよ!」
観客の冒険者たちから拍手が湧いた。
「なるほど!」「知らなかったぜ!」
「ミミちゃん先生ありがとー!」
酒場がまるで講義室みたいになっていた。
【エンディング】
「ふふん、どう?私って教えるの上手でしょ?」
ミミが胸を張る。
「うむ、立派だぴこ。でも焼き肉券のマイナスはなしぴこ?」
ぴこたんが不安げに尋ねる。
「んー……どうしよっかなぁ」
「やめてぇぇぇぇぇぇ!!」
観客が大爆笑し、酒場に拍手が鳴り響いた。
こうして、ちょっとした夜の余興が、冒険者たちにとっては大事な知識の宝となったのである。
――教訓まとめ――
今宵のは趣向を変えてクイズ形式でお送りしたぴこ!
みんなもちゃんと復習しておくぴこ!
1.怪しいメールは「無料・限定・今すぐ」の三連コンボに注意ぴこ!
2.添付ファイルは二重拡張子(.jpg.exeなど)を見抜く筋肉を鍛えるぴこ!
3.最後の砦はバックアップ。雲でも外部でも、必ず“安全な場所”に保存ぴこ!
真顔でぴこたんは語りだす。
「今回のクイズで間違えた者たちよ……安心するぴこ。
失敗は恥じゃない、クリックより早く学べば勝ちぴこ!」
しかし、すぐにいつもの調子で
「でも、次に“無料・限定・今すぐ”を押したら……その瞬間、ぴこたんがどこからともなく現れて説教マッスルぴこぉぉ!!」
観客「ひぃぃ!」「押さない!もう押さないから!」
ミミ「……それも一種のセキュリティ対策かもね」




