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脳筋戦士ぴこたん、今日もネットの罠に釣られる! 〜やらかすたびに強くなるリテラシー勇者冒険譚〜  作者: ぴこたん
第二章 実践編

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18/73

第16話 ソシャゲの深淵 ――欲望を操る《ガチャルゴス》


《ピコTube LIVE》 配信開始!


■ぴこたん

「よぉぉ!みんな元気かぴこ!?

 今日の配信は、ついに出た新作ソシャゲ『マッスルクエストVR』実況ぴこ!

 このゲーム、脳波連動で実際に戦えるリアルバトルソシャゲぴこ!

 オレが無料ガチャで神キャラ引いて、筋肉無双する姿を刮目するぴこぉ!」


 コメント欄には、いつもの仲間たちが次々と入室した。


●ミミ:「また“無料”って言葉に釣られてるぴこ配信きたw」

▲おぬし:「確率操作に気をつけろ。VR同期型は課金沼が深いぞ」

◆ルーク:「強さは鍛錬と剣。ガチャなど運頼みの幻だ」


ぴこたんはマッスルポーズで応える。

「なにを言う!オレのマッスル運を信じろぴこ!

 では――10連無料、いっくぞぉぉ!!」


---


 石板端末に指を落とした瞬間、VR空間に魔法陣が広がる。

「おおっ!?

 虹色の演出ぴこ!?★5確定演出きたぴこおおお!!」


 観客席にいる冒険者アバターたちが息を呑む中、

 画面から次々とカードが舞い上がった。


「スライム!スライム!……またスライム!!」

 ぴこたんの笑顔がどんどん引きつっていく。


 最後の一枚――光が爆ぜ、天地を照らす。

「きたぁぁぁぁ!!筋肉の神よ、オレに奇跡を――!!」


 ……出てきたのは、わずかに筋肉がついたスライム。

 名前は《★2 マッスルスライム》。


「★2……?しかもスライム……だと……?」


コメント欄は爆笑の嵐。


●ミミ:「安定の雑魚キャラw」

▲おぬし:「無料は餌だ。最初に当たることなどない」

◆ルーク:「やはり剣で鍛えた筋肉こそ真の強さだ」

◇視聴者A:「腹筋崩壊www」

◇視聴者B:「草草草草草」

◇視聴者C:「スライムしか勝たんw」

◇視聴者D:「コメント流れるの早すぎて読めんwww」


配信画面はまるで滝のようにコメントが流れ、

視聴者側では画面の大半がコメントで隠れる。


「ま、待つぴこ!まだ結果画面見てる途中ぴこぉぉ!!」

 必死にスクロールを止めようとするも、流れは止まらない。

 笑いと草が渦を巻き、配信は完全に“お祭り状態”だった。


---


 ぴこたんががっくり肩を落としたその時、

 ふとコメント欄がざわめいた。


●ミミ:「……でも一回くらいならいいかなw」

▲おぬし:「俺も試してみるか。検証ということで」

◆ルーク:「ふん……強さは鍛錬、だが無料なら……」


 3人の端末にも、同じ“10連無料”のボタンが光っていた。

 それぞれが指を置いた瞬間、空に小さな魔法陣がいくつも浮かび上がる。


●ミミ:「★3 キラキラスライムw」

▲おぬし:「★1 ひび割れた盾w」

◆ルーク:「……★4 “ドラゴンの牙”だと……?」


「うわああああ!」ぴこたんがのけぞる。

「ルークだけ当たりっぽいぴこおお!?」


 ルークは小さく咳払いしたが、目が光っていた。

「……運ではない。これは……検証だ」


 ミミが笑う。

「完全にガチャってる顔だよw」

 おぬしも苦笑する。

「人はみんな“自分だけは当たる”と思ってしまうものだ」


 3人が各々の結果に一喜一憂する様子を横目に、

ぴこたんは歯を食いしばった。

「ぐぬぬ……でも!

 石50個で★5確定って書いてあるぴこ!

  これは課金してでも引くしかないぴこ!」


---


 その時、画面の奥から黒いもやが立ち上った。

 ノイズが弾け、仮想空間がぐにゃりと歪む。

 まるで現実そのものが、ガチャの世界に飲み込まれていくかのようだった。


 視界の中心に、不気味な影がゆっくりと浮かび上がる。

 金貨のような瞳がぎらつき、舌なめずりとともに声が響いた。


「我は課金悪魔ガチャルゴス

 回せば回すほど強くなり、貴様らの財布を喰らう者……」


 影の体には、明細書の鎖と“購入完了”の札が絡みついている。

「“あと一回で出る”――そう思った瞬間、すでに我の勝利だ」


 コメント欄がざわめき、恐怖と笑いが入り混じる。


●ミミ:「うわw 出たw ガチャの魔神ww」

▲おぬし:「確率を武器にした心理攻撃……こいつ、理詰めで来るぞ」

◆ルーク:「ま、待て……

      あの腕の中にあるのは――★5伝説の剣“ドラゴブレード”!?

      バルドが使っていたという伝説の……!」


 ルークの目がわずかに揺れる。

 いつも冷静な彼が、ほんの一瞬だけ“欲望”に飲まれかけた――

 その刹那を、誰もが見逃さなかった。


---


■ぴこたん:「ルーク!? お前まで釣られてるぴこ!?」

◆ルーク:「ぐっ……だが、あと一回で出るかもしれん……!

       ここで引かなければ後悔する……!」


 彼の指が課金ボタンに触れる。

 その瞬間、ガチャルゴスの黒い手が伸び、ルークの腕を絡め取った。


「もっと回せ……もっと支払え……強さは金で買える……!」


 ルークの瞳に影が宿る。

 無骨な戦士の姿が、一瞬だけ凡俗な欲望に染まった。


 コメント欄が荒れる。


●ミミ:「ルークやめて! 本気で沼ってる!」

▲おぬし:「それが“射幸心”。確率に踊らされる人の心だ」

■ぴこたん:「やめろぉぉ! オレの仲間の財布を返せぇぇ!」


---


 仮想空間が光と闇に分かれる。

 ガチャルゴスの声が轟く。

「もっと払え! もっと祈れ!

 限定は今だけ、逃せば二度と手に入らぬぞ!」


◆ルーク

「うぅ……確かに……だが……!」


 剣を握る手が震える。

 その刃に映ったのは、己が映る影。

「違う……!

 真の力は金で買うものではない!

 我が剣は、血と汗で鍛え上げるものだ!」


■ぴこたん

「よく言ったぴこ、ルーク! 今こそ一緒に叩き斬るぴこ!」


 剣と拳が光に包まれる。


「必殺――《課金断罪ガチャルゴス・バスター》!!」


 光の奔流が仮想空間を満たし、ガチャルゴスの体を粉々に打ち砕いた。

 黒い手がほどけ、ルークはようやく正気を取り戻した。


---


◆ルーク

「……危なかった。

 欲望に囚われ、剣を曇らせるところだった」


●ミミ

「誰でもハマっちゃうんだよ。

 だからこそ“上限を決める”のが大事なの!」


▲おぬし

「ガチャは運。

 課金は計画。冷静さを失えば、財布も心も喰われる」


■ぴこたん

「よーし!

  オレは筋肉で強くなるぴこ!

  無課金でマッスル最強ぴこ!」


 コメント欄も沸き立つ。


◇視聴者A:「ルーク沼ってて草w」

◇視聴者B:「神回すぎるw」

◇視聴者C:「課金の怖さが伝わるの助かる」


---


――教訓まとめ――


今日は「ソシャゲ課金」がテーマだったぴこ!

オレ様ぴこたん、実況中に“ガチャ悪魔ガチャルゴス”を召喚しちゃうという前代未聞の神(?)回だったぴこ!

しかも今回は――あの冷静なルークですら一瞬、沼に沈みかけたぴこ!

「自分は大丈夫」って思ってる時こそ、一番危ないぴこ……。


覚えておくぴこ!

1.ソシャゲは“射幸心”をくすぐる設計ぴこ!

2.「今だけ」「確定」は心理を狙ったトリックぴこ!

3.課金するなら上限を決めて計画的にぴこ!

4.努力や楽しみを忘れた瞬間、財布も心も喰われるぴこ!


ミミ「ルークみたいな理性タイプでも、欲望には勝てないのよねw」

ルーク「……認めよう。欲望とは、剣よりも鋭い敵だ」

オレは筋トレで強くなるぴこ!無課金マッスル最強伝説ぴこぉぉ!!


次回予告:

画面を覆う“謎の警告ポップアップ”が登場ぴこ!?

「ウイルス感染しました!」の真偽を見抜く冒険ぴこ!

次回も《ピコTube LIVE》でお送りいたしますぴこおぉぉ!

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