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脳筋戦士ぴこたん、今日もネットの罠に釣られる! 〜やらかすたびに強くなるリテラシー勇者冒険譚〜  作者: ぴこたん
第二章 実践編

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第15話 幻商《ファントマーケット》の罠 ――激安が誘う欲望の取引


 インフォシティの市場は、今日も喧噪に包まれていた。

 行商人が声を張り上げ、煌びやかな商品を並べて客を誘う。

 ぴこたんは肉串を片手に

「マッスル充電ぴこ!」とご満悦だが、ミミはある店の前で足を止めた。


「わぁ……これ、可愛い……!」

 そこには小さな宝石がはめ込まれた光るイヤリングが飾られていた。

 羽のように揺れ、淡い光を放つ――ミミの羽根とお揃いのようなデザインだ。


「ミミ、気に入ったのか?」おぬしが尋ねる。

「うん……でも、高いなぁ……」

 値札には「金貨十五枚」と書かれている。普段の食費三か月分はくだらない。

 ミミは未練がましく視線を外し、その場を後にした。


---


 その夜。

 ギルド宿舎の部屋で、ミミは石板端末を弄っていた。

 ふと、冒険者向けの掲示板で広告が目に入る。


『数量限定!光るイヤリング・新品同様!

 なんと金貨五枚!先着順、今すぐ購入を!』


「……えっ!?同じデザイン……?しかも安っ!」

ミミの心臓が跳ねた。


「ちょっと怪しくない?」おぬしが覗き込む。

「住所も連絡先も載ってないし、支払いは“先払いのみ”だ」

「でも……数量限定って書いてあるし……!」


 そこへぴこたんが横から首を突っ込む。

「ミミ、これは買うしかないぴこ!

 無料じゃないけど安いぴこ!マッスル的にも得ぴこ!」

「ぴこたんは黙ってて!!

 でも……早く買わないと売り切れちゃうかも……」


ミミは勢いで注文してしまった。


---


 数日後。

 しかし、待てど暮らせど商品は届かない。

 問い合わせのメールを送っても、返事は一向に来なかった。


「……うぅ……」

 ミミは石板を抱えてしょんぼりと項垂れた。

「やっぱり……騙されたのかな……」


「典型的なネットショッピング詐欺だな」おぬしが腕を組む。

 ルークも険しい表情で言った。

「本物の商人なら、住所や連絡先、

 評判をはっきり示すはず。

 先払いのみという条件も不自然すぎる」


「……私、やっちゃった……」

ミミの羽根がしおれる。

「欲しくて、焦って、ちゃんと確認しなかった……」


---


 その瞬間、石板が不気味に光り始めた。

 市場で見たあのイヤリングが、画面から立体映像のように浮かび上がる。

「わぁ……!」

 ミミが手を伸ばそうとした瞬間、映像が霧のように広がり、人の姿を形作った。


「フハハ……人の欲望は甘美な餌よ」

 現れたのは、豪華な衣をまとった幻影の商人。

 幻商ファントマーケット

 両手には煌びやかな宝石や装飾品をいくつも抱え、次々に見せびらかす。


「私はファントマーケット。

 商品は見せびらかすが、決して渡さぬ。代金だけが我が糧だ」


---


「くっ……!」ルークが剣を抜き、構える。

「卑劣なり……人の欲望につけ込み、金を奪うとは!」


ファントマーケットは嘲笑した。

「欲望こそ真実。安さに目が眩めば、人は容易に財布を差し出すのだ。

 “数量限定”“今だけ”――この言葉で踊らぬ者はいない!」


 ミミは胸を抑えた。

「私……まさにそれで……」


 おぬしは強い声で言った。

「ミミ!

 奴の幻影はお前の“焦り”から生まれている!

 騙されないと決めれば、力を失う!」


---


 幻商の背後に並ぶ商品が、より豪華に輝きを増していく。

「ほら、欲しいのだろう?

 今ならさらに安くしてやろう。金貨二枚でどうだ?」


 ミミの目が揺れる。

「欲しい……でも……」


 ルークが叫んだ。

「冷静になれ!真の価値は心の目で見極めるのだ!」


 おぬしも続ける。

「本当に安全な取引か、評判を調べ、

 連絡先を確認するんだ!

 それを怠った時点で罠に落ちたんだ!」


 ミミは深く息を吸い、拳を握った。

「そうだよね……私は欲に負けてただけ。

 もう二度と騙されない!」


---


 ミミの体が光に包まれた。

 羽根が大きく広がり、瞳が真っ直ぐに幻商を見据える。


「必殺――《幻影照破トゥルーサイト・バースト》!!」


 眩い閃光が広場を照らす。

 幻商が掲げていた商品は一つ残らず砕け散り、空虚な霧となって消えていった。


「ぐわぁぁ……!欲望を断ち切るなど……あり得ぬ……!」

 断末魔の叫びを残し、ファントマーケットは完全に消滅した。


---


 静けさが戻り、ミミは深く肩を落とした。

「……私、ちょっと恥ずかしい。欲に負けて、冷静じゃなかった」


 ぴこたんがにかっと笑う。

「でもミミなら次は大丈夫ぴこ!

 オレだって筋肉通販があったらポチっちゃうしw」


 ミミは吹き出した。

「それはそれで危ないけどね」


 おぬしは真剣にまとめる。

「怪しい激安は要注意。

 先払いのみや住所不明は詐欺の証だ。

 正規の販売元と評判を必ず確認しろ」


ルークも静かに頷いた。

「欲望は誰にでもある。だが、それを利用する者がいることを忘れるな」


ミミは強く頷き、羽根を広げた。

「うん。次はちゃんと見極めるよ!」


---


――教訓まとめ――


今日は「ネットショッピング詐欺」がテーマだったぴこ!

ミミが見つけた“激安イヤリング”――実は幻商ファントマーケットの罠だったぴこ!

「数量限定」「今だけ」って言葉に焦ってしまうと、誰でも冷静さを失っちゃうぴこね……。


みんなも覚えておくぴこ!

1.住所や連絡先が曖昧・先払いのみの店は怪しいぴこ!

2.“数量限定”や“今だけ価格”は焦らせる罠ぴこ!

3.本物かどうか、公式サイトや評判を必ず確認ぴこ!

4.安さに心を奪われた瞬間、詐欺は勝つぴこ!


ミミ「もう二度と“限定”の言葉には踊らされないよ!」

ルーク「欲望に飲まれず、理性で選ぶ――それが真の買い物術だ」

オレは“筋肉通販”が出ても……たぶん我慢するぴこ!


次回は、ソシャゲの世界に潜む“課金トラップ”!

運か実力か――沼にハマる前に、“冷静マッスル”を鍛えるぴこおぉぉ!!

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