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脳筋戦士ぴこたん、今日もネットの罠に釣られる! 〜やらかすたびに強くなるリテラシー勇者冒険譚〜  作者: ぴこたん
第二章 実践編

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第13話 憧れを騙る影 ――なりすましアカウントの罠


 インフォシティの大通りは、今日も人で溢れていた。

 市場の喧騒、旅人の歌、ギルドから流れてくる勇壮なラッパの音。

 ぴこたんは胸を張って歩き、道端の子どもに無駄なマッスルポーズを披露していた。


「どうだおぬし!今日の筋肉もバッチリぴこ!

 憧れの英雄バルドにだって引けを取らないぴこ!」


「はいはい」おぬしは苦笑しつつ相槌を打つ。

 ぴこたんがバルドに憧れているのは周知の事実だった。

 剣と魔法を自在に操り、幾多の魔王を退けたという伝説の冒険者――それがバルドだ。


 そんな折、ぴこたんの端末が小さく震えた。

「ん?メッセージ……?」


 画面に表示された文字を見た瞬間、ぴこたんは飛び上がった。

「おおおぉぉ!?こ、これはぁぁぁぁぁ!!」


---


『ぴこたん殿。君の勇敢な戦いぶりを見て、感銘を受けた。

 ぜひ弟子として迎えたい。詳細はこの門を通れ――

 BaldoOfficial』


「ぎゃあぁぁぁ!!憧れのバルド本人からのお誘いぴこおおお!!!」

 ぴこたんは涙を流さんばかりに喜び、端末を高く掲げた。


「ちょ、ちょっと待って!」ミミが飛んできて画面を覗き込む。

「ねぇ、その名前……“BaldoOfficial”って書いてあるけど、

 “O”の字が一つ“0(ゼロ)”になってるよ」


「えっ……?」ぴこたんが目を凝らすと、確かに「Baldo0fficial」と表示されている。

「はっ!で、でも本物かもしれないぴこ!

 本人が直々に“弟子にする”って……!」


「ぴこたん、落ち着け」おぬしは深く息を吐いた。

「これは“なりすましアカウント”だ。

 本物そっくりに偽って、騙す手口だ」


---


 広場の空気が不気味に揺らめいた。

 石畳の影が伸び、そこから黒い人影が浮かび上がる。

 鏡のようにゆらゆらと揺れるその姿は、やがて“偽バルド”の姿をとった。


「フハハ……私は影写しの怪人インパーソナ

 人々の憧れと欲望を映し、姿を奪う者だ」

 その声は確かにバルドに似ていた。

 だが、どこか冷たく、歪んでいる。


「人は見たいものだけを見る。

 だから私は本物にしか見えない!」

 インパーソナの背後には、幾千もの“偽アカウント”が

 影の軍勢のように並んでうねっていた。


---


「おぬし……こいつ、すごいぴこ!

 完全にバルドそっくりぴこ!」

「いやいや!そっくりだけど細部が違うでしょ!」ミミが叫ぶ。

「アイコン画像は本物そっくり。

 でもプロフィールの発行日は今日。

 フォロワーも数人しかいない!」


 ルークが低く唸る。

「偽物は必ず細部で歪む。

 だが人は憧れに目を曇らされ、見えなくなるものだ」


「さぁ、ぴこたん」インパーソナが甘い声で囁く。

「弟子入りを望むなら、まずは入門の“初期費用”を納めてもらおう。

 この門にカード番号と暗号を刻めば、自動で支払える。

 そうすれば、君に力を与えよう」


「か、カード番号!?」ぴこたんが目を丸くする。

「な、なんかおかしくないぴこ?……でも……憧れのバルドのためなら……」


「違う!!」おぬしは鋭く叫んだ。

「それこそが罠だ!本物のバルドがそんなものを要求するはずがない!」


---


 だが鎖のような影がぴこたんの腕に絡みつき、

偽バルドの幻影がさらに誘惑する。

「恐れるな。欲しいのだろう?

 力も、名誉も。ならば差し出せばいい。そうすれば――」


「だ、だめだ……でも……でも……」ぴこたんの手が震える。


「ぴこたん!」ミミが声を張った。

「冷静に見て!本物のバルドは認証印を持ってる!この偽物にはない!」

「そ、そういえば……!」ぴこたんの目に一瞬、正気が戻る。


「オレは……もう騙されないぴこ!

 筋肉だけじゃなく、ちゃんと見極める目もあるぴこ!!」


---


 ぴこたんが雄叫びを上げ、拳を振り上げる。

「必殺――《偽像粉砕アイデンティティ・クラッシュ》!!」


 拳から放たれた光が偽バルドの幻影を打ち砕く。

 インパーソナの姿が揺らぎ、本来の黒い影の姿に戻った。


「くっ……小僧のくせに……冷静な目を持つとは……!」

 インパーソナは憎々しげに叫び、影の軍勢を従えて闇に消えた。


---


 静けさが戻った広場。

 ぴこたんは大きく息を吐き、汗をぬぐった。

「ふぅ……危なかったぴこ。

 オレ、もうちょっとで騙されるところだったぴこ……」


ミミが苦笑しながら言う。

「だから言ったじゃん。偽物は必ず細部でボロが出るんだよ。

 名前、アイコン、フォロワー、

 投稿の一貫性……ちゃんと確認すれば見抜ける」


ルークは剣を収め、

「憧れや欲望に心を支配されれば、真実は見えなくなる」と諭した。

おぬしも頷く。

「信じる前に確かめる。それがリテラシーの第一歩だ」


ぴこたんは拳を握りしめ、にかっと笑った。

「うむ!バルドの弟子にならなくても、

 自分の筋肉を鍛えるぴこ!本物になるのは……オレ自身ぴこ!!」


 ミミとおぬしは顔を見合わせ、思わず笑った。


---


――教訓まとめ――


今日は「なりすましアカウント」がテーマだったぴこ!

オレ様ぴこたん、憧れのバルドから“弟子入り”メッセージが来て大喜びしたけど、実は影の怪人インパーソナの罠だったぴこ……!危うくカード番号まで差し出すところだったぴこ!


みんなも覚えておくぴこ!

1.なりすましアカウントは本物そっくりに作られるぴこ!

2.名前の一文字違い・画像の盗用・投稿コピーは典型的な手口ぴこ!

3.公式認証印、作成日、フォロワー数、投稿の一貫性を確認するぴこ!

4.憧れや欲望に心を奪われると見抜けなくなる。信じる前に確かめる習慣ぴこ!


ミミ「憧れ補正で目が曇るのが一番危険だからねw」

ルーク「真実は冷静さの中にある」

オレはもう偽物に騙されないぴこ!本物は――このマッスルぴこおおぉぉ!!


次回はさらに“偽アプリの闇”に迫る冒険ぴこ!絶対見逃さないでほしいぴこ!

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