表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
脳筋戦士ぴこたん、今日もネットの罠に釣られる! 〜やらかすたびに強くなるリテラシー勇者冒険譚〜  作者: ぴこたん
第二章 実践編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

14/73

第12話 チェーンメールの亡霊 ――時代を越える拡散の呪縛


 インフォシティの朝は、いつも活気に満ちていた。

 市場ではパン屋の香りが漂い、冒険者ギルド前の石段には

新しい依頼を求める若者たちが列をなしていた。

 ぴこたんはいつものように広場でマッスルポーズを決め、

道行く人々に無駄な筋肉をアピールしていた。


「見よおぬし!今日も筋肉は完璧ぴこ!

 呪いも魔法も、全部この筋肉で跳ね返すぴこ!」


「呪いまで筋肉で解決する気なの……」ミミがため息をつく。

 ルークは苦笑しながらも周囲を見渡し、

「だが油断は禁物だ。呪いに限らず、

 古くから伝わる罠というものは、

 形を変えて今も残っている」と真面目に言った。


 その時、掲示板の下に置かれた古びた巻物がぴこたんの目に留まった。

 羊皮紙は黄ばみ、文字はかすれている。

 だが、その内容は妙に鮮明だった。


『この文を七人に回さなければ、呪われる。

 回した者には幸運が訪れる。

 さあ、今すぐ伝えよ――』


「ひぃぃぃ!?な、なにこれぴこ!?筋肉呪いか!?

 オレのマッスルがしぼむ呪いかもしれんぴこ!」

 ぴこたんは顔を真っ青にして、慌てて仲間の方へ駆け寄った。


---


「おいおい……これは」

 おぬしが巻物を手に取り、読み進める。

「間違いない。“チェーンメール”だ。

 古典的な手口だが……まだ時々見かける」


「懐かしいな」ルークが頷く。

「昔、我が村にもあった。

 “このお札を回さなければ病に倒れる”などと脅して、人々を惑わせていた」


「そうそう」ミミも笑う。

「時代が変わっても似たようなものが回ってくるよ。

 今だってSNSで“シェアしないと不幸になる”とか、

 “いいねを押すと幸運が訪れる”っていう投稿があるじゃん。あれと同じ」


「えっ!?じゃあこれ、今も現役ぴこ!?

 だとしたら……オレも今すぐ七人に回さないと!!」


 ぴこたんは慌ててギルドの仲間に転送しようとする。

「やめろぴこたん!」

 おぬしが即座に止める。

「そうやって“恐怖”で煽ったり、

 “幸運”を餌に拡散させるのが、

 チェーンメールの正体だ。呪いなど存在しない!」


「でもでもでも!もし本当に呪われたら!?マッスルがぁぁぁぁ!!」

 ぴこたんは泣きそうな顔で叫ぶ。


---


 その瞬間、巻物が淡い光を放ち、広場の空気が一変した。

 影が集まり、鎖の音が響き渡る。

「カラン、カラン……」


 現れたのは、鎖をまとった魔女だった。

 髪は灰色に乱れ、目は血のように赤い。

 彼女の体から伸びる鎖には、古びた文字や新しい呪文が刻まれていた。


「私は連鎖の魔女チェイナ

 大昔から人々の心を縛り、恐怖と欲望で拡散を操ってきた。

 古典と笑われても、私は生きている。

 姿を変え、言葉を変え、今もなお!」


 鎖に刻まれた文言は、時代を超えて混じり合っていた。

「この文を回せ」

「七日以内に送らなければ不幸が訪れる」

「いいねを押さないと幸運が逃げる」

「RTしなければ呪いが降りかかる」


 ぴこたんは鎖を見て震え上がった。

「ひぃぃぃ!!昔の呪いと今のSNSが合体してるぴこぉぉ!!」


---


 チェイナは笑い声を上げた。

「人は恐怖に弱い。たとえ古びた罠でも、

 “万一”を恐れて手を動かす。そうして鎖は強まり、終わりなく続く!」

 鎖が伸び、ぴこたんの体に絡みつく。

 筋肉を押し潰すように締め付け、心臓にまで届こうとしていた。


「やばいぴこぉぉ!!マッスルがぎゅうぎゅうぴこぉぉ!!」

「落ち着けぴこたん!」おぬしが叫ぶ。

「呪いじゃない、ただの鎖だ!」

「ただの鎖に見えないぴこぉぉ!!」


 ルークが前に進み、剣で鎖を叩き斬る。

 しかし切った先から新たな鎖が生まれる。

「恐怖と欲望は尽きぬ限り増殖する……それが私の力!」チェイナが嘲笑う。


---


「くっ……どうすれば……」

その時、ミミがぴこたんの肩を叩いた。

「大丈夫。これ、仕組みは単純だよ。

 根拠も証拠もない、ただの空っぽな文。

 鎖の力は“信じて回す心”から生まれるんだ」


「えっ……じゃあ……?」

「そう。“回さなければ”終わる」おぬしがはっきりと言った。

「断ち切る方法はただ一つ、“回さない勇気”を持つことだ!」


 ぴこたんは鎖に縛られたまま震えていた。

「でも……もし本当に呪われたら……」

「ぴこたん!」ルークの声が響く。

「恐怖に負ければ、それこそ真の呪いだ!」

「う……うぅぅ……」


 鎖がさらに強まり、ぴこたんの体を締め付ける。

 だが彼は、唇を噛んで目を見開いた。


「オレは……もうこれを回さない!

 呪いなんか信じないぴこ!

 信じるのは……この筋肉と、オレの勇気だぁぁ!!」


 叫びと共に、ぴこたんの手の中の巻物が光に包まれた。

「必殺――《連鎖絶断リジェクト・チェイン》!!」


 巻物が砕け散り、鎖が次々に爆ぜる。チェイナが悲鳴を上げた。

「そんな……恐怖を拒むだと……!?鎖が、切れる……!」

 魔女の姿は霧となり、広場の風に消え去った。


---


 やがて街は静けさを取り戻した。

 ぴこたんは息を荒げながらも、胸を張って言った。

「ふぅ……やっぱり、筋肉には呪いなんて効かないぴこ!」


 ミミが苦笑する。

「いや、効く前に“信じない”って決めたからでしょw」

 ルークも頷く。

「古典的な罠でも、未だに人を惑わす力を持つ。油断は禁物だ」

 おぬしはまとめた。

「形を変え、時代を越えて続くのがチェーンメール。

 古いから大丈夫、なんて思うのが一番危険なんだ。

 “回さない勇気”――それこそが最大の盾だ」


 ぴこたんは満面の笑みで拳を振り上げた。

「うむ!オレはもう騙されないぴこ!回さない勇者ぴこ!」

「……それはそれで語呂悪いけどね」ミミが吹き出した。


 広場に笑い声が響き、古びた巻物はただの灰となり散っていった。


---


――教訓まとめ――


今日は「チェーンメール」がテーマだったぴこ!

古びた巻物だと思ったら、《連鎖の魔女チェイナ》が出てきて大暴れぴこ!

恐怖や幸運をエサに「回せ回せ」と縛りつける古典的な罠……

でも今もSNSに形を変えて生き残ってるぴこ!


みんなも覚えておくぴこ!

1.チェーンメールは古典でも、時代を越えて姿を変えているぴこ!

2.「恐怖」や「幸運」をエサにして拡散させるのが本質ぴこ!

3.「古いから大丈夫」と油断するのが一番危険ぴこ!

4.最大の防御は“回さない勇気”ぴこ!


ミミ「筋肉で跳ね返したんじゃなくて、信じない心で跳ね返したんでしょw」

ルーク「恐怖に飲まれぬ強さこそ真の鎧だ」

オレはもう“回さない勇者は最強でした”の主人公ぴこ!……語呂悪いけど最強ぴこ!


次回はさらに巧妙な“なりすましアカウントの罠”が待っているぴこだから、

絶対見逃さないぴこ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ