表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
脳筋戦士ぴこたん、今日もネットの罠に釣られる! 〜やらかすたびに強くなるリテラシー勇者冒険譚〜  作者: ぴこたん
第一章 基礎編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

12/73

第11話 カフェの幻線 ――フリーWi-Fiと二重の守護壁


インフォシティの夜は賑やかだった。

祭りの後の余韻が街を包み、提灯の明かりが通りを揺らす。人々は屋台で買った甘味を片手に、笑いながら行き交っていた。


「ふぅ〜、筋肉も祭りで大満足ぴこ!」

広場で豪快に肉串を平らげたぴこたんは、満腹で胸を叩きながら言った。

「でもちょっと喉が渇いたぴこな。どこかで休憩しよ、おぬし!」


そうして四人は、石畳を抜けて小洒落たカフェへ入った。

看板には《パケット商会》と書かれている。奥には焙煎の香りが漂い、窓際の席では若い冒険者たちが石板を広げ、談笑していた。


「ここ、いい雰囲気だね」ミミがふわりと舞い降りる。

「静かで落ち着いている」ルークも頷いた。


席に着いた瞬間、ぴこたんの目が輝いた。

壁に貼られた大きな紙には、こう書かれていたのだ。


「FreeWiFi接続はこちら!」


「おぉぉ!?無料ぴこ!?クーポン当たるかもって書いてあるぴこ!」

ぴこたんは腰の端末を取り出し、迷わず接続を始めた。


「待って」ミミが眉をひそめる。「正規のSSIDは、レシートの裏に載ってるはずだよ。そっちじゃなくて――」

「だいじょーぶぴこ!強そうな名前だし、“Free_WiFi_5G”って書いてあるぴこ!筋肉的に速そうぴこ!」


おぬしはすぐに気づいた。

「待てぴこたん、それは……」

だが、すでに画面に“同意ページ”が現れていた。そこには「メールとパスワードを入力してください」と表示されている。


「おぉ、なんかすごそうぴこ!ちょっと入力して――」

「やめろぉぉぉ!!」


---


その瞬間、カフェの空気がざわりと震えた。

背後の席に座っていた黒いフードの集団が、にやりと笑った。

――クラッカーズ団だ。


「まんまと釣れやがったな。餌にかかるのはいつも脳筋だ」

リーダー格の男が小型の魔導器を操作する。そこから波紋のような電波が広がり、店内を覆った。


「エビルツイン展開!」

仲間の一人が叫ぶ。

ぴこたんの端末に表示されたSSID――Free_WiFi_5G――は、奴らが立てた偽の拠点だった。


さらに別の団員が呪文を唱える。

中間者ミドルマン、幻線置換……!行き先を書き換えろ!」


ぴこたんの画面に出ている“鍵マーク”が、一瞬だけ消えた。

アドレスの綴りも微妙に違う。“Bank-of-Castle”が“Bank-of-Caslte”になっていた。


「おい……」おぬしは顔をしかめた。「証明書の発行者も違う。“ProxyNetGateCA”なんてのは聞いたことがない」


---


ルークがすぐに盾を構えた。

その表面に“電波の紋”が浮かび上がる。店内に散らばるSSIDが光の文字となり、誰の目にも見える形で現れた。


-Cafe_Packet_Official(厨房の奥から微弱な電波)


-Free_WiFi(強力だが怪しい波動)


-Free_WiFi_5G(最も強いが、異質な脈動)



「やはり……偽物が複数紛れ込んでいる」ルークは低く言った。


ミミは空中で指を走らせ、通信の流れを視覚化する。

光の糸が絡み合い、やがて一本の川となって流れ出す――その中身は、ぴこたんの入力しかけた文字列まではっきり見えてしまっていた。


「やばっ……!いつの間にかHTTP通信……これじゃ、丸見えになってる!」

ミミが声を上げる。「しかもこれ、HTTPSを無理やり剥がそうとしてる!」


クラッカーズ団が嘲笑した。

「そうだ。鍵が揺らげば誰も気づかない。ログイン情報も、セッショントークンも、全部いただく!」


背後に浮かび上がる影――セッション泥棒セッショナリー

骨ばった手には、すでにいくつもの“光の鍵束セッションキー”がぶら下がっている。

奪った者の記憶や権限がそのまま詰まった鍵だ。

鉤爪がぴこたんの端末へと伸び、そこから新しい光を引き抜こうとした。

---


「ぴこたん!」

おぬしが叫ぶ。「思い出せ!二段階認証の時のことを!」


その声に、ぴこたんの目が見開かれた。

脳裏に蘇るのは、第5話で戦った“影鍵術バックドア”との戦い。

あの時、自分を守ったのは――


「そうだぴこ……!オレには《二重の守護壁ダブルシールド》があるぴこ!」


盾の奥で、二重の光が広がる。

セッショナリーの鉤爪が光に触れた瞬間、バチンと弾かれた。

「な、何だと……二重の壁……突破できん……!」


クラッカーズ団が顔をしかめる。「ちっ、二段階認証か……厄介な!」


---


「今だ!」

ルークが叫び、《電波断ち(Wi-Kill)》を展開。偽の拠点の波が一気にかき消される。


おぬしは即座に詠唱した。

「《秘匿回廊(VPN)》――闇に覆い、覗く者を拒む!」

端末から伸びる通信の糸が暗いヴェールに包まれ、外からは一切見えなくなる。


ミミも声を重ねた。

「《真名照合(証明書フィンガープリント確認)》――発行者は正しい?……よし、本物!」


最後におぬしは追撃した。

「《経路封印(DNSoverHTTPS)》――幻線を閉じろ!」

光の鎖が走り、クラッカーズ団の魔導器に絡みつく。

「ぐわっ!」下っ端たちは装置を手放し、煙を上げて退散していった。


---


やがてカフェに静けさが戻る。

驚いた客たちがざわざわと話し合い、店主は青ざめながらも深く頭を下げた。

「正規のSSIDをもっと分かりやすく掲示します……お客様にご迷惑を……」


ぴこたんは椅子にどかっと座り、胸を張った。

「ふふん、無料より安全ぴこ!オレは今日から、まずテザリングぴこ!」


「学習したねぇ」ミミが笑う。「タダほど高くつくことって、あるからw」

ルークは真顔で言った。「見えぬ鎧こそ堅牢だ。日々の設定が剣を守る」

おぬしは静かにまとめる。「積み重ねた守りは、必ず次の戦いで生きる」


夜風が窓を揺らし、街の灯が遠く瞬いた。

クラッカーズ団は去った。しかしまた、次の狡猾な手を仕掛けてくるに違いない。


だが勇者たちはもう、無防備に飛び込むことはないだろう。


---



――教訓まとめ――


今日は「フリーWi-Fiの罠」がテーマだったぴこ!

オレ様ぴこたん、カフェで“Free_WiFi_5G”に飛びついたら……クラッカーズ団の偽拠点だったぴこ!危うくログイン情報もマッスル写真も盗まれるところだったけど、《二重の守護壁ダブルシールド》と仲間の魔法で守り抜けたぴこ!


みんなも覚えておくぴこ!


1.フリーWi-Fiは誰でも立てられる。SSIDだけで信用しないぴこ!

2.鍵マークや証明書発行者を確認するぴこ!違和感があれば即中断!

3.VPNで暗号化、自動接続はOFF、使ったら設定ごと削除ぴこ!

4.二段階認証ダブルシールドが最後の砦!

5.どうしても危険ならテザリングに切り替えるぴこ!


ミミ「無料より高くつくものってあるのよw」

ルーク「見えぬ鎧こそ最も堅牢だ」

よし!これからは筋肉も通信も、二重の守護壁ぴこおお!!!


次回はさらに深い“通信の罠”が待ってるぴこだから、絶対見逃さないぴこ!

ここまで読んでくださったおぬし、本当にありがとうございますぴこm(_ _)m

これにて 「序章:基礎編 」完結 ぴこ!

そして次回――お待ちかねの「ぴこたんとおぬしの関係」を綴った特別閑話をお届けします(〃▽〃)

いつもの本編とはひと味ちがう、ちょっと裏側のぴこたんワールドをぜひ楽しみに…!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ