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猫耳と王冠  作者: クーアウコ
第一部
32/52

32話 趣味

 グリムは我を忘れて、ヴォルグラスに襲い掛かった。

 怒りは頂点に達し、髪と尻尾はその象徴のように大きく膨れ上がる。


「ヴォルグラス貴様ぁあああ!」


 彼は血走った目でヴォルグラスに襲い掛かり、ナイフを乱れ打ちした。

 老人は彼の攻撃を嘲笑うように、ただ立っていた。


 次の瞬間老人は鋭い眼光でグリムを睨みつけ、掌から生み出した氷の槍を勢いよく投げつけ、両手のナイフを砕いた。

 武器を破壊され動揺を隠しきれないグリム。

 老人は冷酷な笑みを浮かべながら、"魔法の青い鎧"に酷似している青い球体をグリムに連射した。

 老人の放った球体に当たり続け、彼は部屋の中を縦横無尽にふっ飛ばされる。

 最後にグリムの部下の部屋の扉に叩きつけられ、反動で扉が閉まった。

 彼が腰に下げていた袋が落ち、中から王家の指輪が転がり落ちる。


「邪魔じゃよグリムくん。君など相手にならん。せっかくアンミストくんがかばってくれたんじゃ。そこで待ってろ。ワシはかわいいこどもの願いは尊重してやる主義でのう。まずは……」


 老人はエリックの方を向いた。


「エリックくん。君からだ」


 ヴォルグラスは手から3cmほどの氷柱(つらら)を作り出し、エリックの左下腿に刺した。


「ぐっ……」


 焼けるような痛みで顔をしかめる。


「エリックくん、君はワシのつくった可愛い子どもではないが、ワシの楽しみを台無しにした借りがある。たっぷりいたぶってから殺してやろう」


 エリックは両足に無数の氷柱(つらら)を受け続けた。

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