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猫耳と王冠  作者: クーアウコ
第一部
31/52

31話 最後の作戦

 エリックとアンミストはヴォルグラスに必死に攻撃を加え続けた。

 老人が杖を使い氷柱(つらら)を生成するたびにエリックが破壊する。

 アンミストの攻撃により再度青い物質が剥がれかけ、老人が杖を掲げ修復しようとする瞬間にエリックは剣を突き刺した。

 だが……老人は剥がれかける前、すでに修復を試みていた。

 杖をエリックたちの前に高く掲げ、ヴォルグラスは勝ち誇った。


「ククク……無駄無駄そんな浅はかな作戦。

 ワシの魔法は、この魔法の鎧が完全に剥がれ落ちないと発動出来ないわけではない。いつでも修復できるのだ。」


 その老人の隙をついて、後ろから跳躍したグリムがヴォルグラスから杖を奪い取り、エリックたちの後ろに着地した。


 勝ちを確信したグリムがセリフを吐く。


「とったぞ!傲慢な老人などこんなものだ。簡単に隙を晒す。貴様にもう勝ち目はない。

 さあ、私の部下の言葉を戻せ!!」


 ……一瞬にして杖を奪い取られたヴォルグラスは呆然としていた。

 が、次の瞬間ニヤリと笑い

 ()()()()から直径20cmほどの氷柱を4個作り出し、放った。


 グリムに直撃する瞬間、アンミストが彼を突き飛ばした。

 氷柱(つらら)のうちの一つはアンミストの腹部に当たり、鎧を貫通して後ろの壁に突き刺さる。

 弾け飛んで小さくなった氷柱(つらら)がエリックの足に突き刺さった。

 アンミストの腹部に大きな穴が空き、倒れる。

 鮮やかな緋色の血が、まるで噴水のように腹部から吹き出した。


 尻餅をついて座り込んだグリムは、持っていた杖を離し唖然とする。

 杖が床に落ち、重厚な床に鈍い響きがこだました。

 ヴォルグラスが座り込むエリックを見下す。


()()()()()()()()()()()()()

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 ワシは見ていたぞエリックくん。君はせっかくの彼女の忠告を無駄にした……ククク……ハハハハハ……ハーッハハハ」


 ヴォルグラスの嘲笑はエリックの心に深く突き刺さる。

 アンミストがやられ、恩がある彼女との思い出を汚された。

 エリックは悔しさで思わず舌を噛み、口から血が出ていた。

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