24話 雪解け
白い髮の猫耳少女グリムの活躍はトロル族の間で評判となった。
いつぞやグリムが語った内容によると、トロルにとって猫耳少女は人間にとってのゴブリンみたいなものだそうだ。
戦闘前はその容姿に不快感をあらわにするトロルもいたが、その活躍を知るとグリムの前に人だかりができ、羨望の眼差しを受けていた。
言葉は分からないが、トロル達のグリムを見る目が明らかに変わったことを、エリックも感じていた。
アンミストが何やらトロル達に喋ると、彼らは驚く。
グリムの前に跪き頭を垂れるものがいたり、土下座をする者もいた。
手を握り涙する者もいた。
ただならぬトロル達の様子にグリムは思わずアンミストに聞いた。
「アンミスト!一体トロル達になんと言ったんだ!!」
エリックは薄々感づいていた。
「えへへー。グリムちゃんのことみんなに言っちゃった」
トロル達に囲まれ、しがみつかれ動けなくなるグリム。
その日の夜グリムがエリックに語ったところによると、この時トロル王直属の部下も乱入してきて、号泣しながらグリムに抱きつき揉みくちゃにしたらしい。
彼はため息をつき、
「私がこれまで正体を隠してきた意味がないではないか……まあ、これも……」
エリックはその続きを聞かなくてもわかっていた。
――悪くない。
死んでしまったトロルたちの墓を皆で立て弔った。
死んだ人間を穴に埋め、捕らえた人間を縄で縛る。
捕虜を出身地に引き渡し、首謀者を捕らえてもらうことにした。
はあはあ、ようやくここまで書き上げたぞ…あとちょっとだ…




