■#07 悲鳴
バッテリーの無くなったスマホを充電器に接続し、PCを立ち上げて更にこの世界を詳しく調べようとした俺を待ち受けていたもの……それは、不可解の極みそのものだった。
何故なら──PCから得られる情報は『何も無かった』からに他ならない。この謎の世界についての記述というものが一切ネット上に存在していないというのは不自然極まりない。普通にネットが通じているこの異世界であれば、この世界の情報らがこの箱に集約されていると考えるは至極当たり前の事だろう。地球のインターネットに地球の歴史の記録が記述されているように。
だがそこに詰まっていたのは以前──つまり前世である地球のもののみだったのだ。
謎世界にいながらも地球のネットと繋がり、情報を得られるというのは有り難いようではあるのだが……漸く謎世界の事がわかると思っていた俺は出鼻を挫かれた。それならば何故──地球のネットと繋がっているにも関わらず【VTuber】コンテンツだけは消え去っているのか。ここも不自然といえば不自然だ。果たしてこのPCは地球準拠のものなのかこの『謎世界』準拠のものなのか判然としない。
謎のバージョンアップが施されていたスマホは何か手掛かりにでもなるだろうか。充電中に使用するのはバッテリー劣化を速めるから俺は使わない派なので止めておく。
ならば外に出てみれば新たな情報を得られるか──なんて一瞬思ったりもしたが瞬時に神経が却下した。あんなハロウィンパーティーが行われてるサイバー都心部なんて陽キャでもなければ行こうなんて思わないだろう。
結論──スマホの充電が済むまで現状は調べる手立てなどないという事だ。テレビをつけてみても……恐らくPCと同じ結果になるだけだろうしな。
「暇だ」
そういえば……出会いが衝撃すぎて推しの娘から渡された粗品を確認していなかったな。まぁ普通にタオル詰め合わせとかそんなんだろうから急いで確認しなくてもいいのだが、折角だから時間つぶしに風呂でも入って使わせてもらうとしよう。
しかし、そうして紙袋を開けようとしていたまさにその時だった。
〈きゃあああああぁぁぁぁぁぁぁっ!!!〉
隣の部屋から甲高い悲鳴が聞こえた。




