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またなんて二度と信じない。  作者: 顔文字
ながーめのプロローグ
5/7

プレゼント

「千田さん最近調子良さそうですね?」

休憩室で休憩をしていると初島さんではない女の子のアルバイトの声がした。

「うん、なんか楽しくて」

「楽しい?」

「そう! 今まで人生に目的もなく生きてたんだけどね、ちょっとやりたいこと?が見つかって楽しくなってて、毎日が早く過ぎていくんだよね」

「んー転職でもするんです?」

「いや、常々したいと思ってるけど違うよー」

千田は笑顔で返した。

「はぁ。まぁいいです元気なら」

アルバイトはあきれつつ、なんだこいつ?きも、見たいな目で離れていった。

千田はそんな視線にも気づかずに、ずっとプレゼントするピアスについて考えていた。



初島さんピアスなくても綺麗で可愛いもんなぁ、だったらそのままを大事にして欲しいからあんま大きくない方がいいよね。

誕生日だし誕生石使ったやつとかどうなのかな・・・

あれ誕生石って何だろう、良し調べよう。

えっと、翡翠・エメラルド、うわぁたかそー、宝石言葉?は、、なるほどー石にも意味があるのか、ならエメラルドだな。

うむそういえば値段もピンキリだな、「友達 プレゼント 相場」で検索っと、

ふむふむ、友達に送るなら5,000円くらいが相場なのか。


こうやって初島さんにあげるプレゼントを考えてるときは、時間を忘れていた。


いや、プレゼントの時だけではなく、初島さんの事を考えてる時は楽しく時が経っていた。


1週間が経った頃、プレゼントするピアスが決まった。凄く悩みに悩んだ末に決めた。

まず、ピアスは二個買うことにした。

まず一つ目は、エメラルドのピアスを一個。

理由としては、誕生石の意味である幸運・幸福、この意味だけでプレゼントしたいと思うには充分であった。

ただ、なら一個でいいんじゃないか?と思われるであろう。

ピアスをつけた初島さんを想像して欲しい、綺麗で可憐な彼女に緑よりか、明るい色の方が緑が似合うと思い、もう一個ピンク色のピアスを購入した。


ただ千田は買ってから、

(二つも渡したら重すぎるかな、どーしよ嫌われたら)

と、いつもの様に不安になっていた。

ただそれでも今までの人生であれば、そのまま不安がって終わっていたが、今は違った。

初島さんが喜んで笑顔になってくれる事を期待している、前までは不安で止まっていたが、今は不安ながらも期待をするように変わっていた。


そして、時は立ち運命の日、誕生日当日。


よくよく考えると初島さんは休みだった。

会社よりアルバイトとの個人での連絡先交換を禁止されいる千田は、連絡先を持っておらず次の出勤を待つことになった。

今まで真面目に生きてきた、千田は会社のルールは絶対守っていたが今回に至っては違って考えていた。

(あ、プレゼントにかこつけて一緒に連絡先交換しちゃおうかな、プレゼントあげるのも本来アウトだしまぁいいよね)


人と接するのを拒んで生きてきた千田であったが、自分自身でもう心が、初島さんを好きだと気づいていた。

そして、喜んでもらえる為に生きれるなら楽しいと凄く感じてしまった為、もう全力で初島さんにアタックしようと決意していた。


ただ、

(あーでも、やっぱ二つも渡したら、気持ち悪がられるかなぁ)


中身はチキンのままで変わらなかった。



誕生日後、出勤が被る初めての日。

相変わらずチキンな千田は直接渡すのが恥ずかしかったから、初島さんが働いてる間に、休憩室に紙袋をセット。休憩に向かう為客席から休憩室に初島さんとすれ違うタイミングで事務所を出て、

「机の上に置いてあるので持って帰ってください」とだけ一言残し

そのまま顔を合わせないように逃げ回って仕事が終わった。


仕事が終わり千田は家に着き一息ついていた。

次の日の仕事の事を考えていると、スマホが揺れた。


「こんな時間に連絡、お店閉め忘れたりしてないよな・・・」

会社からの連絡だったら嫌だなぁと思いながらスマホの画面を見るとそこには、


「「プレゼントありがとうございました。今度の出勤でつけていきますね」」


「え、初島さん⁉ やばっ!」

心拍数が自分でも上がっていくのがわかる、

気が付いたら正座しながらチャットアプリを見ていた。

そしてもう一度本当に初島さんなのかを確認する。

たった一文が確かに送られてきていて、嬉しすぎて、正座しながら枕に頭をバンバンぶつけて喜びを表現していた。


「やば、え、どうしよ、返信した方がいいのかな」

てんぱっている頭と、元からそんな女性慣れしてない為どうやって返信すればいいのかわからず、何が正解かがわからない。


頭の中では、

「絶対似合うと思うやつだから!」かな、

いや、何でも似合うの間違いないけど、これだと自分の選んだセンスが良い見たくなるからダメやな。

「お礼だから気にしないで」か、いや気にして欲しいし、そもそもお礼というかあげたかったのが本音だしなぁ。

なんて、考えている内に一時間が経過していた。


その頃には落ち着きを取り戻してきていた。


今度見せてくれるって言ってるしなぁ、自分の純粋な気持ち

「今度会う時が楽しみです!また次の出勤で!」だな、

いっつも会うときは楽しみだし変なことは言ってないよな、と不安になりながら返信をぽちっと押した。



一文の返信にかかった時間は2時間だった。

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