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モブですらない登場しない人物に転生しましたが、 王太子様が私に夢中みたいです!?  作者: あいら


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7-4

ロイは、元々隣国の諜報機関の兵士で、

この国の事を探っていた。


その事が、裏の世界でバレ、

機密事項は話せず、書けないように呪いをかけ、

奴隷の身分に落とされた。


ほとんど、役に立たない奴隷は処分される。

すぐ殺されるとふんだのだろう。


そうすれば、直接手を下したと、

隣国から目をつけられる事もなく、

穏便に事が済む。



しかし、ロイは私が救ってしまった。


ロイが言えず、書けずの事は、

両国の機密の事で、

その状態を解除するのは、奴隷印を消すしかなかった。


奴隷印の解除は強力で、

ほとんどの呪いも、同時に解除されるからだ。


そして、その両国の情報から、

私が狙われている事、ドラゴンの魔石を渡さないと、

隣国が攻め込み、戦争が起こる事を教えてくれた。



「戦争を回避してくれた事は分かった、

 しかし、ドラゴンの魔石は、

 もう隣国に渡ってしまったが?」



私とロイは微笑む。



「私が性別を偽っていたのは、

 覚えていらっしゃいますか?」



ロイの話を聞いて、ネット小説の中にあった、

ドラゴンの魔石が隣国に渡るのは、

どうしても避けられない事だと分かった。


だったら・・・



「偽物か!?」



私はロイに促されて、立ち上がる、

セレディウス様もそれに続く。



王宮の宝物庫に入り、

大量の品であふれかえっている中から、

大きな青いガラスのような石を出す。



「これが、本物のドラゴンの魔石です」


「では、ルチアナ王女が持ち帰ったのは・・・」


「私が用意した、ドラゴンの魔石と

 思い込ませる効果を持った、単なる魔石です」


「君は・・・・」


「まあ、隣国との関係の中で、

 我が国にドラゴンの魔石がある事は、

 大きな声では言えませんが、

 この事を知る我が国の貴族は、

 セレディウス様が王になる事に、

 反対する者はございませんわ」



セレディウス様は、私を抱きしめる。



「君を王妃にする、そして世界で一番幸せな

 女性にすると誓う」


「もう幸せですわ」



セレディウス様を抱きしめながら思う。


大きくストーリーを変えてしまったけど、

この人と、この国の人が幸せになれるのなら、

そんな物語も決して悪くはない。



物語に登場しないはずの子爵令嬢は、

幸せな気持ちで、王太子の胸に顔をうずめた。

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