7-2 (王太子視点)
フェデリアが姿を消した!
ついでに、ロイの姿までない!
ロイがフェデリアに何かをしたのだろうか?
しかし、ロイはフェデリアに心酔している、
フェデリアに害をなすような事をするとは、
まったく信じられなかった。
しかし、フェデリアが姿を消した状態を
考えると、ロイが絡んでいるとしか考えられない。
いや、駄目だ、今は憶測を並べている時ではない。
自分の持つあらゆる手段をもって、
フェデリアに関する事を調べているが、
何も情報がつかめない状態だった。
そんないらいらしている時に、
更に拍車をかけるよう、
隣国の王女ルチアナが訪問してくる。
正直、隣国の王女などに、時間を割きたくないが、
次期国王として、無視する事はできない。
侍女によって、正装に着替え、
玉座の間でルチアナ王女を待つ。
王女が入場し、父王とルチアナ王女との間で、
形式ばった挨拶がなされる。
しかし、私の目を奪ったのは、
ルチアナ王女の後ろに控えるロイの姿だった、
なぜロイがルチアナ王女に従っている?
やはりロイは裏切っていたのか。
表情に出さないよう、今までの努力の全てを
終結して、挨拶が終わるのを待つ。
挨拶が終わると、ルチアナ王女が、
私との会話を求めてきた、
望む所だ!内心燃え上がるような思いをかかえ、
何とか笑顔を作ってガゼボへ向かう。
ルチアナ王女は、形のいい唇を、
にやりと歪めて話しだした。
「単刀直入に申し上げますわ、
フェデリア様にはとある所で、
お寛ぎ頂いておりますの」
そう言って髪飾りをテーブルに置く、
間違いない、自分が贈った、
世界に一つしかない髪飾りだ。
「こちらも、単刀直入に聞く、条件は?」
「ドラゴンの魔石ですわ」
「分かった」
「あら、ずいぶん思い切りがよろしいのですのね、
そんな事をしたら、民が危険に陥り、
王太子としての立場が危うくなるのに」
「二言はない」
「交換場所などについてお話し致しましょう」
ルチアナ王女の言う通りだ、
為政者としては、決してしてはいけない決断だろう、
それでも、自分の何を失っても、
フェデリアだけは助けたかった。
ロイの表情は読めない、
もう敵かもしれない、
それでも、ロイがいる以上、
フェデリアはひどい目にはあっていないと言う、
不思議な信頼感は、今だに残っていた。
フェデリア!必ず助ける。
待っていてくれ。




