6-2
予想通り、ロイには参加を渋られたが、
もう申し込んでしまった事、
防御に関しては、漢字の魔石を使い、
怪我をしないよう対策をするなど、
念押しをして、何とか参加する事となった。
剣術大会と、魔術大会。
まずは魔術大会から始まる。
大会に出るのは、国での著名な1流の人だけなので、
私のようなぽっと出はほとんど相手にされない。
実際9割は、宮廷魔術師。
1割は市井で講師などをしている人のようだった。
私は優勝など狙っていないので、割と気軽に、
(あーあの方、魔術師教会の会長、
去年の優勝者もいる!会えてラッキー!)
とミーハーにきょろきょろとしていた。
そんな事をしていると、大会が始まる。
全部で5回戦
1回戦は割と余裕で勝てた、
2回戦は魔法の実力では、私より上の相手、
正面から戦ったら太刀打ちできない、
なので、このネット小説の世界では存在しない、
幻覚を使い、何とか勝利した。
2回戦も勝った事で、会場ではざわめきが起こる、
出場者は、国でもトップレベルの猛者なのだ、
それを無名の男が破ったとあって、
一部では賭けの対象にまでなっているようだった。
次は3回戦、漢字の魔石を使えば勝てるかもしれないが、
漢字の魔石を使うのは、最小限にしたいので
(どうして使えたか聞かれると困る)
ここで負けてもピンクの魔石はもらえるので、
登場したら、すぐに負けを宣言するつもりでいた。
私に賭けをしている人には悪いけど、
魔法の実力なら、相手の方が数倍上手、
やっぱりそんな人に勝ち進んで欲しいよね。
目立ちたくないし・・・・
そんな思いで3回戦に登場すると、
思いがけない事が起こった。
相手がいきなり、全力で魔法をぶつけてきたのだ、
とっさに”防御”の魔石を発動させてかわす。
そうでなければ、大ダメージを負っただろう。
会場では、いきなりの大技と、
それを防いだ事で、大きな声が上がる。
さっさと、負けないとと思っていると、
相手が、膝をついて
「負けました」
と宣言した。
えええええ~
戦の後の握手を求められ、
「先ほどの魔法が全力の魔法だった、
それを防がれるとは、完敗だ」
と告げられる。
予定狂った~
更に予定は狂う、4回戦を戦うはずの相手が、
それまでの戦で魔力切れを起こし、
リタイアしたのだ。
私もリタイアしようとしたが、
「まだ魔力残っていますよね」
と告げられ、決勝戦へと駒を進める。
「決勝、始め!」
審判の宣言の後、即宣言する。
「負けました!」
こうして、私の波乱に満ちた魔術大会は、幕を下ろした。




