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モブですらない登場しない人物に転生しましたが、 王太子様が私に夢中みたいです!?  作者: あいら


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5-2

なぜ王太子が現れたのだろう?


パンケーキを注文して、

ケーキが到着するまでの間考える。


偶然・・・・はあり得ない。


ネット小説でも、ヒロインと変装して

デートをするシーンがあるが、

それも、ヒロインが現れたら、

街の護衛に報告させると言う、

ストーカーみたいな事をして会っていたし。


しかも何の意図もなく、話しかける訳がない。


何が目的なのだろう?



そう思っていると、パンケーキが

運ばれて来た。


二段重ねのパンケーキに、

クリームやフルーツのソースが乗っている。



まあ、頑張っているじゃない!


発案者として、その完成度の高さに感動する。



おのおのいろんなソースが乗った

パンケーキを口に運ぶ。



「美味しいな」


「本当に」



その言葉に顔がほころぶ、

ふふふ、そうでしょうとも!


実際食べてみて、あまりにものふわふわ加減に、

思わず感動する。


伝えたレシピの数倍美味しくなっている!


この国の世界の、食への熱意と探求心に

感心しながら、パンケーキを頬張っていた。



しばらくすると、話題が魔石の事となった。


そこまで来て、ピンときた。


王太子は、私が大聖堂で、

魔石を使って、魔法を強化した事を、

調査しにきているんだ。



しかし、例え相手が王太子と言えど、

いや、王太子だからこそ、

本当の事を言う訳にはいかない。


私は本来、小説の中に、登場すらしない人物

なのだから、


今のひと時も、行間に埋められ、

ネット小説には描写されない時間なのだろう。


私は無難に、この国の言葉を使った、

魔石の話だけして、王太子との会話を切った。



そしてその後、もう二度と王太子と会う事は

ないだろうと思っていたのが、

私が街へお忍びで行くタイミングで、

度々会うようになった。


会話はたわいもない日常の話だけで、

王太子に対して、たいした情報を提供できている

とも思えない。


ヒロインとも会っている事を思うと、

かなり大変なのでは?とは思うが、

藪蛇になっては困るので、何も聞いていない。


こうして、何回も会ううち、

完全に打ち解けてしまった。


子爵令嬢がいいのかしら?とは思うが、

相手も身分を隠しているのだ、

偽りの身分同士、気軽でいいと思い、

王太子と一緒に遊ぶようになった。

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