5-1 王太子との交流
スタンピードから、数か月がたった。
街へ行くと、所々モンスターが襲われた事による、
傷跡が残っているが、ほぼ日常を取り戻していた。
それに、大量のモンスターが現れてくれたおかげで、
上質な魔石が大量に流通して、
数が少ない青い魔石を手に入れる事ができて、
ほくほく気分だった。
今日はホットケーキ屋に行こうかしら。
ロイを護衛に男に変装して、街を歩く、
モンスターの皮や肉などを利用した
皮製品や、毛皮製品、肉の燻製などが
市場には多く見られた。
その逞しさに思わず微笑む。
珍しいモンスターの肉の燻製を購入して、
ロイに持ってもらってどんどん街を歩いていく。
すると、いきなり3人組から声をかけられた。
「えっと!君」
「え?私?」
ロイが条件反射的に、私を庇うように前に出る。
その姿に、3人は驚きつつも、
人の好い笑顔を浮かべる。
「驚かしてごめん、この辺は詳しくなくて、
美味しい店なんか教えてほしいなって思って」
私の中に?マークが浮かぶ。
この3人、どう見ても、
王太子のセレディウスと、
従者のリュカとルーカスよね?
恰好からして変装しているようだし、
私が誰だか分かっていないようだけど・・・・
「私はこれからパンケーキ屋に行くところだけど」
「パンケーキ屋!最近評判の店だね!
どこに店があるか教えてもらえると
嬉しんだけど」
「えっと、ここを右にまがって」
「一緒の店に行くんだ、ついていっていいかな」
「・・・まあ、いいけど」
いまだ警戒を解かないロイを、
大丈夫と肩をぽんぽんと叩く。
それでも睨みをきかせるロイを
「ロイ」
と鋭い声で、名前を呼んだ。
するとはっとなって、
「申し訳ありません」
と私の後ろに下がる。
命令だから従ったものの、まだどこか気を
はっているようだった。
「そっちの彼はロイだね、君は?」
「私はルイ」
変装用の偽名を告げる。
「ルイよろしく」
私は頷いて、王太子を案内する。
王太子はデューと名乗った、
リュカとルーカスはそのまま本名を名乗る。
パンケーキ屋に着いた私達は、
当然のように同じ席に座って、
パンケーキを注文した。




