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ある日の夜、いつも通り自分の部屋で、
ベッドに入り、眠り始めた頃、
教会の鐘がカンカンカンと大きく国中に響いた。
思わず、がばっと布団をめくり、
上半身を起こす。
スタンピードが起こった!!!
教会の鐘は、時間を告げる他に、
緊急事態でも鐘を鳴らす。
その鐘に間違いはなかった。
遠くで大量のモンスターの、
けたたましく吠える声が、聞こえてくる。
しばらくして、ドアをノックする音がする。
「起きているわ、入って」
そう言うと、メイドのダリアが、
落ち着いた顔で入ってきた。
「お嬢様、先ほどの鐘ですが、
どうやらモンスターが現れたようです、
しかし、ここまでモンスターが襲う事は
ございません、ご安心してお休み下さい」
私はしばらく考える。
「ダリア、着替えを手伝って」
「お着がえでございますか?」
私は頷く。
「変装用の、男の恰好がいいわ」
「まさか街へ行かれるのですか?」
私は再び頷く。
「ロイと行くわ、彼にも準備するよう伝えて」
「ロイとですか・・・・それなら」
そう言って、着替えを手伝ってくれる。
ネット小説通りの事が起こった。
後は、ヒーローとヒロインの出会い。
これを確かめておきたい。
場所は分かっている、
この国で一番大きいマリア大聖堂だ。
そこに怪我人が集められ、
回復魔法の使い手であるヒロインがいる。
着替えを済ませ、パパに大聖堂に行く事を伝える、
大聖堂は結界が張られ、安全である事、
それよりロイがいる事で、
いつも通りあっさり許可がでた。
これも持って行くといいと、
馬車に詰め込めるだけの食料を乗せて、
ロイと大聖堂に向かった。




