4-1 物語の始まり
ロイと出会って3年の月日が経った。
ロイは予定通り、護衛騎士として雇い、
住み込みで働いている。
ロイはその剣の腕と、謙虚な姿勢、
そして、主である私に心酔していると言う事で、
他の使用人達も仲間意識を持ち、
すっかり屋敷に溶け込んでいる。
一番意外だったのが、パパだ、
貴族仲間とカードゲームをするのが趣味のパパ。
しかし、好きなだけで、とんと弱かった。
しかし、ロイがコツや対策を伝授し、
今までまったく歯が立たなかった相手に
勝つことができると、
超ハイテンションで喜び、
高級なお酒を開け、ロイに振舞っている。
頼りになるブレーンを得て、
ロイを雇った私を、心から褒めてくれる。
また、街や森林浴に出かけたい時も、
今までは散々渋っていたのが、
ロイと一緒と言うと、あっさり許可が出る。
その信頼度の高さに、私も驚く程。
他にもお茶会に護衛として連れて行くと、
参加している令嬢に、きゃーきゃー言われ、
ロイの主である事を、羨ましがられている。
一部、高位の令嬢は、
顔が良く、腕の立つ護衛を、
自分専属の護衛騎士にして、忠誠を誓わせる事が、
ステータスになっているとかなんとか。
思いがけない効果に驚きつつも、
ロイと出会えて、本当に良かったと思っている。
ちなみに、ロイの奴隷印だが、
この3年どんなに魔石の研究をしても、
解除はできなかった。
犯罪者を野放しにしないよう、
契約に王家の血が入っているようで、
どうやら、王家の協力がないと解除できないらしい。
私の分だけでも解除しようとしたら、ロイが、
「これはフェデリア様の者である証なので」
と言うので、そのままにしている。
ほとんどの呪いは解け、喋れるし、
腕も動くようになったが、
奴隷印の他に、一定の事だけは、
言ったり、書いたりできないと言っていた。
漢字で刻印された魔石ですら解けない、
奴隷印とは違う呪い。
多少気になる事は残るが、
この3年間、有意義で幸せな毎日を過ごしてきた。




