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まずは街の中心部に向かう、
大きな広場があり、そこに小さな店がひしめき合っている、
「今日、捕れたての魚だよ、
今の時期、油が乗ってて美味しいロブッシオンが、
大量だ!買った買った!!」
「おばさん!このギルビィ3つ頂戴」
「分かったよ、20グラムでいいよ、
それと、こちらも一個追加で!」
そんな言葉が、店のあちこちから聞こえてくる。
うわ~、最高!
ヨーロッパのマルシェがそのまんま!
ずっと見たかった庶民の生活、
その活気を感じる。
るんるん気分なんて言うけど、
本当にそんな感じ!
目に入る物が新鮮で、全てが楽しい!
いろんな店に顔を出し、
商品の種類や金額を確認しながら歩いていく。
果物は安いけど種類が少ないのね、
私が食べた事のある果物のうち、
3分の1しか売られていない、
それだけ流通が少ないと言う事なのかしら。
逆にお肉は種類が豊富。
全て食べた事のある肉とはいえ、
うさぎの肉から鹿、七面鳥まで、
日本では手に入りにくい肉もそろっている。
そんな事を考えながら歩いていると、
お肉を串刺しにして、炭火で焼いている店を見つけた。
タレがついていて、何の肉か分からない。
「おじさん!この料理なに?」
「おお!こいつはフリクドだよ」
「フリクド?1つ頂戴!」
「あいよ!銅貨2枚だ」
「うん!」
そう言って、財布から銅貨を払う、
パパの方針で、あらゆる料理を食べているはずなのに、
まだ知らない料理があったなんて!
フリクドかぁ、どんな味なんだろう!
少し大きめの肉の塊を、横からかぶりつく、
確かに、食べた事のない味。
少し固めだけど、クセがなくて、
タレとあっていて、まあまあ美味しいかも。
「ちなみに、フリクドって何の肉なの?」
「ああ、こいつはトカゲの一種だよ」
「トカゲ!?」
うわー!私は今トカゲを食べているのかぁ~
いろんな食材を食べてきたけど、
トカゲは初めてだよう。
「おじさんが、初めてトカゲを食べようと思ったの?」
「いや、こいつはずっと南の砂漠の地方の料理さ、
このトカゲは水が少なくても生きるので、
貴重な食料なんだよ」
「ちなみに、そのトカゲの名前分かる?」
「えっっっと。忘れた!」
「そっか、ありがとう」
そう言って屋台を後にする、
トカゲと知ってしまっては、
少し食べるのに抵抗が出てきてしまったが、
命を頂いているのだ、ここは完食すべきだろう。
それにしても、南の国の料理は、
ネット小説には貿易の事とか、
そうゆう国についての詳細は書いてなかった、
もちろんトカゲ料理も登場しない。
ネット小説の世界でありながら、
その知らない世界を探検している。
なんか不思議な感じ。
そろそろ、街の中心部から少し離れて、
建物の中に店が入っている地域に行こうかしら。
クッキーはここでは売ってなかったし、
多分そこなら売っているはず。
そう思いながら、市の外れまで来ると、
何やらくたびれた格好をした人が手を縛られ、
並んでいる姿が目に入った。
えっ!?あれは何?
犯罪者が捕まった割には、
周りはさほど騒いでいない。
その辺りは今まで人が溢れかえっていたのが嘘のように、
人が引いている。
心臓がどくどく言っているのが聞こえる。
嫌な予感がする。
目をそらしたい、でもそらせない。
しばらくその場に佇んだあと、
ふらふらとその場を仕切っているであろう人に、
近づいていった。




