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モブですらない登場しない人物に転生しましたが、 王太子様が私に夢中みたいです!?  作者: あいら


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13/38

3-3

街の少し外れで、馬車が止まった。



「着きました、お嬢様」


「ありがとう」


「えっと・・・本当に行かれるのですか?」



ここまで来て、更に確認する御者に、

少し呆れながら答える。



「もちろんよ、2時間後にはここに戻るわ、

 それまで、好きに時間を潰してもらっていいから」


「とんでもございません!

 お嬢様がお帰りになりたいと思われた時、

 いつでもお送りできるよう、ここに控えております!

 いつでもお戻り下さい」


「・・・・えっと・・・・・・・ありがとう」



固い表情の御者に苦笑しながら、

少し早めに帰ろうと心に思う。



「ところで、私の性別は分かる?」


「お嬢様の性別ですか?」


「ええ」


「おかしな事を聞かれるのですね?」


「あまり気にしないで答えて」


「お嬢様は、男でございましょう」


「そうね、ありがとう」



そう言って微笑む。


とりあえず、男と思わせる事は魔石の力で

出来ているらしい、


お嬢様と言いながらも、男と思い込んでいる、

そして、その事に、御者本人も違和感を感じていない。


不思議な感じだが、まあ何とかなりそうだ。




この国では、男性はショートカット、

女性はロングの髪が基本。


変装する為に、髪を切る訳にはいかなかったし、

カツラはこの世界には存在していなかった。


仕方なく、一つにまとめて括っているが、

いくら男性の格好をしているとはいえ、

やはり、違和感は拭えない。


それに話し方、日本人の時を思い返して、

ざっくばらんに話そうとは思うが、

どうしても女性的な話し方がでてしまう恐れがある。


どうしても魔石頼みになる部分も多いが、

多分大丈夫、多分!

と自分に言い聞かせて、街に足を踏み入れた。

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