プロローグ──戦争の終わり、平和の始まり
※『天柱』は『てんちゅう』と読みます。発音は「天誅」ではなく、「連中」とかと同じやつです
剣戟が続く。
もう何度交わされたのか、両者ですら数えていない。数えてなんかいられない。
魔法が放たれる。
もう何度撃たれたのか、両社ですら数えていない。数えてなんかいられない。
何時間も続いた戦い。
そしてついに、決着の時が訪れる。
光を纏った青年の手には、同じく光を纏った人の丈ほどもあろう大剣が握られている。
聖剣ミア──聖剣氣を生み出し、魔を打倒する、勇者と並ぶ人類最後の希望。
その切っ先が今まさに勇者と戦う少女の腹を貫き……
戦いは終わった。
魔王軍 第21独立遊撃部隊の隊長を務め、魔王を守護する『魔王の騎士』のひとり──エレーナ・レーデンは、勇者との戦いに負けたのだ。
この後、人類の生息圏を侵略せしめんとした魔王軍は撤退。
数年後に起こる大災害──魔族大陸の崩壊により、魔族の約9割が死滅。
人類は、勇者によって魔族の侵略を退け、平和を勝ち取った。
各国は勝利を称え、勇者を崇め、喜びを分かちあった。
それまでいがみ合っていた人類はひとつになり、魔族のような外敵がいつ攻めてきても負けないほどの大国、連邦を作りあげた。
人々は連邦というシステムの中、人類大陸で繁栄を続ける。
そして、1000年の時が過ぎた。
よければ読んでいってください
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