自称いい人なオジさん
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私は、森の中で怖すぎで何も言葉が出てこなかった。
でもしばらくすると、
今度は無性に叫びたくなり
(ああああああああああああああああああああああ)
と叫びながら森を走りまくった。
途中、何度も転んだり
草の枝で傷だらけになり、ようやく現実なんだと実感した。
その後は、ひたすら人がいる道を探して
水もなく、歩いて歩いて歩いて....
空腹で座り込んだら
今度は、とても
怖くて怖くてたまらくなってきた。
うずくまって震えていると
変な鳴き声が聞こえてきた。
ガサガサガサ
ガザガサガサ
音がするから振り返ったら
(ガルウウ.......)
熊が牙を出しながら近寄って止まり
目が合った瞬間!!!
(グワッ...........)
飛びかかるように熊が
襲いかかるのをただ見ていた。
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もう..終わりだと思った瞬間
ドンと音がした瞬間に熊がふっとんだ。
後ろ姿しか見えなかったが、
振り向いたら
顔はもちろん 目が、
だれが見てもヤバイ人認定な男が
大きな声で熊を倒したその場で叫んだ。
(おーい大丈夫か坊主!
俺はちーっと
怖い顔だから近寄んねーぞ
盗賊じゃないって事だけ信じてくれ!!)
目が合い、見つめあった後、
ううううわー-------------------ん
と叫ぶように泣いてしまった。
両手を挙げながら近寄らず立って
(やっぱ俺、怖い顔してるだろ
落ち着け!な・落ち着け!
俺はいい人 俺はとーってもいい人)と何度も繰り返し言ってた。
普通 いい人だなんて
自分で何度も言う人ほど
正気だったら、信じないかもしれないけど
(俺はいいひと)と叫ぶ姿が面白く安心して
更に泣きじゃくりながら、すがるように走った私は
オジサンに抱き着いて
意識がおちた