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第6話 へレーナの謎

ハンス視点です。今回は短くなっちゃいました。


そら


 ~ハンス視点~


 レーナがまだ8ヶ月の頃のことだ。


 セバスチャンに買い物に行かせ、私とクリスタとレーナは、リビングにいた。


 私は執務室からいくつも書類を持ち込んでテーブルで仕事をしていて、クリスタは床のカーペットの上で縫い物をしつつ、レーナをかまっていた。

 

 私とクリスタが目を離している隙に、いつの間にかレーナがいなくなってしまった。


 最初にクリスタが、レーナがいなくなってしまったことに気づき、クリスタと私は一緒になって、テーブルの下やソファーの陰などを探したが、いなかった。


 部屋のどこを探してもいないので、私が焦り始めていると、


「もしかして……、どうしよう! あなたっ!」


 クリスタは顔面蒼白になっていた。


「いいから、落ち着いて話すんだ。」


 クリスタは、震えながら、ウッドデッキへと続く、30センチ程開いているガラスの引き戸を指差す。


 私は、クリスタのその行動で彼女が何を言いたいのか理解する。


 急いでウッドデッキへと向かい、その引き戸を開け放つ。


 そこには、レーナがすやすやと眠っていた。日向ぼっこをしているうちに眠ってしまったようだ。


 私は慌ててレーナを持ち上げ、リビングと連れ帰る。


「あなた、レーナは大丈夫なのっ?」


「わからん。」


 レーナを床に下ろすと、


「うー」


 レーナは目を覚まし、ニコッと微笑む。


「よかったあ……」


 クリスタは、レーナを抱き上げ、自分のほっぺにスリスリする。レーナは元気そうだ。


「もー、レーナちゃんママ心配したんだから~」


「うー」


 喜んでスリスリしているクリスタとは、反対に私は、困惑していた。


 吸血鬼は、基本的に直射日光に当たることは出来ない。もし、浴びてしまうと、だんだん具合が悪くなっていき、最終的には命に関わることになる。


 この大陸の吸血鬼で、直射日光に当たっても平気なのは、光の大精霊と契約している私だけだ。クリスタは、日傘を差さないといけない。


 なのに、レーナは、こんなに幼くて日光を浴びてケロッとしている。普通ならば、この年齢だと息をするのもやっとぐらいまで弱ってしまっているはずだ。


 こんなことがありえるのだろうか?いや、ありえないと思う。レーナは普通の吸血鬼ではないのかもしれん。

 

「なあ、クリスタ、レーナはなんで日光に当たっても大丈夫なんだと思う?」


 クリスタは、スリスリするのをやめて、首を傾けて少し考える素振りを見せた後、


「うちの子だからに決まってるじゃない! この子なら日光ぐらいへっちゃらよ!」


 笑顔でそう言い切るクリスタを見ていると理由なんてどうでもいい気がしてきた。


「そうだな。」


 小さなことには気にしない、いつも前向きで明るい。そして、必殺級の可愛い笑顔。これだから、私はクリスタが好きなのだ。こんな妻を持つ私は世界一の幸せ者だ。


 こんなに可愛いクリスタを見ているとムラムラしてくる。今日は久しぶりにクリスタと情を交わそうかな。私はそう考えるのだった。


次話からへレーナ視点に戻ります。


へレーナが日光に当たっても大丈夫なのは、ちゃんとわけがあります。

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