第20話 挑発と遊戯 another side
遅くなってすみません。先週忙しかったのと、この話でいろいろ考えていたので遅くなりました。
会話が多くて読みにくいかもしれませんがご容赦ください。
あれは、10年前のこと。決して忘れない出来事。思い出しただけで腸が煮えくり返る。あいつは俺より子供っぽい見た目してるくせに、いつも馬鹿にしてきやがって、、!! まあ、これからの勝負が楽しみだが。
*
あいつの訪問は、いつものように何の前触れもないものだった。そう、アポイントなしに無断で俺の区域に入ってくるのだ。どちらの立場が形式的に高いというわけではないが、最低限のマナーは必要だと思う。使い魔や側付きの天使を前もって寄越すべきだ。
そして、いつも通りのニヤついた表情を顔に貼り付けて、ねとねとした口調で話しかけてくる。憎らしいことにこいつの顔立ちは中性的で結構整っているのだが、内面はクズだ。
「おい、サウル君よぉ。君の権能の『百獣の王』ってさ、ダサいよな。迷惑かけてばっかで。この前だって、僕が遊ぼうとしてる玩具へ横から邪魔してきて、玩具は死んじゃうしさ。その権能、正直、誰の得にもならないんだよ。君の存在と同じでね。僕と君と同じ格の存在であるというだけで、嫌気が指すね。君は、僕達の恥晒しなんだよ。ああ、虫唾が走ってたまらない!」
いつものように気持ち悪い笑みを浮かべながらヘラヘラと挑発してくる。
「いつもお前はうっさいんだよ! うわあーーーーっ! 俺だって、俺だって、自分の権能の『百獣の王』がしょぼいことくらいわかってるよ! どーせ、お前達は持つもので、俺は持たざる者なんだよ! それに俺だって邪魔したくて邪魔してるんじゃないんだ。俺の生み出した魔獣が、勝手にお前の玩具だかを攻撃しただけだろ! それに、俺の権能だって、冒険者や魔獣の素材加工産には役立ってるだろ。」
俺はカッとなって叫び、机に拳をドンッと叩きつけてしまう。
「なーんだ、自分の『百獣の王』が使えない権能だっていう自覚あったんだぁ。あ、別に君がいなければそもそもその産業の発展度合いがどうとかなく、そもそもその産業自体がなくて済むから。やれやれ、これだから頭の悪いやつを相手にするのは疲れるんだよ。ねーねー、じゃあさ、君の『百獣の王』と僕の『金枝篇』、どっちが優れてる権能か遊戯で決着をつけてみないかい? 君だって自分の権能が少しでも優れてることを示したいだろ?」
「ああ、そうだよッ! その遊戯とやらをやってやろーじゃんか。俺の『百獣の王』の力を見せてやるよ!」
「いいね、いいねぇ、活きがよくて。そう来なくっちゃね。じゃあ、勝負のルールは僕が決めさせてもらうよ。」
ニヤリと目を細め、一段と顔に貼り付けた下品な笑みを深める。
「おう。」
こいつは、気がよくなったのか、俺の机の上に置いてあったチェスボードを引き寄せ、キングのコマを指先で器用にクルクルと回しだす。
「じゃあ、ルールを説明しよう。君には僕と戦争をしてもらおう。ただし、直接的な介入は無しだ。君は僕に危害を加えることが出来ないし、僕も君に危害を加えない。じゃあ、どうやって勝負するかって? そうだね、この遊戯では僕達の玩具を使おうか。まあ、遊んで使うために人間はいるんだからね。使ってなんぼだよ、使ってなんぼ。使ってあげなきゃ存在してる意味がないじゃないか。それで、君のコマは魔族の国の『ディアボロヘイム王国』ね。それで僕のコマは……なんて言ったっけ。そうそう、人族の国の『レコルド帝国』だ。まあ、レコルド帝国の方は魔族の国の方を敵対視してるから丁度いい。ま、僕が魔族の国に攻撃するようけしかけていたから当たり前なんだけどね。渡りに船だよ。遊び相手が欲しかったところだ。」
「それでいい。おもしれぇじゃねえか。お前が吠え面かく姿を早く見てみてぇな。」
とにかく勝負が楽しみでならん。今にでもぶちのめして、この整った顔をぐちゃぐちゃにしてやりてぇ。あ、直接はボコせないのか。まあ、いい。代わりの者をけしかければいいってことよ。俺様、天才だな。
「遊戯に参加してくれるようでなりよりだよ。その事だけは君にこの僕から感謝の意を伝えよう。」
「そうか、そりゃどーも。それで遊戯とやらはいつからおっぱじめるんだよ。今日からか? 俺はそれでいいぜ。」
「まさか。最高の遊戯を楽しむためには、僕達にできる最大限の準備が必要なのだよ。今から10年後の今日、これが僕達の遊戯の幕開けだ。どうだ、楽しみだろう。せいぜい、準備は怠らないでくれよ。すんなり負けられては興醒めだからね。」
ふっ、俺が負けるってか、おもしれぇこと言ってやがるぜ。それにしても、準備か。俺としたことが失念してたぜ。
「そうか、いい事言うじゃあないか。準備だな、準備。全力で準備させてもらうぜ。」
「そうかい、そうかい。こりゃ、楽しみだね。うんうん。じゃあ、準備に励んでくれたまえ。では、約束の期日にまた会おうか。」
そう言い残してこいつは、俺の部屋から出ていく。いつも通り、態度にはムカついたが、勝負を思いついたことは褒めておこう。それにしても勝負が楽しみだ。あいつの打ちひしがれたところを見てみたい。
さっそく準備に取り掛かるために俺は腰を上げる。
俺はその日から根回しや戦力的な強化などに明け暮れるのだった。あいつとの勝負に勝つためだけに。
それは、俺にとっては何よりも何よりも価値のあることなのだった。
*
「あのマヌケ女や老いぼれや自己中女とは違って、サウル君は話の飲み込みが早くてなによりだ。まあ、世間一般的にはああいうやつの事を直情型の馬鹿って言うんだろうけど。好都合だったが。まあ、僕を少しは楽しませてくれよ……。ふふっ。」
誰もいない白い壁で囲まれた無機質な廊下に、笑みを浮かべたただ1人の青年の声が響くのだった。
ブクマしてくれて方有難うございます!
この前、3日か4日に1話出せたらなーなんて言ってた気がするんですけど、これからは1週間に1話以上を目標に書きます。(1週間に少なくとも1話ってことです。)話の方向性は決まってるんですけど、細かいこと決めてないので、そんなにスラスラ書けないんですよね……。矛盾点無くしたりとか、納得のいく説明にしたりとか、わかりやすい文章にしたりとか。
そろそろ勉強に本腰入れます。
頑張って書きますので、これからもこの作品をよろしくお願いします。ぜひブクマ、評価お願いします。
そら




