第1話 プロローグ
ページをまず開いてくれた方、ありがとうございます。拙作ですが、がんばって上達していこうと思っておりますのでこの作品にどうぞお付き合い下さい。学生なので投稿が不定期になるかもです。
「おい、香織起きろー! 初日から学校遅刻するぞ。」
「ふわぁ~、朝かぁ。そっかぁ!今日こそ学校なんだ! あ、お兄ちゃんおはよう!」
そう、その日、4月8日月曜日は、今日から私こと五十嵐香織が進学する中学の始業式だった。私には高校1年の兄がいる。義理の兄だけど。兄も今日から高校生なのだ。
どうして兄に起こされているかと言うと、兄の両親は海外で外交官をしている。そして、私は、両親を幼い頃に亡くしているので、養子なのだ。兄と兄の両親には優しくホントの家族のように扱ってもらっている。話が飛んだが、つまり、私は兄と今は2人暮らしをしているのだ。
家事は兄がけっこうやってくれている。私は少し手伝いをするだけだ。兄はかっこいいし、家事も勉強も出来るので、自分の兄ながらハイスペックだと思う。私はドジだが、我ながらそこそこ可愛いと思うが。
「お兄ちゃん、先に出かけるね。いってきまーす!」
「おう」
こうして私は特に何事もなく、家を出たのだった。この時の私は今日、これから私の人生を変えるほどの事件が起こることを知るわけもなかった。
私は自転車に乗って学校へ行く。学校に着いて自転車を停めていると、同じ小学校で仲がよかった友達がいた。
「あ、香織ちゃん!」
「咲ちゃん!同じクラスになれるといいね!」
クラス発表は、始業式の後なのだ。私達はそのままゾロゾロと体育館に行き、並んでいる鉄パイプの席に座った。
―――……………―――
校長先生諸々の話を聞き終え、クラス発表となり、始業式は終わり、私達は教室へと向かっていた。
「やったね!香織ちゃん!」
「うん!」
私は咲ちゃんと無事同じクラスになることが出来たのだった。教室に着き、担任の先生から挨拶があり、ホームルームがあった。今日は初日であるため、授業は明日からなのだ。その後、1人ずつ自己紹介をしたあと、下校となった。
「じゃあね、咲ちゃん!」
「うん、ばいばい!」
咲と私は下校する方向が違うので、私は自転車に乗って、1人で帰った。今から考えてみるとなんであんなに自分がバカだったのかと思うが、私は、咲ちゃんと同じクラスになれたことが嬉しくて、明日からの学校生活のことをいろいろ考えていて頭の中がお花畑だった。
「るんる、るるるん♪」
鼻歌を歌いながら帰っている時のことだった。気づいた時には目の前にトラックが迫っていて、避けられなかった。あっ、やばい! と思ったが、
「ガシャーン!」
私とそのトラックは衝突したのだった。
「うぅぅ……痛いよぉ。」
トラックはそのまま走り去って行ってしまった。お腹の中から温かいものがものすごい速度でとくとくとこぼれていく。このまま出血多量で死んでしまうのだろうか。
だんだん眠気に襲われていく。
あぁ、お兄ちゃんとお義父さんお義母さんと咲ちゃんにはお別れの言葉を言ってから逝きたかったな……、お兄ちゃんには心配かけちゃうな……、と考えながら、私は意識を手放した。
そして、目の前が真っピンクになった。