下準備
「…何をいっているんだ君は?
この国の人々が苦しめられているんだぞ?
困っている人を見たら助けるのが普通じゃないのか?」
そう男の勇者は言ってきた。
だが、悪いが俺は自由に生きると決めたんだ、こんなとこで勇者になんかされたら自由にいきられないじゃないか。
「悪いが俺の称号は、召喚に巻き込まれし者、だ。
つまり、俺はお前達の召喚に巻き込まれてこの世界へとやって来たというわけだ。
それでもなお、俺にお前らの手伝いをしろと?」
よし、これであいつらは俺を連れていくのを諦めるだろう。
そうしたら王城から出ていって自由に生きてやる。
「なに?
君は僕たちの召喚に巻き込まれた人なのか?
それは確かに僕たちが悪いな。
だけど、困っている人を前にして助けないのは無いんじゃないかい?」
ああ、こいつ小説とかでよく居るめんどくさいやつだ。
こんなやつ小説の中だけの存在だと思ってたぞ。
しかし、どうしたものか。
こういうやつには典型だと理屈は通じないしな…どうしたもんか。
…そうだ、決闘に持ち込んで気絶させればいけるか?
「そこまでこの国の人々を助けるのを手伝ってほしいのなら決闘で決めようじゃないか。」
これであいつも乗ってくるはずだ。
「手伝ってほしいのではなく当たり前の事をいっているんだが、分かった。
ルールはどうするんだ?」
「ルールは…そうだな。
まず第一に模擬戦用の剣か木刀を使うこと。
次に、相手は殺さない。
最後に、負けた方は相手の言うことをひとつ聞く。
こんなのでどうだ?」
「最後の相手の言うことをひとつ聞くのは、何でもか?」
「いや、自分のできる範囲でだ。」
「分かった、それでいい。」
「というわけだ、姫様、少し練習施設的な所を貸してもらっていいかい?」
「分かりました。
この模擬戦から、騎士達が何かを掴むかもしれません。
決闘を許可します。」
さて、とは言ったもののどうするものか。
なるべく早く出ていきたいが、舜殺だと勇者にされてしまうからな、なるべくギリギリで勝ったと思わせたいな。
とか考えてたらもう練習施設か、よし、ギリギリと思わせる戦いをしよう。
「さあ、決闘を始めよう。
僕が勝ったら君は魔王討伐を手伝う、君が勝ったら何をすればいいんだい?」
「俺が勝ったら…」
さて、後は勝って…
「これから俺のやることに口を出さないでくれ。」
自由を手に入れる!
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