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インディ娘ちゃんのノーテンキ学園冒険隊  作者: マックロウXK
第六章 最終決戦

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いつか、きっと

 ピーポー、ピーポーと遠くで救急車のサイレンが聞こえる。


「はあ、はあ、はるみちゃん。わたし、もう、走れない……」

「うん。ここまで来れば、だいじょうぶだよ」


 あたしたちは、犬に襲われた場所から離れて、ようやく一息つけるところまで来たの。


 あのあと、雪姫が呼んで来た大人の人が通報したおかげで、救急車が来たり、お巡りさんが来たりして、現場は大騒ぎになっちゃった。

 だから、どさくさに紛れて、あたしたちはその場を脱出してきたの。


「わたしたち、助けに来てくれた大人の人たちからも、逃げて来ちゃいましたけど、いいのかしら?」

「しょうがないよ。もし、あたしたちが危ない目に遭ったって、ゆきのお父さんにバレたら、雪姫はまた、家から出してもらえなくなるもん」


 あたしのことを信頼して、雪姫を送り出してくれたおじさんにこんなことが知れたら、もう雪姫に会わせてもらえなくなるかも知れない。

 そしたら、あたしはまた1人ぼっちに戻ってしまう。

 そんなのは嫌だから、あたしはこのことは黙っていようと思った。


「だから、ゆきも今日の事はないしょだよ」

「でも、いいんですの? はるみちゃんは、あの男の子にお礼を言いたかったんじゃ……」

「うん……」


 あたしのピンチにさっそうと現れた、男の子。

 あたしのために、ボロボロになるまで戦ってくれた、あの男の子。

 なんとかドーベルマンを追い返すことは出来たけど、そのかわりに何回も咬まれたあの子は、救急車で運ばれてどこかへ行ってしまった。

 だけど……。


「だいじょうぶよ。あたし、あの子にまた会えるように、おまじないをしたもん」

「おまじない?」

「うん。とっても大事なおまじない。きっと、いつかまた会えるよ」


 いつか、きっとまた会える。


 あたしは、自分にそう言い聞かせる。

 たとえ、何年かかっても、きっと、あたしはあの子を見つけ出してみせる。


 だって……。


 あたしは、冒険家なんだから……。

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