思い出した
土モブの合間に息抜きで書くpart1
もう1つ投稿してます。よろしければ
とある高校の寮、その1室で、とある一人の学生がレポートを書いている。
彼の名前は「日高 隼人」
一般の人よりも頭がいい人が入ると言われる高校に入学したが、実際そこのレベルにはついていけず、いつも彼の点数は赤点ギリギリであった。
なので、今隼人が必死に書いてあるレポートも再提出、再々提出を食らったレポートで、ここ数週間彼の休みは無い。
「はぁ、終わんねぇ...気分晴らしにコンビニでも行くか...」
隼人は立ち上がり、出かける準備を始める。
「あ、ついでに他のやつも誘うか。一人で行ってもいいけど...んー...」
隼人は成績こそ悪いが、人が良く、みんなが嫌がることを率先して行い、リーダーシップもある(が、空回りが多い)と、いう事で友達がいない等ということはなく、友人と呼べる者は多かった。
だが...
「あ、すまん。ちょっと今手が放せねぇんだわ」
「ごめん、今から部活」
「委員会の仕事が...」
「みんな忙しいのかな...」
偶然なのか、声をかけたすべての友人が用事がある。と、誘いを断られた。
「仕方ない、ひとりで行くか。」
そう呟き、コンビニへ歩き出す。
コンビニは歩いて5分ほどでつく距離にある。
隼人がコンビニの前の横断歩道を渡ろうとした時、その事件は起きた。
キキキキィィィィ!!!
凄まじいブレーキ音と共にトラックがスリップしながら、隼人がいる場所へ突っ込んでくる。
「あ...」
隼人は死を覚悟した。
だが、来るはずのその瞬間はいつまで経ってもこなかった。
「は、え?」
なぜなら、トラックは謎の透明な壁に阻まれ、隼人の目の前で止まったからだ。
「な、なんだこれ?」
隼人がその透明な壁を軽く叩くと、壁は音を立てて割れる。
「うわっ!なんだ今の...」
と、その時。隼人の頭の中にとある情景が流れ込んでくる。
それは...
「あぁ、なんで忘れてたんだろ。俺は...」
その情景は記憶。そしてその内容は
「異世界で一度死んだんだ...俺......」
異世界で死んだ、自分の最後に見た光景だった。
ーーーー
隼人が高校に入ったばかりの頃。今日の様にコンビニに行った時に、それは起きた。
気がつくと隼人は異世界に召喚されていた。
転移ではなく、召喚。
隼人を召喚した人物の事を...彼自身は、思い出せていない。
何者だったのか、隼人はその人物と暮らした。
目的はわからなかったが、ただただ日常を過ごしていた。
その思い出ともう1つ。
気が付くと、隼人の胸に後ろから突き立てられた剣。
「ーーーーーー!!」
誰かが何かを叫んでいる。気がつくと彼は死んでいた。
そして、現実に戻ると同時にその記憶は封印された。
その2つの思い出を隼人は横断歩道の真ん中、トラックが煙を上げてる前で佇みながら思い出していた。
遠くから聞こえてくるサイレンの音はパトカーか、それとも救急車か。
「魔法か...」
手のひらにとてもとても小さな、周りの人が見えないくらいの蒼い炎を出しながら隼人はつぶやいた。
読んでいただきありがとうございました。
続きが読みたければ書きます。