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バトルチャレンジ

 ――白磁の大きな真昼の月にかかる螺旋状の虹、蒼い空と緑の草原に挟まれた筈の景色が突如、薄い闇に包まれる。


 モンスターと遭遇し、システムがバトルモードに移ったのだ。


 画面で遊ぶゲームとは違い、凶暴な存在が迫ってくるその恐怖に、ヒカリはがむしゃらに武器を振り回して追い払おうとする。

 しかし、ここにも不可視の力が働き、ある程度武術の道理に適った形に体が動いてくれる。


 モンスターの攻撃は受けると痺れた様なショックが走るが、覚悟していた程の痛みは無い。


 ヒカリは夢中になって目の前の敵を切りつけた。


「ヒカリ、前に出すぎだ!!」


 かけられた声にはっとするが、時すでに遅く、ヒカリは複数のモンスターに囲まれてしまう。

 途方に暮れるヒカリのもとに、セージが駆けつけてスキルを放つ。


「ファースト・エクス・バウンドショット!!」


 セージの剣から放たれた衝撃派は、すさまじい勢いで()()()()|跳ね飛ばす。


「ふぇ!!? いやぁぁぁっ!!」


 うぉーりーは、ヒカリが遠くまで跳ね飛ばされたのを確認すると即座にスキルを放った。


「サード・サークル・フレイムタワー!!」

 ヒカリの元いた場所を中心に、円陣の炎が巻き起こり、辺りにいたモンスターはまとめて焼き尽くされた。


「私に向かって攻撃するなんてひどいですよっ!!」


 戦闘終了後、怪我をペトラに回復してもらうとヒカリはセージに食って掛かった。


 セージは苦笑してヒカリをたしなめる。

「さっきのスキルは対象を跳ね飛ばすだけのスキルだ。ダメージ喰らわなかっただろ?ああいう戦い方があるって知って欲しかったんだよ。体験した方が判り易いだろ?」

 うぉーりーもセージに助け舟を入れた。

「だいたいの感じが掴めたら、街に戻って休憩入れよう。ついでにスキルのレクチャーもするからさ。」


 ヒカリはむくれたが、ペトラまで笑い出したのを見てガックリと肩を落とした。


 街に戻ると、得意げなうぉーりーと面倒くさそうなセージによる初心者バトル講義が開かれた。


「バトルの概要は掴んだ?RPG経験者ならさっきのでだいたいの感じは掴めたと思うけど。」

 ヒカリとペトラは問いに頷く。うぉーりーはそれを見て話を続ける。


「このゲームでの一番の特徴はアクティブゲージかな?このゲージは戦闘中に勝手に貯まっていくけど、攻撃喰らったりゲージを奪うスキルを使われると減っちゃうから気を付けてねー。」

「アクティブゲージが色で6分割されてるのに気が付いたか?ゲージがどの段階まで貯まったかで使用できるスキルが増えていくんだ。……例えば、そうだな。」

 セージは地面にいくつかスキルを書き出した。


 ファースト・エクス・バウンドショット

 ファースト・マイン・シールドガード

 セカンド・エクス・ウインドカッター

 サード・サークル・フレイムタワー


「1段階のゲージが貯まると、「ファースト」で始まるスキルが使えるんだ。2段階目まで貯まると「ファースト」と「セカンド」のスキル、3段階まで貯まると「サード」スキルも…と、だんだん増えてくんだな。そして使用したスキル分のゲージ(AP) が減る。あ、今書いてるスキルは職業によっては使えないからね。念のため。」


「スキル名の真ん中の「エクス」とか「マイン」とかも、当て字だが一応意味がある。対象と効果範囲で分類して当てられてるんだ。エクスはやや遠距離で対象一体、マインは自分のみ。詳細は攻略サイトで……」

「ネット使えないぞ」


「そうだった……。一応システムのチュートリアルにも載ってるんだけど、あれは微妙な使い勝手までは言及してないんだよなぁ。」


「初心者だし、まだいいだろ。他の注意事項としては……ええと……アクティブゲージは段階ごとに貯まるスピードが遅くなること、向きや障害物の概念があって背中を取られるとダメージが大きいこと、アクティブゲージを奪う行動が大事である事、味方を巻き添えにするスキルがある事かな?」


「巻き添えは注意してくれよ。特にヒカリのスキルは多いはずだから」


 ヒカルは顔をひきつらせ、喰いつくようにチュートリアルを読み始めた。


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