09 一生守っていこう
心愛ちゃんはここに住んでから昔から仲良かった(俺は知らなかったけど) 母さんと一緒に料理を作ったりして、お手伝いをしている。
瑠美さんが亡くなってから…
いや、心愛ちゃんが俺を呼びに着ていた時でさえ
一度も心愛ちゃんが泣いたの所を見てない
心愛ちゃんは泣いたのかな?
心愛ちゃんの部屋は母さんが俺と一緒の方が安心するだろうからって言って俺の部屋で寝ている。
「あ、お兄ちゃん。おふろ入ってきた!」
「心愛ちゃん、ちょっと来て、髪乾かすぞ」
「うん!お兄ちゃんよろしく」
俺は右手にドライヤーを持ち俺の前に座った心愛ちゃんの髪を乾かした。
「なぁ心愛ちゃん」
「なぁーに?」
「瑠美さんがいなくなって泣いた?」
質問の意味がわからなかったのか数秒俺を見上げポカンとしていた心愛ちゃんは顔を横にふった。
「感情を押し殺すなよ…。瑠美さんに逢えなくなって寂しいんだろ?」
「…おにいちゃ」
心愛ちゃんは俺に顔を押し付けて抱き付いてきた。
俺はそれを受け止めるだけ…
「泣いてもいいんだぞ」
「………うん」
心愛ちゃんの涙をこの時初めて見た。
やっと抑えてた気持ちを解放している心愛ちゃんを見て俺は一生心愛ちゃんを守っていこうと思った。
この感情がまだ親心なのか何なのかはわからない。
けど、いつも癒されているあの笑顔が消えないようにしようと思った。