04 瑠美さん
心愛は二階建ての一軒家で祖母と2人で暮らしている。
いつも某は心愛を家の縁側に送り届け、心愛の祖母瑠美さんと話してから帰宅している。
「おばーちゃん!ただいまー!」
と、元気よく言うと障子から瑠美さんが出てきた。
「心愛ちゃんおかえり、いつもありがとね、某くん」
「いえ、送ってるだけですから」
「心愛ちゃんお家に入って手を洗っておいで」
「はーい」
返事をすると心愛は靴を脱いで家の中に入って行った。
「某くん、いつもありがとね」
「いえ」
「あの子の両親はどっか行ってもう帰ってこないかも知れないのに 、心愛ちゃんはいつまでも帰ってくると信じているんじゃ…」
「そーなんですか…」
アイツがいつも瑠美さんか学校の事しか言わないのはそのせいなのか…
「わしはそう、長くないんじゃ」
「あんたが死んだらアイツが泣きますよ、だからそんな事言わないでください!」
「ありがとな……でも、本当の事なんじゃよ…。あの子にはずっと笑顔でいてほしいがのぉ」
「………」
それ以上は言えなかった。
瑠美さんは遠くを見つめて何か見つめているようだったから…
その日も瑠美さんと話をしていると着替えた心愛ちゃんが再び俺の前に現れた
「おばあちゃん、手あらったしきがえてきたよ!」
「そうか、えらいのぉ。心愛ちゃんもここ座って話すかの?」
「うん!」
心愛も混ざって3人で仲良く会話をした。