02 それは突然に
親父が死んで俺が住職となってから数年
住職としての仕事もだいぶ慣れてきた頃
アイツは当然現れた。
親父が死んでから日がたたない頃
俺は住職としての仕事し強制的にやらされて
それが嫌で、夜は街へと出歩いては
自分から喧嘩をふきかけて何人もの怪我人を出していた。
喧嘩をしてストレス発散させるという生活を住職になっても続けていた。
某はいつものように竹箒を持って玄関から出てきた。
ガラガラ……
「あー……だりぃ何で俺がこんな事しなけりゃーいけねーんだよ…」
「…………え?」
いつものように竹箒も持って掃き掃除をしようとしていた
しかし、いつもとは違う所があった。
それは…………
一人女の子が座って遊んでいた。
「……どーした?一人か?」
声をかけると女の子は顔をこちらに向けた
「お兄ちゃんだれぇ?」
「お、俺?某」
「なにがし?」
「そ、君は?」
「ココア!」
「ここあ…ちゃん…て、言うのか」
「漢字はねぇこう書くの!」
女の子は地面に【心愛】と書いているのを見てその正面に某はしゃがんだ。
「心愛ちゃんはどーしてここにいるのかな?」
「おばあちゃん足悪くて遊べないし友達も家族と出かけたから一人で遊んでたの」
心愛は、寂しそうな顔でもなく不安な顔でもなく笑顔で言っていた。
「寂しくないの?」
「お兄ちゃんがいるから大丈夫!」
先ほどよりキラキラとした笑顔だった。