Solstice
幾度もの戦争があった。天は揺れ、地は抉れ、海は枯れていった。地軸の変動が起こり、多くの国が白夜と極夜に支配され、地上ではまともに暮らすことが出来なくなっていた。しかしそれでもなお人類は滅びなかった。そして、植物のように光からエネルギーを得、夜行生物のように暗闇を駆る人類があった。空に輝く金輪に愛されたかのようなその存在を人は畏怖の念を込め、「日の民」と呼んだ。その一人、バーシュール=アロクトは、マニーシャ皇国軍として成果を上げながら、化け物としての自身に疑問を抱いていた。
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2013/04/25 02:58