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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

裏返るものは、気分が悪い

作者: 孤独
掲載日:2026/01/17

裏切京子うらぎりきょうこには、超能力がある。

その名は”裏”

表にあるものを、裏返す。また、裏返したものを、表に返す。


誰かが考えそうな力ではあるが、その出力が高まっていれば危険な領域に入れる能力。

本人の保護観察を含めて、厳重に取り扱う必要がある。



◇        ◇


「裏切ちゃんって、2丁拳銃が武器だよね?」

「なんですのよ、ミムラ。羨ましいと思ったの?」

「ううん。ずっるいなーって、自分の能力と合わせれば、必中狙撃になるんでしょ?(効果範囲内に限るけれども)」


裏切ちゃんの仲間である、沖ミムラは裏切の戦闘スタイルには関心していた。極めてシンプルだが


「”当たらない” → ”当たる”に裏返せば、どんな銃弾も相手を追跡できる弾になる!テキトーに撃っても、自動で追尾するんだからさ!」


”裏”の能力を活かせば、どんな射撃だろうと完全に必中にできる。しかも、その個所まで指定することができるため、”脳天”を指名すれば確実に撃ち抜く。


「弱点もありますわよ。あくまで”当たらない” → ”当たる”に裏返すだけで、障害物に当たって、弾が止まってしまえば、裏返せなくなって効果がなくなりますわ」

「あーっ、そっか!」

「それに私の意志は銃弾に込められないため、当てる箇所は決められても、弾丸の軌道まで制御できないわ。決して、必中ではないのよ」


あくまで裏切京子の戦闘スタイルが2丁拳銃を活かした、中距離戦かつ、”裏”の能力を活かしたトリッキーかつ手札が多くて強力という。そこらへんの雑魚では止められない実力者である事に違いない。

戦いとなったらこーいう風に、では


「じゃあ、私の気持ちとか好み、苦手も裏返せるの?」

「対象があればね。生物には効きが悪いわよ」

「私、家事が苦手だから、裏返しで、得意にできるとかもいける!?」

「それは努力でなんとかしなさいよ。精神面でもないし」


ちょっとでもズルして、家事をマスターしようと思ったミムラはアテが外れるわ、ど正論を言われて凹んでしまう。


「私は普通に使うけどね。私の能力だし」

「!!できるのに、ズルイ!!ズルいよ!!裏切ちゃん、さっきの言葉は訂正してください!」

「お~ほほほ、ミムラ!運だけじゃなくて、実力も大事なのよ!!」


なお、裏切自身は、生活面においても、自分はあんまりやったことがないけど、”裏”の能力を活かして、知っている人間の家事能力をある程度再現してしまう。

努力でなんとかしろって言葉は、ホントに……。


しかし、”できない” → ”できる”に裏返せるほど。裏切の能力の練度の高さは計り知れない。

まだ、本人に使う分でトドメているが


「その能力があったら、広嶋くんが私のことを構うようになったりできそうなのに!!」

「!ミ、ミムラ!あなた、いい加減になさい!!広嶋様は、私のモノです!!あなたは別の男でも見つけなさいよ!」

「いーやーだ!!だって、私が好きになる人は、死ぬんだもん!!広嶋くんだけが生き残ってくれるんだもん!」

「それが広嶋様にご迷惑をかけていると、自覚なさい!!」


生き物に対しての使用は、非常に危険である。


「しかし、良いアイデアですわ。ミムラ!」

「え?」

「今から広嶋様に、私に対する気持ちを裏返しにいきますわ」

「えええーーーー!!ずるいよ、裏切ちゃん!!できるって事だよね!?惚れ薬的なアレがーー!!」


あいつの事が大嫌い、殺してやりたい、死んでくれ。


そーいう感情を裏返せば


大好き、一生を捧げます、絶対に死なないでくれ。


そんなような愛ある展開を作りかねない。しかし、裏切自身はこの能力を生物に向ける際のリスクが分かってる。当然だが、相手が表の感情を出していてくれないと、裏返せない。

普通の精神状態である生物に、この能力を使っても、何もひっくり返らないため、ミムラが思っているほど恋愛関係に強い能力ではない。むしろ、ドロドロとした恋愛模様になった時だけ、異様な強さをみせる能力。

なので、裏切は率直に


「広嶋様♡私の事を罵倒してください♡」

「アホか、お前は……」


とてもハレンチな姿と恰好のまま、広嶋に頼み込む裏切。その姿はまるで、女の下僕。

地に堕ちた女のやること。四つん這いになって広嶋を誘う。


「さぁ!私に憎しみを!!激しくお尻を叩いてもいいのです♡メス豚がぁーっと♡」

「誰がやるか」


このどM姿が本性なのを知ってる広嶋は、呆れてしまう。そして、こんなことをするんじゃないと言ってきたのに破ってる辺りに


「誰に吹き込まれた。……お前か、ミムラ」

「私は違います!!裏切ちゃんは今、広嶋くんに、能力を使って愛でてもらおうとするのを止めるために来ました!!」


ベギイィィッ


「じゃあ、裏切を止めろよ」

「いった~!蹴るのなしなし!!それなら裏切ちゃんに……」

「そうですわ!!私を蔑んで、罵倒して、お嫌いになってください!!それを裏返しますので!!」

「俺はお前等が面倒くせぇーって、日頃から思ってるんだよ!!」


鉄壁な防御というわけではないが、裏切の実力を知っている広嶋だからこそ。今ここで裏切を攻撃でもしたら、やられる可能性がある。それは絶対にダメだ。そして、本来の怒りはミムラにぶつける。

そーすると、


「もー、怒った!これは裏切ちゃんのせいだよ!!」


バキイィッ


「や、やったわね!!」


ミムラの拳が裏切を襲う。広嶋の狙いは裏切とミムラが喧嘩して、その間にトンズラしようというモノ。しかし、


「ミムラの心を裏返してやるわ!!」


ズキューーーーンッ


格闘ができる広嶋とミムラに対して、裏切はあまり殴り合いはできないタイプ。ついつい、”裏”の能力をミムラにかける。それは広嶋が奮ってきた、理不尽な暴力からの裏返し。とても好都合に解釈されてしまうこと。


「…………広嶋くん♡好き♡大好き♡ぶって、なじって、捕まえちゃうぅ♡」

「なにやってんだ、裏切ーー!!?」

「わ、わ、わ、私のせいですか!?これ!?っていうか、ミムラずるいわよ!こんな状況で告白かつ大胆になるなんて!!」


逃げようとしていた広嶋だが、能力をかけられたミムラに追いかけられ、さらにその2人に対し、広嶋の意志など関係なく。


「ずるいですわよーー!!ミムラーー!!広嶋様にそんなハレンチな事をするなんて!!」


ミムラに加勢して、広嶋を逃さないようにするのであった。


「離せ、お前等っ!!」

「広嶋くん♡好き……♡言って」

「は?」


ドゴオオォォッ


どM気質なミムラの性癖が裏返って、脅迫でいいから。好意を教えろ……じゃなくて、好意を持てとする。


「好きって言って♡」

「……おい、冗談やめろ」


その隣で裏切が拳銃を広嶋の頭に突きつけながら


「広嶋様、私のことが憎いですか?すっごく嫌ってください♡。そしたら、私、私……広嶋様の事を嫌いになれます」

「だから、お前もこっち側くんなーー!!」

「そんなツッコミを裏返すだけでは、意味がないんですよ。拒絶のお気持ちを込めて!二度と会いたくないというくらいに!!」


好きと嫌いのサンドウィッチ。

暴走しているミムラに殴られ続け、根負けで告白するか。

これを素面でやっている裏切を嫌いになって、自分も暴走してしまうか。


拳銃で脅されること、殴られまくることよりも、……


「あ~~~~~」


こっちの方が嫌なんだよ。


「2人共、好きだっつーーの!!」


大きな声で選べません。どっちも好きだから……。

これを聞けばミムラは止まるし、裏切も裏返そうにも裏返してはいけないものだった。

その言葉を聞いて、落ち込んだように2人の顎が下がり


「「そこは選んでくれません?」」

「そしたら、俺が死んでるだろうがよ!!」


いや、別に死なないけどな。お前等のどっちかは確実にヤってるよ。

これでも精一杯の好意だよ。



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