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第4話 初めてのノリ打ち!


 エリーシアと旅を初めて2日目である。

 

 俺のパチスロ能力は無敵かもしれない。

 俺のパチスロ台を物理的に自由自在に操れる能力は自分が思うより遥かに自由自在だった。


 俺の認識する範囲なら任意の場所に任意の大きさでパチスロ台を何台でもだせる。

 パチスロ台を弾幕のように撃ち出すことも可能だ。

 これだけで大抵のモンスターは倒せる!


 勿論、普通にパチスロも打てる!


 そして、この俺がだしたパチスロ台は何よりも硬く破損しないから堅固な壁ともなる。

 さらには大きさを変えて相手の頭上に落せば相手を圧殺できてしまう。

 

 おまけに相手の身体の中心を座標に見立てそこからサイズを大きくすれば相手の身体は爆散してしまうかもしれない。

 まだそれは試したことないからわからないが。

 色々と物騒な方向にも応用できそうだ。

 


 しかし、無闇に能力を使うのも怖いものだ。

 どんな弊害があるか分かったものじゃないからな。

 できるからと言って能力に何でもかんでも頼っていたらその能力を失った時に大変なしっぺ返しがくるかもしれない。


 そのあたりは十分に気おつけて行きたいものであるがすぐに調子にのりそうな自分が少し怖い。

 自重自重。


 そして、今日も帝国を目指しての旅路である。

 城塞都市をコスタビを出て街道をまた行く。

 はっきり言って寝不足気味である。

 ここは安全が確立された日本ではない!

 シャキッとしなければ!

 しかし、眠いものは眠い。

「パチンカス殿は昨日良く眠れたでありますか?」

「まあ......。」

 軽く頷いておく。

 正直言えば異世界クオリティの文明レベルがカスな宿では身体がうまく休めるわけもない。 

 それにパチスロやったり新しい能力の確認であんまり寝てない。

 だが、信頼関係は日常的な小さな同意の積み重ねが大事である。

 だからとりあえず頷くのだ。


 それに費用は全てエリーシア持ちだしあまり不平不満は言いたくない。


「それにしても帝国は遠いですね。 それと荒野でわりとモンスターに襲われたんですがこの世界はわりとモンスターが沢山でるんですか?」


「荒野にはわりとモンスターがいるでありますな。 街道にはそんなに出ることはないですから安心していいであります」


 たしかに街道に出てから全然モンスターに襲われてないな。


「帝国まではわりと遠いであります。 村や街をいくつも越えないと行けない距離ではありますが街道は盗賊、暴漢にさえ気おつけておけば問題ないでありますよ」 


 盗賊や暴漢がでるなら問題な気もするが......。


「こちらの世界はわりと物騒なんですね」


「この国は今は少し荒れておりますからな、本来はモンスターの討伐は国が行うものでありますが、それもあまり機能してないように見えるであります。安全なのは村や街、王都くらいでありますな。 モンスターは街道にはあまりでないでありますが、街道を外れれば遭遇する危険は高まるであります。他には食い詰めた民が盗賊が暴漢になるのはよくあるであります」


 国が荒れてるとかよくわからんが城塞都市コスタビスタの街並みは綺麗とは言い難いレベルだったな。


「それに村や街には王の加護がありますからな。 モンスターは近寄れませぬ。盗賊や野盗が襲撃してこない限りは安全でありますよ」 

「王の加護ってなんです?」

「王の加護は村や街をモンスターから守る見えない力であります。 国から村や街と認められた場所は王の加護が得られて周辺近くにモンスターがでなくなるであります」

 ビックリ異世界セキュリティーである。

「凄いシステムですね」

「王の加護以外にも神や精霊の加護を合わせて持つ村や街もあるであります。 そういった村は土地の恩恵も強くて栄えてる事が多いでありますな」


 ようわからんが、沢山加護のある村や街のが良い宿がある可能性が高いってことかな。

 プロ野球のチームもスポンサーが沢山ついたり、親会社が太い方がチームも安心だしな。

 そんな感じだろうか。


「この世界はそういうふうになっているんですね。俺の元いた世界とは本当に違うな」

「パチンカス殿の世界には王の加護とかないんでありますか?」

「ないですな。 神やモンスターもいないかな。 もしかしたら探せばいるかもしれませんが、俺が受けた教育にはそういった存在は非実在として扱われてました」


「何故でありますか?」


「科学的に存在が証明ができないからですかね」

「科学的でありますか?」

「はい、科学的です」

「科学的とは何でありますか?」

「誰がやっても同じような結果や効果がある事ですかね。再現性が高い事が科学的だと言われたりします」

「それは当たり前の事なのでありませんか?」

「そう言われたらそうかもしれないですね、ですが少なくとも俺の世界には尻尾や耳がある二足歩行の人達はいなかったですし」

「いないでありますか?」

「いないです!」

「当然ながら俺にこういった能力もなかったですし」


 俺はパチスロ台をエリーシアさんの前に出現させた。


「パチンカス殿の能力は本当にすごいでありますな、簡単に凶暴なモンスターを倒すんでありますからたいしたものであります。 ワタシの出る幕がないであります」


 1人でも荒野を旅できるエリーシアさんのが凄いと思う。

 俺には無理だ......。


「エリーシアさんの方が何倍も凄いですよ!」

「そうでありますか?」

「そうですよ!」

「ワタシは凄いでありますか?」

「凄いです! ナハハハ」

「なんで笑うでありますか?」

「なんとなくです」

「なんとなくでありますか」

「はい」

 エリーシアさんは適当に褒めても満更でもないという表情をしてくれるから楽しい。

 

「あ、これはパチスロといって俺の世界にあった遊技台といいますか、本当はモンスターを倒したりするような物ではないんですけどね。この今だしたのはL南国育ちS3という名前の機種です」


 エリーシアは興味深い目でパチスロ台を見ている。


「本来の使い方はこうやって台にカードを入れてクレジットを反映させてレバーを押すと音がなって画面のリールが回ります」

「それでどうなるでありますか?」

「当たりを引くとクレジットが増えます」

「クレジットが増えるとどうなるでありますか?」

「俺の元いた世界なら色々と価値のあるものに交換したり換金できるんですが、こちらの世界だと今のところ交換はできるのは......。」


 俺はスマホの画面にある交換品の中から下級ポーションを選んで取り出してエリーシアに見せる。


「ポーションが出せるでありますか!?」

「出せますね」

 エリーシアは少しビックリした顔している。

「飲んだら身体の傷が治ったりしますかね?」

「勿論であります」

「わりと高価な物なんですかね?」

「下級ポーションでも金貨1枚はするでありますな」


 こちらの世界での金貨1枚の相場はわからないが、エリーシアの口ぶり的にわりと高価な感じはする。


「こちらの世界はポーションって普通に流通してないんですか?」


「ポーションは基本的には国と限られた商人が管理しておりますね。 なので流通は制限されているであります。 何せ作れる人間が少ないため村の道具屋ではまず買えないであります。大きな街に行っても伝手がないと手に入るかどうか分からないであります。 軍には下級ポーションの備蓄はあるでありますが、中級ポーションからはレアであり管理は厳重であります。上級ポーションに至っては別名、【奇跡のポーション】と呼ばれるくらい希少でありますよ」


 なる程。

 わりと高価で希少性があるんだな。

 ポーションなら沢山だせるな。

 下級ポーション 1

 中級ポーション 5

 上級ポーション 10

 と、スマホ画面に表示されている。


 下級ポーションを取り出したらスマホに表記されたクレジットが1減産された。

 クレジットを消費して色々な物が出せる!

 パチスロ能力!

 本当に凄すぎる。

 自分の能力ながら便利過ぎてニヤニヤが止まらない! 

 神様ありがとうと叫ばざる得ない!

 なんかこの世界でそれなりに楽しくやれそうなそんな気がする。

 そういった確信めいた自信が生まれつつあるな。


 そして、今日も途中からエリーシアさんに乗せてもらい次の村について宿をとり、宿で俺はエリーシアにパチスロの説明の続きを行う。


 一通りパチスロの説明をエリーシアさんにして遊戯を目の前でやってみせる。

 エリーシアさんはそれを興味津々にみている。

「こんな物を見たのは始めてであります! パチンカス殿の世界には凄い技術者がいるんでありますな」

「エリーシアさんもやってみますか?」

「いいんでありますか?」


 エリーシアさんが俺の手を両手握り感謝の意を表明してくる。

 俺はパチスロ台をもう1台エリーシアの前にだす。

 あ、でもICカードがないと打てないな。


 スマホみると【乗りうち機能が解放されました。エリーシアを登録しますか?】と出ている。

 登録とタップすると。

 スマホ画面にICカードがでてきてクレジットを転送する画面が表示された。

 とりあえず1000クレジット転送を選んでエリーシアに渡した。


「このICカードでエリーシアさんもパチスロを打てるようになるよ!」

「ありがとうであります」

 エリーシアさんにICカードを渡して一緒にパチスロを打つことになった。


 俺はエリーシアさんにパチスロ台の説明をする。

「真ん中のランプが光ったらとりあえずリールとやらに7を揃えたらよいのでありますな!」


「そうです。 そうです。 当たるまで左のリールに黒色の絵柄を狙って緑の絵柄が止まったら真ん中は適当に押して右のリールにはまた緑の絵柄を狙うんです」


「それに何の意味があるでありますか?」

「それだけクレジットを得することになります!」

「クレジットが得すると良いことがあるでありますか?」


「沢山ポーションが出せるようになりますね」

「それは凄いでありますな! 頑張るであります!」

 エリーシアさんは少し「ふんす! ふんす!」していて可愛い。


「クレジットには余裕がありますから気楽に回してもらって大丈夫ですよ」


 そして楽しい乗り打ちが始まった。

 楽しい楽しい乗り打ちである。

 二人で楽しくパチスロを打ち始める。


 L南国育ちS3

 なかなか手強い機種である!

 スペック タイプ AT。

 AT初当たり確立は1/299から1/208である。

 打ち方は左上段バーを狙いスイカ停止時に中リールは適当押しで右にスイカを狙う

 チェリー、スイカが成立したらボーナスに期待。

 ボーナス後の8ゲームと32ゲーム迄が熱い!

 真ん中にあるパトランプが光れば当たり。

 ずっと当たらなくても996迄回せば必ず当たる!

 当たる度にモードが色々変更される。

 その中でもループ率93%の飛翔モードを引けば激アツだ! 


 今日こそ引いてやる!

 飛翔モードさえ引ければ勝つる!

 気合いのレハーオン!

 

 数時間後……。


 飛翔モードきたーーー!

 が、あんまり出なかった!

 畜生!


 今度はエリーシアが飛翔モードだー。

 俺よりだしてる!

 これがビギナーズラックというやつか!

 やりおる!


 ……。

 ……。


 結果

 パチンカス

 投資枚数 1545枚

 回収枚数 2850枚


 エリーシア

 投資枚数 440枚

 回収枚数 3556枚


 二人とも大勝利である!

 とりあえず勝つ事が次に繋がる!

 勝つ事が大事である!

 勝てて良かった!

 それだけで今日は良く眠れそうだ!


 ありがたやー。


 そしてまたパチスロレベルが上がった。

 パチスロレベル3になった!

 景品の項目に金貨が加わった。

 金を出せるようになったから路銀に困ることもなさそうだ。


 次の街では高い宿に泊まらしてもらおうかな。


エリーシアはかなりのヒキ強です!

パチンカスは隣で打っててビビってます

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