表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/8

第3話 エリーシアは力持ち


 俺はエリーシアに拾ってもらい助かった。

 エリーシアは大袈裟でもなんでもなく俺の命の恩人である。


 そんな命の恩人のエリーシアに対して俺は不躾な思いを抱えていた。


 俺はエリーシアの背に乗せてもらい楽に移動出来るのではないかと期待していたのである。


 だがこちらの常識があまりにわからない。


 人馬の女性に背中に乗せて欲しいとお願いするのはどのくらいの失礼に値するのだろうか?


 例えば、日本で知り合ったばかりの女性に俺を背負って下さい!

 と、お願いするのはあり得ないくらいに無礼なお願いだろう。


 そう考えたりすると気軽に「背中に乗せてくれないか?」とは言い出せない。

 だが、俺が歩くよりエリーシアの背中に乗って移動した方が効率ははるかに良さそうだ。


 なので背中乗せてくんないかなと聞いてみたいがそれがどんな無礼に値するかもわからない今の状況では正直聞きづらい。


 何日かたって飯を一緒に食べたりして親交を深めてから聞くのが無難だろう。 


 なのでエリーシアの横を歩く事にした。


 飯食ったら身体はわりと回復したし、10キロや20キロ歩く程度なら問題ない気がする。

 それにジャージ上下でトレーニングシューズでパチ屋に行く俺の格好は現在プラスに働いてると行ってもよいだろう。


 惨劇の荒野から街道に出るまで何キロくらい歩いただろうか......。

 わりと歩いた気がするが隣に誰かいて話しながらだとわりと気が楽なものである。 


 なので思っていたよりは疲れはないが......。 


 普段歩き慣れないものが整備された道を歩いたとしても5キロともたず足のマメを潰したり体力ももたないだろう。


 俺は体力には自信があるし足腰も強い。

 それにエリーシアに案内された方向に移動したらすぐに街道にでることができた。


 街道はわりと整地されていて歩きやすい。

 それでも歩きっぱなしは流石に疲れてくる。

 疲れ過ぎてから休憩するよりこまめな休憩が大事なきもする。

 また、倒れても困るしな。


「あのー。 エリーシアさん休憩とかいれません? 少し疲れてきたのですが......。」


「ああ、疲れたでありますね。 これは失礼したであります。 ワタシ背にのるでありますか?」


「え? よいんですか? 」


「良いでありますよー。 異世界人を帝国に招くのは俺にとって名誉な事でもありますし、できるだけ便宜ははかるであります。 それに疲れた者を背負うのは慣れておりますゆえ気楽に背に乗ってもらってよいであります」


 いいのかよ! 

 もっとはやく言ってくれよな!

 という心の声はしまっておく。

 でも、凄いありがたい!


「とりあえずこのまま街道を行けば日が暮れる前には城塞都市コスタビにつくはずであります。今日はそこで宿をとることにするであります」


 そう言ってエリーシアは俺の身体をひょいと軽く持ち上げて背中に置く。 

 見た目とはうらはらに力持ちなエリーシアに少しびっくりする。


 俺の身長は201センチあり、体重は105キロ以上あるのだがエリーシアにはまったく気にならない重さのようだ。


「腰に腕を回して落ちないように気おつけるでありますよ」


 俺は頷きエリーシアの腰に手をまわす。 

 良い匂いがするし、とても鍛えられた腰でがっしりとしていた。 

 エリーシアが何の恥じらいもないのでこちらもすまし顔で身体をエリーシアに預ける。


 そしてエリーシアは走り出す。


 エリーシアの背に乗せてもらい街道を駆ける。

 乗馬はしたことはないがエリーシアの走りが丁寧なのか落ちる心配もない。

 揺れもさほど感じない。

 原付バイクで舗装した道を行くレベルで快適な乗り心地だ。 

 寝てしまっても大丈夫なくらい安定している。

 不思議だ……。


 そして何より速い!

 俺が全力で走るより数倍は速い!

 まあ、人馬だしな。

 この速さでこの安定感はかなり何故だが。

 乗ってるうちにそれも慣れた。


 エリーシアに乗り街道を進み農村や宿場町を飛ばしてあっという間に城塞都市コスタビスタ近く迄辿りつく事ができた。 


 素晴らしいエリーシア様々である。

 街の近くでエリーシアから降りて歩く。

 異世界で始めて沢山人がいる場所。

 着く前まではなんというか日本の田舎の田園風景を想像していた。

 田舎で山奥に住むおじいちゃん、おばあちゃんの村のような場所をイメージしていたのだが。

 

 想像とは完全に違った。


 なんというか高い外壁があり立派な門があり矢倉があり門番がいる。

 そんな街はフィクションでしか知らない。

 俺の元いた世界でも海外に行けばゲーテッドコミュニティなるものもある。

 日本にだって守衛がいる施設だって考えたら沢山ある。

 軍施設や工場の入口や会社の寮とか考えたら珍しいものではないかもしれないが。


 ここまで立派な外壁が街を囲んでいるのは城塞都市と行ってもよいのかもしれない。


 この規模感!

 これぞ異世界中世ファンタジーって感じがする。


 少し身構えてしまうが。

 城塞都市コスタビスタにはあっさり入る事ができた。

 エリーシアが門番に何かを見せて話して俺は後ろについて歩くだけである。

 単独だったら身分証とかいるんだろうか? 

 そこんとこよくわからん。 


 中に入ったらさらに驚きがました。 

 まじに不思議な光景である。

 獣人と行ってもよいのだろうか。

 二足歩行の様々な獣が普通にそこらにいて会話している。 

 もはや御伽噺の世界である。 

 これが異世界転移というやつか! 


 うーむ。 

 シュールに感じるがこちらの世界はこれが当たり前なんだろうな。

 自分と同じような人間もいるし獣よりな顔した人物もいる。

 髪の色も目の色も多種多様である。

 比率は少ないが人馬もいるし4足のワニっぽい体型の人もいるし、二足歩行の馬面した人もいる。

 多種多様な形態の人類が当たり前に生活している。


 あまり物珍し顔で周囲を見るのもよくないかもしれないので、できるだけキョロキョロせずにエリーシアについて行って宿に泊まることにした。


 当然ながら部屋は別である。

 宿の食堂て飯をとり、用意してもらった部屋に行く。


 今日はここで一泊してまた明日も移動である。

 身体を休めるのが大事ではあるとは思うが自分の能力の確認はしておきたい。 

 こちらの世界に来て自分の生命線とも言える能力だ。


 宿の飯のゴミクオリティや宿の部屋のカスクオリティに色々と文句を言いたいところだが我慢する。


 とりあえず部屋に入り。

 能力で椅子を出して座り 


「ふー」


 一息ついたら、

 改めてパチスロ能力を確認する事にする。


 とりあえず、

 変わらずパチスロ台は出せる。

 椅子も出せる!

 パチスロ台は何台でもだせるし、椅子も何脚でも出せる。


 やはり、パチスロは打ち放題ではある。 

 実はもうこれだけで幸せ! 

 そういう思考は置いておき確認作業をする。


 スマホがなくてもパチスロ台は出せるが、打ちたい機種を細かに選ぶにはスマホから選ばないといけない。


 更にICカードをパチスロ台に入れなければパチスロは遊戯できない。 

 そして、スマホとICカードだけは出したり消したりできない。


「スマホとICカードを紛失したら終わりだな」


 しかし、この能力は......。

 パチンカスの自分としては凄くありがたい能力過ぎてたまらん! 


 こりゃたまらんて! 


 別の世界に来てもパチスロ打てるなんてまじにありがたい!


 更にはパチスロを何時でも何処でも打てるなんて最高すぎる! 


 なので今日は楽しむことにした。


 今日の機種はモンキーターンⅤである。

 こんな事してて良いんだろうか? 

 明日に備えて身体を休めるべきじゃなかろうか?

 どういう状況でもパチスロ打ってしまう。 

 それがパチンカスなのである。

 我ながら一級品のパチンカスだなと思うが一度打ち始めて見たらもう手が止まらない。


 レバーを叩く。

 リールにBARを狙いスイカ(ボート)が滑ればスイカ(ボード)を揃える。

 チェリーが止まれば強弱判別する。

 その繰り返しである。


 そして、超プレミア演出がきた!

 金のペンギン獲得した!


 流石過ぎる俺のアームの強さ!

 俺のアームはやはり強い!


 青島SG! 

 青島SGきた!

 こっから出す!

 玉を出す! 出すぜー。

【実績解除!】

 その瞬間にスマホにメッセージが表示された。

【パチスロレベルが2になりました】

 と、表示されている。

 何か変わったところがないかスマホを操作する。

 景品交換にアイテムの項目が追加された。

 アイテムを見てみる。


 下級ポーション

 中級ポーション

 上級ポーション

 が追加されている。


 なる程。

 パチスロプレイしていけば実績解除されて

 パチスロレベルが上がる。

 レベルがあがれば能力が強化されたり交換アイテムが増えていくのかもしれない。

 マイスロみたいなものかな?

 素晴らしい!

 これでますますパチスロ打ちたくなるというものだ!

 ありがたやー。

 かしこみかしこみありがたやー。

 と、感謝の踊りも披露したいものである。


 しかし、今は青島SG中だ!

 パチスロを回さねば!

 パチスロモンキーターンⅤに戻り

 青島SGモードをプレイして出玉を増やす!

 そして、青島SGを取り切る。


 結果

 投資枚数 540枚

 回収枚数 3540枚

 まあまあな勝ちである。


 もう少し玉を出したい! 

 プレイしたいとこだが見切り千両が大事である。

 それに明日も帝都目指しての旅路である少しは身体を休める必要があるだろう……。


 俺はパチスロ台からICカードを抜いてパチスロ台を消した。


 そして寝転がりながら、パチスロ台を出したり消したり動かす練習をした。


 パチスロ台を部屋の中で自由自在に操作するのは以外と楽しい。


 しかし、パチスロ台限定とはいえ、固い物体を自由自在に動かしたり小さくしたり、大きくしたりできるってとんでもないことだよな。


 そんな事を考えながら寝ることにした。





 金のペンギンは青島SG確定である。

 青島SGはパチスロモンキーターンVで特別な特化ゾーンである。青島SGに入ったらその台を途中でなんてやめれない!


パチスロ用語口座

 アームの腕が良いとは 

 ヒキが良い事であるという意味です。

 ヒキが良いとは運がよいとか良い物を引っ張てくる力が強いことをいいます。


つまり アームの腕が良いとは 

 自分の腕が良い! 

 ヒキが強い!

 という意味でもあるということです。

 勝ってる時だけ使うのがパチンカスの特徴かもしれません。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ