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人形の家  作者: 楓 海 (ザ ご老体ズ)
1/2

仲良し

 読みにいらして下さり有り難うございます。m(_ _)m

 短編で投稿しようと思っていたのですが、

 ちょっと長いかなあ、と思い急きょ全2話にしました。

 宜しかったら読んで戴けたら嬉しいです。<(_ _*)>

 この家族には愛が溢れている..........。


 欲求に素直な家族は一言も彼に不満など言わないだろう。



 

 裕太(ゆうた)澄人(すみと)はとても仲が良かった。


 澄人は大人しく人とコミュニケーションを取るのがおまり得意ではない上に学校を休みがちだった。


 それに対して裕太は明るい性格で誰にでも気さくに話ができ、クラスメイトからの信頼も厚かった。


 共通点の見当たらないこの二人が何故こんなにも仲が良いのか、周囲の者は頭を捻るばかりだ。


 そんな彼らは何故仲が良いのか。


 それには彼らなりの理由がある。


 小学生の彼らには共有する秘密が幾つかあった。


 秘密は時折深い絆を結ばせる。


 裕太は三ヶ月前にこの街にやって来た転校生だった。


 初めて教室に入って来た時、クラスの皆が裕太に注目する中、澄人だけが窓の外を見ていた。


 裕太はその時澄人に対して自分と共通する匂いをかぎ分けていたのかもしれない。



 紙袋に祖母好乃(よしの)が焼いたマフィンを2つ入れて出掛けようとする裕太を好乃は抱き締め心の中で呟く。


 『可哀想な子、両親に先立たれて

 ばあちゃんがきっと立派に育ててあげるからね』


 そして好乃は裕太に言って聞かせる。


「裕太、気をつけてね

 この頃ペットが殺される事件が続いてるの

 くれぐれも帰りが遅くならないようにね」


 こうゆう時には大人しく頷けば好乃が安心するのを知っているので裕太は笑顔で言った。


「解った

 暗くなる前には帰って来るね」


 玄関で靴を履くと裕太は好乃を振り返り屈託の無い笑顔で手を振り出ていった。


 いつもの公園に行くと澄人がブランコに座り揺らすでも無く地面を見詰めていた。


「澄人! 」


 声を掛けると澄人は顔を上げ、裕太を見て表情を緩ませた。


 裕太は澄人にとってこの上無い理解者で、裕太に対して絶大な信頼を寄せている。


 二人が共有する秘密。


 それは澄人が家族に虐待を受けていると云う真実。


 裕太が言う。


「夕べは大丈夫だった? 」


 澄人はうっすらと笑みを浮かべた。


「大丈夫」


「最近は落ち着いてるみたいで良かったね」


 やはり澄人はうっすらと笑みを浮かべこくりと頷いた。


 持っていたマフィンを渡すと、澄人はとても美味しそうに食べる。


 裕太は隣のブランコに腰かけた。


 虐待されているからご飯も満足に貰えないのかもしれない、そう思って自分の分も澄人に渡した。


「いいの? 」


「いいよ、ボクお腹空いてないから」


 顔を綻ばせ澄人はマフィンをパクついた。


「裕太の家族は優しいんだね」


「うん、ばあちゃんは優しい」


 裕太は目を細め言った。


「本当はね、ボクも両親から虐待されてたんだ」


 澄人は目を丸くする。


「死んじゃったけどね、二人とも」


 裕太の脳裏におぞましい光景がフラッシュバックする。


 父の文敏と母の瑠美江が血塗れで床に転がっていた。


 その光景は確かにおぞましいのだが、裕太には哀しみも無く解放感だけが全身に満たされ突っ立ったままその光景を黙って見詰めていた。


 一瞬裕太は眉をしかめるが直ぐに笑顔を貼り付け言葉を続けた。


「それでね、ばあちゃんに引き取られたんだ」


「そうなの..........」


 澄人は迷ったように瞳を震わせ言った。


「あのね、この頃は三人共酷いこと何もしないんだ」


 今度は裕太が目を丸くする。


「へえ、そうなんだ」


「それで..............」


 澄人は一瞬ためらう。


 裕太は澄人が言い易いように優しく促した。


「何?

 どうしたの? 」


 澄人は長く伸びた前髪を横に掻き寄せた。


「裕太に逢わせ......たく.........て.............」


 裕太は驚く。


 自分の子供さえ愛せない欠陥品の親に興味など無かったが、澄人が初めて望みを言った事は大きな進歩だった。


 澄人の顔に免じて澄人を痛め付けた連中の顔を拝んでやろう。


 そう思って直ぐに笑顔を貼り付け言った。


「いいよ、逢いに行くよ」


 澄人の顔がぱあっと明るくなる。


「オレの家、ここから直ぐなんだ」


 澄人はブランコから勢い良く立ち上がった。


 澄人が自分の意思を現すのは珍しい。


 長年の虐待に澄人の感情は死んでいた。


 笑うことも無く、怒ることも無い。


 常に無表情な澄人をクラスメイトたちは不気味がっていた。


 だが裕太だけは違う角度で澄人を解釈していた。


 裕太は澄人を理解することで、澄人の内側に眠る性質を目覚めさせようと試みる。


 裕太は澄人に喜びと幸福の感覚を教えた。


 面白い漫画を読ませたり、スマホで美しい音楽を聴かせたり、時には一緒に美味しいものを食べたりした。


 それと並行して裕太は小動物の殺し方も教えた。


 澄人は変化して行った。


 裕太の思い通りに。


 澄人の家に向かう道すがら澄人は言った。


「オレね、裕太が大好きだよ」


「そうなの?

 有り難う」


 裕太は微笑む。


「だから裕太に見せたいんだ

 生まれ変わったオレの家族」


 一軒の玄関前に澄人は立ち止まる。


 ドアを開くと異様な匂いがして裕太は思わず人差し指の第二関節を鼻の下に宛がう。


 奥へと進むと澄人には珍しくはしゃいでリビングのドアを開いた。


 匂いは一気に濃く鼻を突く。


 澄人は興奮して言った。


「見て、これがオレの愛すべき家族なんだ! 」


 その光景を見て裕太は絶句する。



 読んで戴き有り難うございます。m(_ _)m

 

 最近見付けた美青年が居ます。

 Snowmanのラウールくん。

 何を今更と思われるかもしれませんが、それまで本当に興味無かったのでラウールくんの存在を知りませんでした。

 映画「私の幸せな結婚」を観て目黒蓮くんの素晴らしい演技に圧倒され、動画観ていたらラウールくんの存在を知り、アイドル、ダンス、俳優、モデルをこなすラウールくんは自分を魅力的に見せるエキスパートですよね❗

 正に美の化身❗❗

 素晴らしいです。

 めちゃベタ惚れしてしまいました。

 

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― 新着の感想 ―
異臭の中でも血の腐った臭いって特に酷い臭いがします。 何と表現すればいいのか分かりませんが、胃に堪える臭いです。 以前事故に遭った人のビニール袋に入れられていた血の付いた眼鏡を見て、洗ってあげようと思…
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