表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

92/136

番外編2:こんな委員会でいいんかい?

ブクマ登録ありがとうございます!励みになります!


園児さん~学生さんまで、大半が今週から本格的にスタートですね

四月も師走かと思うくらい忙しいですが頑張って乗り切りたいです!


<文化の秋>


******



 なんだかんだ割と序盤に宿題を……強制的にやらされた為、中頃からはヒャッハーと夏休みを満喫したり、ゴロゴロしたり、ゴロゴロしたり。

 

 あ、一回だけお庭で水着を着て、魔法水鉄砲遊びをしたなぁ。途中からキラ君が遊びにきて、合流。そして私やキラ君だけびしょ濡れで、ゴーちゃんと、ルティにはほぼ当たらず。……もっとこうさ、空気読むっていうの…?まぁ、いいんだけどさ。……いや、わかれよ

 

 もう後半は私対キラ君って感じで白熱していましたね。もちろん援護射撃のせいで、キラ君は溺れるほど水を浴びていたけど。

 

 終盤は外が暑くて、ゴーちゃんミニ図書館へ結構入り浸っていたかもしれない。本の為に、他の部屋よりもさらに少しだけ涼しく設定されているんだよね。こだわりの低温低湿管理なのだ。

 何を隠そう、私は体温高めで暑がりなもので、非常に助かった



 そして、久しぶりにみんなと会える登校日、『元気にしてた?』『あれ楽しかったよね』などと、思い出話にも花が咲いた。

 そんな今日『後期からは委員会と部活動が始まります』とルティーチャーからHRで話があった。



「そうだよね!学校といったら委員会もあったし、部活もあるよね~」

「うん。一年の前期の内は、新しく進級した環境に慣れる為の半年で、後期から委員会や部活動が始まるんだよ」

「って言っても、活動はどちらも月一回程度だけどな」


「へぇ……」



 それって、小学生のクラブ活動よりも少なくないか?活動の意義が全くわからない



「まぁ、逆に言えば、放課後の自由時間が多いってことだしいいのかな?みんなアルバイトとか、他になにか習い事したりとかできるしね」

「アオイは、保護者()の許可がなければ、アルバイトは原則禁止ですよ?」


「えーー!!まぁ、今のところは情報収集のバイトをしているようなものだからいいっちゃいいけどさ。厳しい保護者だなぁ~。それよりも、私やるなら図書委員と読書クラブみたいなやつがいいなぁ!ルティそういうのってあるの?」

「あー…アオちゃんそれは…」


「良かったですね。今年から新設されたそうで、ありますよ。ではアオイは図書委員と読書クラブで宜しいですね?」

「わーいヤッター!!ゴーちゃんも図書委員一緒にやろうよ」

「う、うん……そうだね」

「じゃあ俺も入ろっかなー。昼寝に丁度良さそうだし」



 一人、部活と委員会の趣旨を全く理解していない不届き者が混じってはいるけれど、募集人数がちょうどぴったりだったので頭数に入れてあげることにした



***



 そして、月一回の委員会と部活の日……なぜに同じ日に設定されているの?顧問の御都合かな?



「ゴーちゃん……私の見間違いでなければ、あそこに書いてあるのは【図書委員()()会】よね?」

「う、うん……そうみたいだね…」

「どうみても【同好会】、だな。委員会にも同好会って通用すんだ……」



『入る?どうする?』と若干うろたえながら、中に入るか決めかねていると、爽やかにルティーチャーが現れた



「おや?みなさん、早めに来ているとは感心ですね」

「ルティ、同好会って書いてあるけど、どういうこと?」



 さすがの私も、前世ですら委員会に同好会は聞いたことがないっての!頭ヨシヨシしなくていいから答えて下さい!!



「どうもこうも……学園長からメンバーが三人以上で、私が顧問につくのであれば同好会を認めると…ほらこの通り、魔法誓約書にもサインがしてあるでしょう?」

「また、それかい!!」



 おい!また脅し…魔法誓約書かよ!!どう見てもチュチュアートのサインが震えて歪んでるし、最後の【t】の字なんてなぜかビヨーンと伸びてるじゃない!書いた直後にすぐ紙を引っ張ったでしょ!!



「あ、良かったぁ。ちゃんと認められたものだったんですね。さすがルーティエ兄さん、根回しまでさすがです!」

「え、いや、ゴーちゃ……こんな大人にはなっちゃいかんと思うよ……」

「ふ~ん、じゃあ、やっぱり俺は頭数にあって良かったんだな?どうりでルーティエ先生があっさり受理したわけだわ」


「まぁ、王族を名乗るのでしたら、たまには市民の役に立って頂かないと、ねぇ?」

「ほんっと腹立つなお前!!」



 ちなみに読書クラブに関しても同様で、存在すらしていない部活動だった為、読書クラブ愛好会となった。しかしなぜ、読書クラブだけ【愛好会】なのだろうか?教えてルティーチャー!



「え、それをあえてお聞きになりますか?【()し、愛され、()き合っている者同士で密()する場所】の略称じゃないですか」

「嘘こけっ!!」



 そんなもん初めて聞いたし、そうしたらゴーちゃんとキラ君はどうなる?二人が愛し、愛され……って、え……やだ、それってアリなの?いやいやナイナイナイ!!あぶねぇ、思考が沼っちまうところだったわ



「へぇ、じゃあ、ここなら大っぴらに連れ込み……いや、うそうそうそ!!ちょっと話に乗っかっただけだって!すぐに殴りかかろうとすんなよ!!」

「ここは読書するところだコンニャロー!」



 ゴーちゃん、止めないで!!せめてこいつの息の根を止めてからにして!!ルティは…待って!?君は本気で息の根を止めかねないから、手出ししないで!うん、落ち着いたわ、ごめん。



「キラ、あなたは最低ですね……」

「お前が言い出したようなもんだろうが!!」


「アオちゃんはキラの近くに座っちゃ駄目だからね」

「そうだね、サイテー…」



 とりあえず、キラ君は棚一つ分挟んだ隣のスペースに座らせて、完全に分断しておこう。なんかいじけてるっぽいけど、自業自得である。



***



「ところでさ、ビックリするほど読書がはかどるんだけど……誰も来なくない?」

「あ、ホントだ!もう一時間も経ってたねぇ、三冊読み終えちゃったよ~」



 え?早くない?ゴーちゃんは速読というやつができる人なのか!?だから勉強も早いんだ……かっこよっ!



「それはそうですよ、普段は厳重に鍵が掛けられておりますからね。開いているとはまず思わないので、必然的に誰も近づきもしないのですよ」

「は?非公開な図書館だったの?ここ」



 な~るほど!そりゃあ、誰も来ないはずだよね。……ん?図書委員の活動なくね?



「おや?アオイはミステリー小説を読んでおりますが、お悩みのようですね。その犯人、教えてあげましょうか?」

「そういうのヤメテ!!今、一生懸命推理してんの!!」


 

 ちょっと、なんで膝の上に座らせるの!?『一緒に推理しましょうね?』じゃないよ!ルティは犯人知ってるんでしょ!!おーろーせー!!



「んあ?……ふわぁぁぁぁ~!静かで寝るには最高だな、ここ」

「キラ君はホント何しに来てんのよ!」



 そうは言いつつも、気を許している(一人危険物も混じっているが)友人がいる中での昼寝は、心なしかキラ君も幸せそうにスヤスヤ寝ていたので、見ていて微笑ましくもあった。

 寝ている間にそっとみんなで出て、鍵を掛けるっていうのも楽しそうだけど



「でもさ、普段から鍵がかかっているって……ここって学園の図書室なんだよね?普通はみんなに開放するものじゃないの?」

「いえ、正確には<学園長の集めてきた趣味の本部屋>ですね。自前で作った部屋とは言え、完全に建物自体は学園のものだというのに、浅ましいにもほどがありますよね」



 まぁ、それを利用し、脅したあなたも如何なものかと思うけど……あぁ、まだ小説の犯人がわからないし、本は借りて帰れないからツッコまないけどさ。私も中々に浅ましい



「へぇ、いいなぁ~ここは広いから家よりも沢山本が置けるもんね。学園長先生の本の趣味は僕と結構かぶるかもしれない。読む手が止まらないよ」

「うんうん!!魔国の本も何冊かあるけど、人族の本や、エルフ族の本、獣人族の本なんかもバリエーションに富んでるよね!」



 ぶっちゃけゴーちゃんは授業の時よりも、遥かに目が輝いていると思う。ゴーちゃんの為にできた委員会と部活になりそうだ。兄の幸せは妹の幸せなので、気分は最高です♡



「あ~まだボーっとする。んで?アオは何の本をそんなに真剣に読んでんだよ」

「ふふん、キラ君にはわかるまいよ【家庭教師は見た!王侯貴族の虚飾(きょしょく)の争い】だけど、どうせ読んだこともないんでしょ?」



 キラ君のことだ、読むなら女性の解体新書的な書物くらいしか読まないだろうね。本の良さがわからないとは、なんと嘆かわしや……



「あぁ、なんか昔読んだかもしんねーな。内容はフィクションまみれでくだらねーし、結局犯人もその家庭教師っていうオチだしな。駄作だと思っ……あっ!」


「………ねぇ?推理物ってさ、犯人とかオチとか言っちゃったら、それで終わりだと思わない?おん?お前の人生も終わらせたろか、コンニャロー!!」



 よっしゃ、グーパンの先にだけ身体強化を掛けてみよう!陥没させる気持ちでやれば、打撲くらいはつけられるだろう!と、振りかぶったところで、ルティから待ったがかかった



「くっそー!!ルティ、止めないで!!ここなら目撃者はいないから4発くらい殴っても問題ないはず!!」

「止めたいのではなく、そんな空気の読めない男に触れて欲しくないだけです」


「そうだよ!アオちゃん、僕が代わりに10発くらいやっておくから!!落ち着いて!!」

「バカヤロー!ゴーシェに無抵抗のまま10発殴られたら大怪我すんだろうが!!」


「そうですよ、ゴーシェ。いっそのこと行方知れずくらいにしておく方が良いかもしれません」

「あっ……すみません、アオちゃんのこととなると冷静な判断がとれなくて……証拠は残さず、が基本ですよね」

「ねぇ、ルティ。ゴーちゃんをどんどん黒くしていくのだけはお願いだからヤメテ!!もういいよ、ごめん。別の本読むから」


「俺は部活と委員会がある日は、あえて夜更かししてからくるわ。初めから終わりまで寝ておくのが平和ってことなんだな」

「いえ、別に入部届と、登録用紙はもう頂いたので、キラはそのまま幽霊部員で構いませんよ?」


「その手があったか!」

「キラ、良かったじゃない」

「お願いだから、仲間外れはヤメテくれよ!!」





 こんな適当な図書委員同好会と読書クラブ愛好会でいいんかい?





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ