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<感謝>SP小話:なぜこうなったのか

☆㊗15000PV&ユニーク数3500人


根気強く優しい方が多くて、感謝の気持ちでいっぱいです!

 そして、薄々気づいていたのですが…私の文字数は多すぎるっ!100話オーバーをすでに予約投稿してますが、多分200話分相当の文字数だなと…

 第一章は長いままでしたが、第二章からは多少分割したりして減らしたはずなのに、多い。

 間違いなく私の力量不足によるもので反省しております。少なくてもきちんと簡潔に伝わる文章を目指したいです。前書きまで長くしてしまい、すみません!



******



「なぜ、こうなってしまったのだろうか?」



  私は自室にて、シワの少ない脳みその代わりに眉間にシワを寄せながら、うんうんと一人考えていた。問題に気付いたのは昨夜のシャワー前だった……


 常日頃からうっかり野郎な私は、昨夜もうっかり部屋のソファの上にバスタオルを忘れてしまったことに下着姿になってから気付き、慌ててコソコソと取りに戻ったのだけど……その時、姿見用の鏡の前を通ってしまったのがそもそもの始まり。



 見ちゃったのよね。現実を……考えてみたらさ、上げ膳据え膳で暮らしているし、移動の時は杖を使っているみたいに支えられているせいで身軽に歩いているわけでしょ?なんなら抱えられている事も多いし。

 

 このままだと老後は寝たきり生活じゃない?ちゅうか、決定的なこと言ってない、なんなら若干目を逸らしているけど……確実に太ったと思うのよ腹回りが特に!!!だーいもーんだーい!!!

 

 夏だ!海だ!!なんだと言っている場合ではないじゃないか!?海に行けばダークエルフの、あの罪作りなワガママボディ達がわんさといるわけで…その隣に堂々お前は立てるのかい?いや、無理だ。

 通常でも躊躇するというのに、私のこの怠惰なボディを晒すなんて……公開処刑も同義。


 フッ……ここまで来てしまうと、いよいよ決断せねばならないようだな。



「よし、ダイエットしよう……」



 脳内会議はもっと荒れるかと思ったのだが、やはり『そのままの体形で水着になれんのかお前?』と脳内煽り大臣アオイと『行かなければイケメンの水着は拝めなくなるけど、それで本当にいいのか?』と脳内煩悩大臣アオイのツッコミで、即ダイエット法案が可決されたわけです。




 明日やろうは、バカ野郎……そう思い、さっそく本日より取り掛かることにする。あ、ちなみに昨日事実に気付いたのに、翌日の今動く時点で、バカ野郎確定なんですけど。



 まず基本となるのが、食事の見直しだ。でもおかしいな……ここではバーべさん達がしっかり組み立ててくれた栄養満点な食事を、ただ美味しく食べていただけなのに。


 ちょっと食事シーンを思い出してみるか……



***



 例えば昨日の朝食は……



「わぁぁ!今日はとろっとろのオムレツだよルティ!!きゃ~しかもチーズ入り!!神ってる!うまー」

「ふふ。アオイは本当このオムレツが大好きですよね。ほら、私の分もわけてあげますからお口を開けて?」

「ありがとう!あ~ん……んん~、やっぱりうまー!!」


「アオちゃん、カリカリベーコンも好きでしょ?僕の一枚あげるよ!」

「いいの!?これを噛みしめて食べるのが好きなんだよね!うまー!!」


「アオイお嬢様、食後のデザートにフランベがフルーツタルトを作ったそうですが…」

「もちろん、イタダキマス!!デザートは別腹なので!」



***



 回想終了~!!


「うん。太る要素しかなかったな……」



 普通に食い過ぎやな、これ。みんなして、自分のカロリーを私に与えて来るから……いや違う。私が貰ってしまう意思の弱さがいかんのだな

 よし、まずはそれだ。野菜を多めにしてもらって、あくまで自分の分だけ……そうだ、分けられないように、心を無にして食べよう!



 丁度、頼りない胸に誓いを立てた直後、ルティから朝食の時間だと声掛けがあったので、一緒に食堂へ向かった。



「おや、今朝は野菜が多めですねぇ。良い野菜でも手に入ったのでしょうか?」

「!!!?」



 な、なんてことだ……確かに野菜多めと密かにお願いした……目的をダイエットと言わなかった私が悪いんだと思う、だけどさ、だけど…なんで朝食なのに私の大好きなカリカリベーコンと温玉めいた半熟卵、粉チーズたっぷりのシーザーサラダが出ているのさ!!最高かよっ!!


 いかん、心を無にするんだ……そう、「こんなの興味ないですけど?」みたいな、「唾液の分泌もありませんけど?」みたいな、、、頑張れー!!目を合わせたらいかんやつや!!



「そ、そうね。野菜多めっていいよねー。私、その茹でたブロッコリー食べようかなぁ」

「ブロッコリー、だけ?アオイはチーザーサラダの方ではないのですか?」



 レシピを教える際に【チーズがザーザーかかっている】とこじつけて、()()()()サラダと命名している。

ドレッシング自体はオリーブオイル、レモン、卵黄ベースのマヨ作りに近く、そこにパルメザンチーズ、アンチョビ、にんにく、黒コショウを合わせれば作れてしまう。まさかのアンチョビが存在していたもので、興奮の元、再現させました!



「いやぁ好きだけど、朝から重たいかもしれないし~すでに(体重も)重たいし~」

「はぁ…胃に重たいのですね?では、果物を多めにとりますか?」



 果糖!!こやつも摂り過ぎれば、待ったなしのウエイトと化す。せめて果糖ではなく、伊藤程度であればいけたかもしれないのに……伊藤は食べないが



「くだ~ものはぁ……あとで自分でとって食べるから、食後の私の心に聞いてからにするね」

「え…?今朝は一段とおかしなアオイですねぇ?」



 それって要するに普段からおかしい私ってことよね?失礼じゃないか?そんなおかしい私を愛しているという、ルティは変人の領域に入ってるってことだからね!!沼だよ沼!!



「アオちゃん達、早いね!おはよう~。カーモスから聞いたけど、今日は野菜がテーマみたいで、じゃがいもの冷製ポタージュか野菜たっぷりトマトスープから選べるらしいよ」

「へ、へぇぇぇぇぇ……」

「それでしたら、アオイはポタージュ信者と公言しておりましたし、じゃがいもの冷製ポタージュ一択でしょうか?」



 なぜ!?なぜに、今日に限ってそんなに張り切るんだバーべさん、フランベさんよ!!!じゃがいもの…ヴィシソワーズなんて…なんて…大好物だっつーの!!でも、芋やん?穀物やん!!せめて嫌いなグリーンピースのポタージュだったら、ポタ党の私でも「これならまぁいいか」と切り捨てられたっていうのに……うぅっ



「いやあぁ…たたたた、た、たまには趣向を変えてみようかなって…へへ。今日はトマトスープを気分爽快に飲み尽くしちゃおうっかなっなんて…」

「熱いトマトスープは爽快には飲み尽くせないでしょう?」

「そっかぁ、てっきり僕もアオちゃんはポタージュだと思ったから、同じの飲もうと思ってポタージュにしちゃった。変更して来ようかな……」



「いやいや、飲みたいものを飲むべきだし、それにせっかく作ってもらったんだからさ、誰も飲まなかったらバーべさん達が悲しむって!」

「そう?じゃあ、今回はそのままにしておくよ……」



 そんなやりとりの後、ようやく各々が席につき、取り分けていったけど……本日はモルガさん達がすでに仕事へ出掛けた分、目の数は減っているものの、明らかに視線が自分へビシバシと突き刺さっているのを感じていた。

 隣のルティ…は平常通り。正面のゴーちゃん、その後ろについているカーモスさん、そして陰から覗いているバーべさんとフランベさん……厨房放っておいていいのか?



「あの……みなさん、私の顔に何かついてます?どうかしました?」

「どちらかと言えば、アオイがどうかしたのですか?ですよ。なんです?歓喜の雄叫びもあげず、踊り出さず、表情は無表情で、感想も述べないだなんて……どう考えてもおかしいじゃないですか!」



 雄叫びあげて、踊り出す方が異常じゃないのか?でも、感想って言われても……ボリボリ、茹でたブロッコリーの味です、色は緑です。以上だよね。

 トマトスープ、うん、薄めのミネストローネ風やな…これも美味しい。二日酔いにも良さそうな、胃に染みわたる優しい味つけ。

 果物の代わりにプチトマト食べる……うん甘くて美味しい。果糖君には負ける甘さではあるけどね。



「そんなことない、デスワヨ?うん、今日も美味しかったです。ごちそうさまでした」

「え?アオちゃん、野菜とスープしか飲んでないじゃない!?ベーコンは?卵は?ほら、今日のソーセージなんて、ハーブ入りで美味しそうだよ!!」


 『ほら見て!』とフォークに突き刺さった、プリップリで皮も弾けちゃうんじゃない?ってくらい美味しそうな外見をしている爽=誠司(ソーセージ)。誠司君のハーブなそばかすが素敵

 ここでふとボーン君が思い出された……彼のように骨派だったら、太らないんだろうに。骨の良さを今度聞いてみようか……語らせたら長そうだけど。



「いや、今日はもういいかな……はは。(ブロッコリーで)お腹一杯だし…」

「アオイ、どこか体調が悪いのでは?お代わりを一度もしないだなんて、やはりおかしいですよ」

「ええっ!体調悪いなら、寝てなくちゃ!!ベットの上で食べられそうな物でも用意させようか?動かずにすむし」



 やーめーてー!!そういうのが塵積もって、こうなっちまったんだって!!

そうだ!多少は意味を理解しているであろうカーモスさんに視線を、ヘルプ!!カーモスさん!!全く知らないけど、瞬きでモールス信号SOSを試みる。パチパチパチ……むっず!



「プッ………坊ちゃま、アオイお嬢様が困っておりますよ。もう、食事の方でのお腹は満たされたと申しているではありませんか。体調も悪くはございませんよ、ねぇ?アオイお嬢様」

「そう、そうだよゴーちゃん、ルティ!私はめっちゃ元気だから大丈夫!!」


「では、私は食後のデザートを持って参りますね。アオイお嬢様が『野菜を主役に』と申しておりましたので、本日はキャロットケーキ、パンプキンシフォンをご用意してございますよ。確か、デザートは()()、でしたよね?」



 オーマイガー……これはどっち?意図を理解している上での嫌がらせ?それとも私がハッキリ『太っちゃたからダイエットしたいんです』と言わなかったのが悪かった?

 初日、しかも初回でこれほどまでに妨害を受けるとは……そもそも意思が脆弱(ぜいじゃく)な上、食べることに関しての誘惑には滅法弱い私に、この状況をどう乗り切れと?



 こっそりダイエットを決めてから一時間弱で、私は白状することにした……みんな、オラに力を貸してくれ!!



***



「ふむ……なるほど。そう言われてしまいますと、私達にも責任がありますね」

「ごめんね……アオちゃんが美味しそうに食べる顔が可愛くて、つい……」

「ケーキの名前を出した後の、アオイお嬢様の絶望的なお顔がまた…プッ!あ、失礼致しました」



 うん。二人は申し訳なさが出ているけど、一人だけおかしなこと言っている人いませんか?ルティが言っていた、カーモスさんの陰湿執事への確証にまた一歩近づいた……

 それとは対照的に、乙女の体重増加事情を聞いたバーべさんとフランベさんは、床に跪きながらオイオイ泣いていた。



「申し訳ございません!!ダイエットとは知らず……野菜であっても満足感が得られるものをと思い、カロリーのことを考えておりませんでした!!」

「本日はほとんど召し上がって下さらなかったので、もう私達の味には飽きてしまわれたのかと……辞表を書こうかと思っておりました!!」


「それは、本当にごめんなさいっ!!辞めないで!!バーべさん達の味なしでは、もう私生きていけないので!!」

「「アオイお嬢様ぁぁぁぁぁ!!」」


「……アオイ、それは浮気、というものではないのですか?こんな料理くらい、私も練習すればすぐに…」

「もう、ルティはややこしくなること言わないで!!」



 結局、バーべさん達のアイデアで、私への餌付けは餌付け専用皿に入っている分までとし、それを含めて適正量になるように調整してくれる事となった。もう神にしか思えない……

 しかもデザートはカロリーが低いものを研究し、作ると闘志を燃やしていた。最高かよ……



 そして、ルティからは『運動してカロリー消費したら良いのですよ』と、なんだそんな事かとばかりにサラっと言われ、ゴーちゃんにも『僕も一緒に協力するからね』と笑顔で言われてしまえば『いえ、そっち方面は……』と本音は言えず。


 指導となると鬼と化すルティ鬼教官の、泣く子はもっと(わめ)くような厳しい訓練を『こんな感じなら、人族のアオちゃんでもやれそうな簡単なプログラムだよね。良かったねぇ!』と、すでに大の字でヒィハァしながらぶっ倒れている妹に、大分ぶっ飛んだことを言い放つゴーちゃん。

 

 その額には汗すら(にじ)ますこともなく、必死でギリギリこなしているという私の隣で、あっさり余裕でこなされる……私の精神を壊しにかかる優しい兄のお陰で3日で5kgも痩せた……いや、やつれた


 無自覚や親切心って時に人を傷つけることもあるんだなとダイエットついでに学んだ。深い



***



 ちなみにずっと体型を維持しているというカーモスさんにも、今後の参考までに、おススメダイエット法はないか聞いてみた



「手軽な運動ですか?それでしたらルーティエと馬乗りなんていかがでしょう?」

「馬乗り、ですか?でも、私は一人で馬に乗れないので、今は無理かなぁ」



 確かに前世でも、乗馬をイメージしたロデオダイエットなるものもあったよね、と思い出す。それを思うと、少しずつ乗馬を練習した方が、お出掛けの時とかにも役立つし、いいかもしれない。



「そうですか、それは残念。きっと彼も興f…いえ、喜ぶでしょうし、気分も爽快になれるのですが……ちなみにマンネリ防止にもきっと役立ちますよ」



 いつもとは違う高さから景色を楽しめるし、初めは慣れない女性に手綱を握らせ、疲れたら男性と交代したらいいのでとてもおススメなのだとか。

 カーモスさんは未経験者でも経験者でもどちらでも楽しめますと熱く語っていた。

 

 なるほど、初めはパカポコ程度で、街中を走らせ、草原まで行ったら、交代して一気に駆けるってやつかぁ~それも良さそうだなぁ。でも、これじゃあ単なるデートプランじゃない?まぁいいけど



「そんなにルティは馬が好きだったんですねぇ、今まで全然知らなかったです!今度、馬乗りに誘ってみようかなぁ」

「ええ、ぜひ誘ってみて下さい。すぐに食いつくはずですよ」



 まぁ確かに、ドライブっていい気分転換になるよなぁなんて考えていたら、急に背後から現れたゴーちゃんに両耳を塞がれ、ルティが何か言いながらカーモスさんを引きずり、朝練?に行ってしまった

 ゴーちゃんには『カーモスには相談しちゃ駄目だよ』となぜか注意を受けた。割と参考になったんだけどなぁ



 後日ルティに『私も一人で乗れるようになりたいから、馬乗り教えて!』と誘ったら、飲んでいた紅茶を盛大に吹き出し、彼は顔を真っ赤にして『アオイにはまだ早いので駄目です!』と断られてしまった……

 



 なぜ?馬は20歳からとかあるのかな??






来週はわちゃわちゃした感じの週かと思います。女子達のぶっちゃけパジャマパーティと友達とみんなで海へ一泊などです。

 読まれている方の許容範囲がわからないのでなんとも言えませんが、今話の表現で「破廉恥だわ!」となる方は、一週間ほどお待ち下さいませ。(ただ、毎話出るわけではないので、さらっと見て頂ければ幸いです)

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