11:もうすぐMBA祭が始まるよ!
◇◇◇◇から短いですがルーティエ視点
ブクマ、いいね、ありがとうございます!
明日は祝日ですが、AM6時に投稿予約済ですので、お好きなリラックスタイムに、お仕事の方は休憩時間などに…お待ちしております!
******
「まぁ!珍しいわねぇ、今日は晴天じゃないのぉ~!これは俄然応援する気もアップするわよねぇ?シル」
「わかるわぁ~それに若い子ちゃん達もたくさんいるから、イマドキ女子の流行チェックとかついでにしちゃおうかしら。や~ん、あの仲良し二人組Kawaii~~♡共へ投げ~♡」
「それにしても、魔国には20年振りくらいだっけ?
伯父上に出産祝いを届けに来たとき以来だったかな?」
「あらそんなものなのね。それじゃあゴーシェナイト君も20歳位だから、立派な青年期に入ったのかしらねぇ」
「20歳?やだ~青りんごちゃん年齢で、一番フレッシュな時期じゃなぁい!」
「いやぁ~それにしても魔国の女子の胸は、いつ見てもえげつないサイズだな。
ありすぎもちょっと困るというか……」
「……ねぇ、ずっと疑問だったのだけど、なんでラトまでついてきちゃったの?ルーティエを怒らせないように気にしなきゃじゃない。
あなた、アオイちゃんとは目礼くらいにしておきなさいね。出禁にされたら困るもの」
「いや、嘘だろ?一応未来の義妹なんだよね?目礼だけって……酷くない!?
可愛い弟とその嫁(仮)に会っちゃいけないってなんなの!」
「あら、それはラトちゃんの自業自得なんじゃなぁい?いつまでもチャラけた振りしてないで…あっこの本を参考にして読みなさいよ!!<銀の月は、小夜にのみ輝く>新進気鋭の新人、モノクルPOL先生の名作よ、名作!」
「一瞬で転移してきたのに、なんで本なんて持ってきてるんだよ!まぁ、暇なときに読むわー」
「あっ、あの青いテントの下にいるのアオイちゃんじゃない?子リスちゃんは相変わらず小さくて可愛いわねぇ」
「もう、ここへ呼んじゃいましょうよ!アオイちゃ~ん♡シル姉様が来ましたよ~♡」
ん?誰か私を呼んでる……?あっ、アイさん、シルバーさん!?わぁい来てくれたんだ!
「ゴーちゃん、ゴーちゃん、リイルーンからルティのお母様のアイさんと、お友達のシルバーさんが来てくれたみたい。挨拶してきてもいいかなぁ?」
「え、嘘、ホントに?わざわざ見に来てくれたの?もちろん、僕も生まれたとき以来だから挨拶したいな。シルバーさんってもしかしてシルバー姉さん?超有名人なのにアオちゃんすごいねぇ」
ルティは出席を取った後に報告に出たので、ゴーちゃんと一緒に転倒防止の為、手を繋いでアイさん達の元へ行った。もはやルティーチャー不在時の暗黙のルールとなっているので、大人しく従っておく。
「アオイちゃ~ん!」
「アイさん、それにシルバーさんも!すっごくすっごく嬉しい!来てくれてありがとうございます…うっ…ホント……うわぁぁん!会えて嬉し過ぎる~!!」
「ん、もう…アオイちゃんは相変わらず泣き虫子リスちゃんなんだから。はい、お鼻チーンして」
「そうよぉ、もらい泣きしちゃうから、もう泣かないのっ!」
「ずびばぜん……ズッ、グスッ」
「アオちゃん、はい、ハンカチ。涙を拭いて」
「うん。ゴーちゃん優しい……お兄ちゃん、ありがとう」
「ふふ。どういたしまして」
天使からの頭ポンポン……こりゃあ、天国に呼ばれとるのではなかろうか?
天気がいいせいか、頭に艶リングがハッキリと見えるよ……本物の天使や
あれ?そう言えば、もう一人後ろに人がいるけど、もしかしてコーディエさん!?
「アオイちゃん……久しぶりなのに俺にだけ気付かないなんて、ヒドイ!」
「あっラトさんか。お久しぶりです、お元気でしたか?」
「うわっ、かっるー!!」
軽いかな?ラトさんとは、以前もこんな感じだったよね?ほとんど会わなかったし
っていうか両手を広げているけど、飛び込みませんよ?
「あの、叔母上、シルバーさん、ラトナラジュ兄さん……初めまして、僕ゴーシェナイトです!」
「あらあら、あなたがゴーシェ君なの?まぁ~大きくなったわねぇ!アイオライト叔母様だけど、「アイさん」って呼んでね。それにしても、へ―リオス兄様とモルガ義姉様のイイトコ取りをした顔立ちね♡将来有望だわぁ」
「初めまして、ゴーシェちゃん。あなたもKawaiiわねぇ♡アイのお友達のシルバーよ。シル姉様って呼んでね」
「は、はい。アイさん……シルね、姉さま……」
「やだっ!この子Kawaii~♡TO萌へ投げ~♡♡」
ワッショーイ!!シルバーさん、わかります、わかりますよ!その気持ち!!M・O・E♡
そうなんです!うちの兄はカッコいいし、天使過ぎるんです!やっぱり滲み出ちゃってますよね?
「お、初めまして!俺もアオイちゃんみたいに『ゴーちゃん』って呼んじゃおっかな~」
「あ、それはちょっと……『ゴーちゃん』呼びはアオちゃんがつけてくれた特別なものなので」
「そ、そうかぁ……じゃあゴーシェな。
ところで、「アオちゃん・ゴーちゃん」呼びで、手は仲良く繋いでるし……もしかしてルーティエとわか…」
「ラト……?」
「ひぃっ!ルーティエ!?お前、気配消すのうまくなってない!?」
「今、何を言おうとしたのですか?ないとは思いますが「別れた」ではないですよね?さぁ続きをどうぞ」
「ああああああ、当たり前だろう?あーあれだぞ?ルーティエと「若返って」からヤリまく…」
ドスッ!!
―――…ドサッ
「えぇ!!ラトさん!?急に寝ちゃってどうしたんですか?あと、槍をまくって何??」
急にラトさんが倒れちゃった!なんかすごい速さで何かがラトさんに当たった気がするんだけどなぁ。みんな気にしてないなら気のせい?もしかして朝まで遊んでたのかな……ありえるか
「アオちゃんは知らないことだから気にしなくていいよ。ほら、諺…みたいなものかな?」
「あぁ、なるほど諺ね」
槍をまく…あっ店長を閉じ込めた雷の檻がまさに槍が刺ささったみたいだったよね?あぁいう感じかな。。。怖いやつじゃん!!
「母上、シルバーさん、再会したばかりで申し訳ないのですが、ゴミ捨ての仕事が残っておりますのでとっとと片付けて参ります。この場を宜しくお願いしますね?ラトはついでに休ませておきますから」
「えぇ、生ゴミは早めに処理しないといけないわね」
「そうね。戻るまでアオイちゃん、ゴーティエちゃんとおしゃべりを楽しんでるから、ゴミ掃除はほどほどにね」
「先生にゴミ当番なんてあるの?ルティはラトさんを保健室に運ばないとでしょ?
もうすぐMBA祭が始まっちゃうから早くしないとだし、私がゴミ捨てに行くよ」
「とても嬉しいのですが、私も新人教師ですからね。下っ端がこういう仕事は率先して行うものなのですよ。生徒に手伝わせているなんて、他の先生方に見られては怒られてしまいます」
「あ、そっか……ルティの立場が悪くなっちゃうんだね。ごめん」
「いいのですよ。すぐに戻りますから、クラステントで待っていて下さいね。では」
「(一応跡継ぎだから)仕事はほどほどに手を抜きなさいね~」
「(息の根までは止めないように)頑張ってねぇ」
「ラトナラジュ兄さん……(口は災いの元です)お大事に」
◇◇◇◇
「ラト、起きなさい」
「うっ……首いってぇ…って、おい!今度は土に埋められてんじゃねーか!?扱いが雑!
大体、お前もあの二人が気にならないのかよ?俺はお前の為に……」
「手を繋いでいたのは、彼女が転んでケガをしないように、私のクラス全体に指示していることです。
まぁ同性か、男はゴーシェか、一部の許可した者に限定しておりますが」
「お、おお……じゃあ、あの呼び方は?」
「あれは、アオイがゴーシェの姉になると宣言したものの、今は年下になるのでむしろ妹だと言ったら、彼女があの呼び方に決めたのです。ゴーシェもそれに習って『アオちゃん』としたまでです。アオイは一人っ子だったそうで、兄弟姉妹に憧れていたと言うので私も許可致しました。他には?」
「……そうかよ、そうかよ!全部俺の勝手な誤解かよ!でもさぁ、あの二人まだ出会って二ヶ月も経ってないってのに、めちゃくちゃ仲良くないか?」
「そうですね、お互いに「兄妹」を公言しておりますからね。彼女も「天使なお兄ちゃんができた!」と懐いておりますし、ゴーシェも一人っ子ですからね、自分より小さな妹ができて嬉しそうですよ。
少々妬けもしますが、彼女が愛しているのは私ですし、私がそばにいれない時の護衛役としても彼は信用できますので多めに見ておりますよ」
「なんだよ、天使なお兄ちゃんって……あいつまだ若いわりには、それなりに強いだろ?カーモスが躾けたんならさ。アオイちゃん見た目に騙されてるってー」
「アオイには実際、天使のように優しいのですし、良いのでは?逆に勝手に『天使』呼びされてしまった彼の方に私は同情しましたけど。アオイは暴走し出すと止められませんからね。
先々に天使じゃない部分が露見しようと、私の知ったことではありませんが、彼も演技をしているわけではないですからね。きっと彼女の信頼は揺らがないと思いますよ」
「でもズルくないか?俺の方が兄として先に出会ってるし、半年もリイルーンで過ごしていたってのにさぁ
俺だって「お兄ちゃん♡」って呼ばれたい……「ルティ」みたく「ラジュ♡」でもいいなっ!お願いしたら呼んでくれるかなぁ」
「……さぁ?ちなみにゴーシェの方は秒で『ゴーちゃん』とアオイから呼ばれて、速攻で兄認定でしたよ。むしろアオイの方が懇願して兄になってもらっていたというか……」
「う、うそだ……俺の義妹なのに……うわぁぁぁぁぁぁぁ…!」
「さ、時間を無駄にしてしまいました。どうせラトなら、いずれ自力で出れるでしょう?私の最愛が待っておりますので戻ります。ここでも十分音は聞こえますし、応援宜しくお願いしますね…ラジュ兄上?」
「うがぁぁぁぁぁぁ!!俺の可愛い弟がぁぁぁぁ!可愛い義妹がぁぁぁぁ!俺も愛されたいだけなのにっ!」
「そこはまぁ、ご自分でなんとかして下さい。アオイ以外でしたら応援しますよ。ミノモンとか、たまには趣向を変えてみてはいかがですか?武術科にドワーフ女子も数名いましたよ」
「確かに小さくて、愛嬌はあるけど……ミノモンは小さすぎだし、虫じゃん!!ドワーフ女子も小さいけど、武力系が多くて怖いし、筋肉質だし…女子は柔らかい方がいい!!」
「わがままですね。ではとっとと抜け出して、適当な女性でも見つけては?兄上ならばすぐでしょう?」
「俺は女子を漁りに来たんじゃなくて、可愛い弟と義妹の応援に来ただけだっつーの!
保護者参加自由の競技も確かあっただろ?あそこでお兄様のカッコいいところを見せて「ラジュお兄様カッコいい♡」って未来の義妹アオイちゃんに絶対言わせてみせる!!」
「はぁ……そう うまくはいかないと思いますが……余計なことだけは絶対にやめて下さいね?一族の恥になりますし、兄上は一応次期族長なのですから」
「俺はいつでも真面目にやってるよ。今日だってちゃんと仕事済ませてから来たし」
―――パァン!!……パァン!!
MBA祭の開会を知らせる、魔弾が聞こえてきた
「あぁ、開会式が始まりますね。今度こそ行きますので、身ぎれいにしてからお戻り下さいね?あと、余計な事ばかりアオイに話すようでしたら……今度こそ出禁にしますよ?」
「へいへい……出してはくれないのね」
「はぁ結局、アオイと話せなくなったじゃないですか……早く兄上にも落ち着いて頂きたいものです」
こうして、出だしから不安を覚える中、MBA祭が始まった