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7:ONE FOR ALL!!

評価、ブクマ、いいね ありがとうございます!!

励みになるどころの話じゃないです!!お陰様で良いひらめきの神様が降りたってくれました~(誇張ではなく実話です)



******



 ゴンゴン!!開廷~


 静粛に!これより裁判を始めます!

 ……って雰囲気と有罪が確定してるような気持ちで一杯です



「で?まず、この騒動の説明を詳細に説明しなさい」



 ルティーチャーはお行儀悪く、教卓の上で長い御身足を組み、氷点下な視線で下々を見下ろしています。

 全く関与していない者は後方にまとまって自習。なぜか結界と防音まで施されている……ホントなぜ?私はケガをしていたせいか、一応イスに座らせられてます。

 他の皆は、床に正座……ヒドイ格付け!



「あ、わ、私が全てにおいて原因なので、私が…―――



 とりあえず、場所が未だに不明の富士の樹海改め木造旧校舎であった迷子事件の話を説明した



 ―――…と、いうわけなので、私が悪いんです」



「アオちゃんは悪くないでしょ?守り切れなかった僕が悪いんだよ!」

「いや……オレもさっさと連れて戻ってやれば良かったな」


「「「うぅ……私たちぃ、悪気なんてなかったんですぅぅ!!グスッグスッ」」」



「まずは、アオイのケガを治しましょうね。あと、私の上着を着ておきなさい、制服が破れてますからね。あなたは後ほど話がありますが、今は座っていていいですよ」


「え?話?」

 

 あ、あの…それは、どういった系統のでしょうか?ヒント!ヒントちょうだいっ!覚悟を決めておきたいでしょうよ!!なんだろうって気になってガクブルしてきたよ……



「はい。では、残りの役立たず二人と、そもそも学園に来る必要があるのかすらわからない、そこの女子三人ですが……

 まぁ女性に体罰や拷問というわけにもいかないですよねぇ。初犯ですし、トイレ掃除とゴミ捨て場の掃除を3ヶ月くらいで許してあげましょう」



 ホッ。良かったぁ、トイレ掃除とゴミ捨て場掃除なら、可愛いものだよね。

 さすがにルティも女子にはそこまで鬼畜なこと言わないよねぇ……って、あれ?女子’Sの一人は泡吹いてない?なんで?潔癖症だった?あちゃ~お嬢様育ちってやつかぁ……



「………死、死ぬ…」

「せ、せせ、先生……アタシたち、ホントのホンキで反省して、ます。トイレ掃除と、ゴミ捨て場の掃除だけは……どうか、どうか!!」

「死にたくないぃぃ反省してますぅ~うっっぅ……」


「ルティ、いえ、ルーティエ…先生、この子達も反省してるし、私は本当に彼女たちが悪いなんて思ってないから……他に……あ、黒板消し一週間とか、朝来たら机拭くとか、そういうのじゃ駄目ですか?

 代わりに私がトイレ掃除とゴミ捨て場掃除……ってどこのかわからないけど、するから!」

 

「なんでアオちゃんがそんなことしなきゃならないの?無理に決まっているでしょ!」


「でもこの子たち、トイレとか掃除できるような手じゃないよ。綺麗に手入れしてるし、潔癖症の子には酷なことなんだって。

 その点、私はトイレ掃除も近所のゴミ捨て場掃除もやったことあるから大丈夫、大丈夫!」


「アオ、お前……絶対なにか勘違いしていると思うぞ……」


「えぇっ!!アナタ、トイレ掃除とゴミ捨て場掃除の経験があって……それなのに生き残ってここにいるって言うの?本当は只者じゃないでしょ!?」


「嘘よ!あれをやって普通の人族が生き残れるはずないわ!」



 ん??私が思ってる掃除と彼女らの言ってる掃除ってなんか違う系?私は、ただの只者でしかないんだけど??ども、タダモノでーす。



「はぁ……ここであなたが介入してしまうと、私の教師としての立場もなくなってしまいます。

 全く、アオイはいつも甘いですね。それにあなたに掃除なんて、私がさせるはずがないでしょう?……では、三人で魔法を使わずに、教室を綺麗に磨き上げる。これでどうですか?一回で済みますし。もう変更はしませんよ」



「「はい!アタシたち、精一杯磨きます!!」」

「……死、死ぬ…」



 一人が中々泡吹いたっきり戻って来ないけど、とりあえずは軽く済んで良かったぁ

 登校初日でなんか三人消されるところだったっぽいし……トイレとゴミ捨て場に一体何が??まさか旧校舎のじゃないよね?まぁいいか解決したし



「では、役立たず二人ですが……まず、ゴーシェ。あなたアオイは必ず守ると豪語しておりましたよね?初日で約束を反故(ほご)にするつもりですか?」


「それは……何も反論することはありません。ついていけなかったとしても、見える位置で見張るべきでした。完全に僕の落ち度です」



 ないないないない!全っっっっくないから!トイレをじーっと見るゴーちゃんなんて怖いから!ルティ、ゴーちゃんを変態化させないでもらえますか!!



「そうですね。それと、キラ。あなたは第三王子だからといってフラフラと……授業もほとんど出てないと聞いておりますよ。あの場にあなたがいた事は、ある意味助かったとは言えますが……

 あなたなら彼女が迷い込んだ時点で、すでに気づいていたのではないですか?それに、見つけてから戻るまでの時間もかかりすぎですよね?あなたなら王族ですし、あの場所から彼女も連れて転移もできたでしょう?」



 学園内では不法侵入を防ぐ目的もあり、許可を受けている者、王族以外は転移が使用できないように制御されている。あれが使えれば私も迷子にはならなかったんだけど……


 それにしても、どゆこと?キラキラ君は迷子の私を、実はあざ笑って見ていたって言うの?ヒドイ!

 しかも一緒に転移できたなら、あんなジェットコースターみたいな体験せずに済んだってことでしょ?ヒドイ!

 そんでもって……なんつった?ま、まさかの王子だとぉぉぉぉ!?全く見えんっ!



「……いや。まぁ気付いてたけど、普通に歩いていたし。見てたら迷子なのかと思って声掛けたっていうか。転移はできたけど、こいつ人族だしさ、転移酔いするやつもいるから…。近いし、走っても変わらないかと思ったんだ」



 あ、そうか。私、普通に堂々と歩いていたかもしれないわ、うん。なんか迷子って認めたら負けみたいな意地?……いや、そこそこ早めに負けを認めたか。

 

「君、迷子になってる?」なんて確証がなければ聞かないよね確かに。無罪!

 転移酔いはないけど、ジェットコースター走りは今後はやめて欲しいかな。まぁでも人族への気遣いで、無罪!



「では、発見から、戻るまでの時間は?10分はありますよね?」



 は?どういう計算式と推理で、その10分をはじき出したっていうの?本当に10分も過ごしたかな?適当にハッタリかましてんでしょ~?



「あの10分は……」



 あ、10分って合ってるんだ?時計持ってたの?キラ君。にしてもマメだよね、滞在時間ってそんなに見てるもんなんだ



「あの時は……あ、味見をしていた……」


「は?味……見……だと?」



 ルティが首をこちらにギュイーン!!と動かし「どういうことか説明!!」と鬼の形相で促してきた。首!首の動きが怖い!!

 さ、寒い……急に気温が下がりだしたような気がするんですが?



「あ…うん。ごめん、なさい。ルティ…先生より先に、軽くだけど味見させちゃったんだ。

 お礼代わりに食べさせろって言うから。なんかいい匂いがしたみたいで……制服着たまま作ってたから匂い移りしたのかも。へへ……次からは気を付けるね?」


「彼が『食べさせろ』そう、言ったのですね?話す内容はともかく、アオイは……まぁいいです、その解釈で。

 で、キラ?この話は……?場合によっては、あなたの御父上に直にご報告に伺いますよ?朝の挨拶で、私はみなさんに伝えましたよね?私は教師である前に、彼女の恋人であると。

 私の最愛とわかって、あえて横恋慕したいと言うのであれば、今すぐ受けて立ちましょう!もちろん消し炭にするつもりで、最初から本気でいきますよ?」



 バチバチと教室中に電気が張り巡らされているような緊迫感。それに対して条件反射なのか、キラ君の両腕は先ほども見た琥珀色の魔力を纏い、身構えていた。

 

 私はゴーちゃんに庇われたまま、彼の張った結界内にいる状態だ。

さすがに防音されているとはいっても、このただならぬ雰囲気に気付き、クラス全員が固唾を飲んでいた。

 

 えっと……ちょっと他の人におかずを先にあげちゃうと、なんで消す消さないの話になるの?

 それに、何であれ命の恩人なんだよ?キラ君は!あと、身分は?さすがにルティでも、王子にケガをさせたら捕まっちゃうんじゃないの?

 


 ゴーちゃんの手を振り払い、睨み合っている二人の間に慌てて割って入った


「ルティ…先生!!ダメ、絶対にダメーー!」

「アオちゃん危ないっ!」


「アオイ!!」

「アオ!?」



「ハァハァ……きっと、どちらもただのケガじゃ済まないってことでしょう?絶対ダメ!!理由は何であれ、キラ君は命の恩人なんだよ?

 私が、元凶で、私が自分で悪いって言ってるのに、なんでこんなの……おかしいよっ!せいぜい、キラ君は授業サボってドンタッキーを早弁していた罪くらいなんだから、難しい本を3冊読むとかさ、反省文を書かすとかそれくらいでいいでしょ?

 それにゴーちゃんは何もなしだからね!」



「アオちゃん、僕は……」



 結界の周りにも纏わりついていた雷の魔力とキラ君の腕の魔力も一瞬で霧散した。

 良かった、とりあえず声は届いたようだ……



「あなたは本当に……では、すべてにおいてアオイが悪かった。そういう事でいいのですね?

 一番罰を受けるのもあなた一人になりますよ?その覚悟があってのことなのですか?」


「うっ……あ、ある!それでいいです!だって私が悪いと思うし……

 でも、痛いとか明らかに私にできないことは……避けて欲しいです」



 罰を決めるのがルティなら、私が一人で請け負う方がきっと一番マシなはず……と信じたい。鞭打ち100回とかそういった類だったら、誠心誠意のジャパニーズ土下座で減刑を願い出ようと思う



「痛いことなんてするはずありませんし、アオイにしかできないことですから大丈夫ですよ。

 ですが、本気で覚悟はしておいてくださいね?

 では席に戻って、授業時間が押してしまったので、少し急ぎますよ……」



「か、覚悟……」



 殺伐とした空気は解かれ、クラス中からは安堵の息が漏れた。

 だが、この生死を分ける戦いを止めた人族に、一体どんな罰が下るのだろうかという、同情する思いもまた、湧いたのだった。



 私のお弁当は、キラ君に少しあげちゃったから少量のお弁当になってしまったけど、お仕置きのことを考えると、せっかくのおにぎりの味もよくわからないまま、お昼が終わってしまった。

 

 ゴーちゃんとルティは「美味しい」と言って食べてくれたけど、ゴーちゃんは責任を感じているようで、終始元気がない様子だった。早起きして作ったのに非常に残念でならない



 ボケっとしていたら、すでに放課後。他の面々は皆下校し、私はケガの確認もあるからと、保健室に連行され――




 そのまま恐怖のお仕置きに突入した






明日は小話ではなく、この7話と8話の狭間…7.5話になります

お仕置きはなんだったのか、明日のAM6時にお待ちしております!

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