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19:トウト忍の館でとうとうSHINOBI体験!~ワノ国修学旅行編②~ ★

ブクマ登録ありがとうございます!筋肉痛も吹き飛びます!!p(^^)q




******



 ファンタジーなレンタル着物を着たまま、トウトの街を闊歩(かっぽ)する。下駄風に見えるサンダルを履いて、街の景色を眺めてみるけど、現代日本のイメージというよりは、ファンタジーな江戸時代風というか、建物は古風なものが多いのにトイレのように近代的な部分もあって、撮影用のセットの中を見学しているような気分だ。


 ちなみに以前、ワノ国のお城が日本と同じだったらルティに教えてあげると、ガレット帝国のユーロピアでお城を遠目に見た時に言っていたけど、結果的には半々といったところ?

 江戸城っぽくもあるけど、色合いとか材質とか全然違うし、こちらの方がさらに大きい。日本の江戸時代よりは建築技術が遥かに上ってことなんだろうなと思う。


 そして、楽しみにしていた【シースー】ですが、大変美味でした!でも、わかりやすいのは海外で食べるお寿司のイメージかな?シャリが大きいし、ネタも大きいから、中々沢山は食べられなかったけど、カルフォルニアロールみたいなやつもあって美味しかった。若干、酢が強めかな?ここにきて着物の帯が苦しいです。


 見た目からも外国人な私以外の面々は、やはり生魚を食べることにやや抵抗があるようで、私が一人で『美味しい美味しい』と泣きながら食べる姿を見てから、恐る恐る食べていた感じ。

 

 肉食のキラ君は、ハンバーグ寿司みたいな、私からしたらお子ちゃま寿司にしか思えないようなものを『寿司って案外うまいな』と言って、軽く50皿は食べていた。

 でも、握った酢飯の上に主に魚介が乗ったものを寿司というなら、『てやんでぇい、そいつは寿司じゃねぇ!!』と言いたいが、ここでは【シースー】なので、その定義ではないんだろうな。


 ルティは海苔で巻かれている系の寿司を見て『アオイの色が多い食べ物ですね』と言ってましたが、、、あなたの周囲を見回せば同じ黒髪黒目がいるんですけど?と心の中で呟いておく。


 巻寿司全種類を食べていたけど、まさかの存在したナットー巻に私は感動の涙、ルティは口に入れたと思ったら、上品に口に手をあてて一度固まり……数回高速で噛んで、そのまま丸飲みして口に【清浄(クリーン)】を掛けていた。もれなく私にも掛けられた。やっぱり生ものよりも納豆は強敵かぁ。


 ルティは私の故郷に近い味を共有の思い出としたかったようで、巻寿司以外にも、私が食べたものと全く同じものを注文し『ふむ…なるほど』と言いながら食べていた。

 彼もやはり生魚は抵抗あったのかな?『美味しい!』と口にしたのはカルフォルニアロール風の味付けがしっかりしたものや、おいなりさんっぽいものくらいだった。


 彼には自分で好きなものを巻ける、手巻き寿司の方が喜ばれるかもしれない。幸い、海苔は好きみたいだしね。



***



「次に行くのは、ハガネ君イチオシの<忍の館>だよね?そこって見学かなにかするの?」



 もうすでに三名ほど忍装束着用中の浮かれた外国人を引き連れている私は、イメージでは某江戸村や、からくり屋敷的なものを見て回る感じなのかなと思っていた。よくよく考えてみたらハガネ君は家族でSHINOBIフリーク……今更そんな子供騙しで満足などするはずもないよね。



「くくく……アオイ殿、オレが行くのは見学ではござらんよ。実践!!と言いたいところでござるが、叶わぬので、訓練所を申し込んでいるでござる」

「そ、そうでござるか……」



 忍ボーイズは張り切り顔だし、ルティも『訓練……参考になるものがあれば取り入れるか』とやる気に満ちていた。私はアーチェリーちゃんと二人見学でもしていようと考えていたのに、まさかの『私もやれるかな?』と立候補。そしてアーチェリー姫(仮)に忠誠を誓ったハガネ君は『なっ!姫がくノ一でござるか!?』と、頬をほんのりピンクに染めていた。おや?おやおやおやぁ~?


 着物よりもシンプルに作られている、くノ一の装束に着替えたアーチェリーちゃん。とてもイイ!なんだろうね、キャッ○アイ的なセクシーさが(にじ)み出ている。

 私も同じものを着ているのに、旅館で作務衣(さむい)を着ている従業員風にしか見えないのはナゼだろう?



 忍の館の訓練場に到着し、一通り武器の特徴・説明を聞いたら、レベル分けの判別の為、手裏剣投げを行った。

 言うまでもなく、張り切りボーイズもルティも全て中心で、ルティはさらに全て1投目の刺さった穴に投げていた。ポイっと投げていた風だったのに……4人は超上級、アーチェリーちゃんは中級、そして私が……見学しておくか、幼児体験コーナーのフニャフニャ手裏剣を使うか、という判定だった。悲しい


 でも、仕方がないんだ……私は前に投げているのに、あらぬ方に飛んでいくんだもん!1投目に完全に油断していたキラ君の頬を(かす)めて行った時は、一度静まり返った……もちろん狙ってはない

 

 気を取り直して、ルティがレクチャーしてくれて、なるほど!と意気込んでの2投目はルティの顔前へ!!もちろんルティはひょいっと避けたけど、それが見事にまたキラ君の首筋付近を掠めて静まり返った……くどいけど狙ってはいない


『アオイは殺意を持たない暗殺者向きですね』と、それはどう捉えたらいいのかわからない賛辞を頂き、残りの3投分は回収されていった。やはり戦い系の冒険者にはどう転んでもできやしないんだよ私には



 見事、見学となった私だけど、一応説明はみんなと一緒に聞いていた。当然だけど、施設内での魔法の使用は身体強化以外は不可となっている。そりゃそうだよね。魔法可能なら、即終わっちゃうもん


 そうして、開始された訓練。見学しておこうにも、超上級組は各自が忍んでしまうので、モブ オブ 人族の私が目で追えるはずもない。とりあえずは見えたり見えなかったりするけど、中級のアーチェリーちゃんの方を見学させてもらうことにする。


 私はただの見学者だというのに、今回の旅行用にと用意されていた、所謂GPS的なものや、危機察知アラート…防犯ブザー的なやつをごっそり渡されていた。見学ブースとブース内のトイレ以外は出てはならないとキツく言われておりますので、言うことを聞いています。お土産はパンフレットで眺めて、あとで現物を確認しようと思う。模造刀を飾りたいなぁ



***



 皆と別れ、もの凄く珍しいボッチ。しかし、見学室からも見える茶屋を訪れる人の同族的雰囲気に、少々感動すら覚えた。全然違うってわかっていても、日本に帰って来たような気がして感慨深い。


『喉が渇くでしょう?』と施設のスタッフさんが用意して下さった、おそらく抹茶だと思われる【マー茶】というものを一口。やっぱり抹茶だ!一緒に渡された試食用のワノ菓子(和菓子)も最高に合う。


「懐かしいな……」


 自然と口から出た言葉だったけど、不思議なのは、懐かしい=寂しいとは思わなかったことだ。こっちの世界に来て、まだ二年半くらいのはず。それなのに、ルティとお付き合いが始まってからは一度も<帰りたい>と思ったことはなかった。



「全てはルティなのかな?」

 


 あむりとまた一口、試食の【栗かのこっぽい菓子】を頂く……甘さが絶妙で美味しい。お土産にぜひ買って帰ろうと思う。



 他の人がいてくれるけど、ルティだけがいない時は、初めこそ解放…いえ、開放感を感じても、結局寂しくなってしまう。もちろん、世界にルティと自分だけがいればいいとまでは思わないけど、ルティがいないのは耐えられないかもしれない。

 


「う~ん、改めて考えてみると、私ってばだいぶ深いところまでルティに嵌ってしまってるんじゃん」



 初めの頃は日本の感覚で30歳…まではまぁ無理だろうけど、寿命も長いっていうし、結婚は騙し騙し引き延ばしていこうかなって正直思っていたところはある。


 前世でもこんな機会なかったものだから、やたらと結婚に執着するルティの気持ちもイマイチ理解しきれていなかったし、別に恋人同士一緒にいるんだからこのままでもいいのになってつい最近まで本気で思ってた。


 でも、なんとなくわかってきた気がする。私も存外ルティに執着していたし、絶対に誰にも奪われたくはない唯一の人だ。ルティは私のルティで、私はルティの私。たから魔法誓約で縛りたいし、少しでも安心したいのかな

 とはいえ、まだルティほどは切羽詰まった感じにはなっていないんだけど。



 それにいてもアーチェリーちゃんも案外、くノ一向きでは?ジャンプ力はかなりあるし、吹き矢でバンバン仮想敵を倒している。飛び道具系が得意なんだね



「ふむ。やはりアーチェリーさんは、ああいった武器の使用の方が能力を最大限に生かせそうですね」

「うん、そうだね。私も今、そう思っていたところなんだ……って、ルティ!!いつの間に!?」


 ちょっと!!早速、忍びの技術を取り入れるのやめてもらえないかな!?戻ってくるの早くない?まだお茶も飲み切ってないよ私!!



「ああ、訓練ですか?あの程度はお遊戯みたいなものですよ。つまらないので即刻クリアして参りました。私としてはもう少し技術的なものを学びたかったのですが、忍びの末裔に弟子入りしないといけないようですので諦めました」



 そっか、敵っていっても仮想の敵だから、いまいち気分が乗らないって感じかな?と思ったけど、『むしろアオイを一人残していることの方が、なにか良からぬことが起こるのではないかと緊張感が高まりますよ』と言われ、『そんなこと…!!』と反論しかけたけど、お茶で流した。あー苦い……



 悲しい沈黙のあと少しして、張り切りトリオも戻ってきた。「どうだった?」と感想を聞くと


「簡単だったけど、仮想敵だからなにしても良いと思うと、結構発散になるな。久々に半分力を解放したわ。はは、セットも一部壊しちまった」

「魔法なしって条件だったから、僕は派手に戦うよりも、ひっそり始末する方の訓練をしてみたよ。最後のボス?頭領?にだけ、倒した敵の呻き声でバレちゃった。まだまだだなぁ」

「くっまだまだ修行が足りないのはオレも同じ……オレは全員、襲われたことすら気付かれないように倒したかったのでござるが……姫の声が聞こえた気がして一人、顔を見られてしまった…不覚!!」


 うん。めちゃくちゃ楽しめたようだ。お土産コーナーで『模造刀なんて買うやついんのかな?本物の方がいいに決まってんのにな』とキラ君に言われたせいで、模造刀コーナーに向かった足は方向転換を余儀なくされ、やわやわの手裏剣セットを買う羽目になった。せめてレプリカが欲しかった……




 明日はセイトを経て、アジェアへ観光へ行く予定!【モー()カツサンド】や【ミックス焼き】なるものをぜひとも食べたい!!



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