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ホネヌキの国

 大きなお山を四人があるいています。

 ハサミをかついだとんがり帽子のお兄さんは、ミチにある石を踏みながら。

 タテをかついだ真ん中のお兄さんは、ミチにある石をケリながら。

 オカリナをクビからぶらさげている末っ子は、オサカナを食べたときにささった小さなホネをなんとかしようと、口の中に手を入れながら。

 そして小さなタンケンをこしにつけたおじさんは、みぎあしをひきずりながら、とんがり帽子の三兄弟といっしょにあるいています。


「もうすぐでホネの国だよ。そこにいけば、いろいろなホネをとってもらえる」


 一番上のお兄さんは、一番前をあるいているおじさんのタンケンが気になりました。


「このケンはね、いろんな人にイヤな思いをさせてしまったんだ。そして、おじさんもそれがイヤになったんだ」


 それを聞いて、真ん中のお兄さんはフシギに思いました。

 どうしてイヤな思いをしたのにたいせつに持っているのだろうと。


「それは、わたしにも分からないんだ」


 とんがり帽子の三人組はおじさんのコトバが分からず、クビをかしげてしまいます。

 それを見て、タンケンのおじさんは小さくわらいました。


 山をのぼってしばらくすると、大きな門が見えました。

 門の前にはキレイな女の人が二人います。


「ようこそ、ホネの国へ」


 四人が門をくぐると、そこはホネのように白いカベ、白いヤネ、そして白いミチばかりありました。

 門の前にいた女の人に案内されると、やがて大きくて白いイエにいれてもらいました。


「ここはいろいろなホネをとるバショです」


 そこには白いフクをきた女の人がいいました。

 女の人は、ほそいユビで末っ子のノドをさわって、そのままクチのところまでもっていきます。

 するとどうでしょう、ノドにささっていたホネがでてきました。

 ノドがいたくなくなって、末っ子は大喜びです。


「ツヨイ子よ、おなかがすいているのですね?」


 女の人は一番上のお兄さんのおなかをほそいユビでさわり、そのままなぞると、小さなホネがでてきました。

 ホネをとられた一番上のお兄さんはおなかがすかなくなり、おどろきました。


「カシコイ子よ、足がつかれてるのですね?」


 女の人は、こんどは真ん中のお兄さんの足をさわります。

 そうすると、また小さなホネがでてきて、さっきまでいたかった足がいたくなくなったのです。


「カワイイ子よ、ねむたいのですね?」


 女の人は、末っ子のあたまをなでます。

 カミの毛のようにほそいホネがでてきて、ねむたくなくなりました。


 それを見ていたおじさんは泣きながら女の人にすがりつきました。


「わたしはなんのツミもない人をきずつけてきた、それがワルイことだとおもわなかった。でも、今はちがう。ワルイことがツライ、たえられない。どうかわたしをくるしめるホネをぬいてくれ」


 白いふくをきた女の人はほほえみながら、おじさんのムネからホネをぬきました。

 そうするとさっきまで泣いていたおじさんはとってもラクになったかのようなカオになりました。


「子どもたちよ、父がいなくてくるしいのですね? そのホネもぬいてあげましょう」



 とんがり帽子の三兄弟は、ホネの国にいる女の人みんなと、おじさんに見おくられてでていきました。


「この国からでていくなら、アナタたちのホネはかえしましょう」


 一番大きなお兄さんはおなかがすいてしまうホネをかえしてもらいました。

 真ん中のお兄さんはつかれてしまうホネをかえしてもらいました。

 末っ子はねむたくなってしまうホネをかえしてもらいました。


「これはもう、わたしにはいらないものだ。キミたちにあげよう」


 そういって、おじさんはじぶんのタンケンを末っ子にあげました。

 小さな末っ子にはぶかっこうな大きさでしたが、大人のどうぐをもらった末っ子はよろこんでいました。



 国からでていった三人を見おくり、おじさんは白いイエにもどりました。

 そして、白いふくの女の人がくるしいホネをどんどんぬいてしまいます。


「なかのいいトモダチとわかれてツラかったのですね、ホネをぬきましょう」

「人をきずつけてしまったことがくるしいのですね、ホネをぬきましょう」

「イヤなものを見たのですね、ホネをぬきましょう」

「キライなことばをききたくないのですね、ホネをぬきましょう」

「くるしいことをかんがえたくないのですね、ホネをぬきましょう」


 おじさんからぬかれたホネは、女の人になりました。

 いろいろなホネをぬかれたおじさんは、やわらかい赤ちゃんになってしまいました。

 そして、ホネの国にはふたたび女の人と、赤ちゃんと、サカナしかいない国となりました。



 とんがり帽子の三人組は、山のミチをあるきます。

 真ん中のお兄さんは足がつかれないので、すいすいとあるいていきます。

 けれども、一番大きなお兄さんと末っ子はけわしいミチでつかれてしまいました。


 真ん中のお兄さんはつかれてしまうホネをのみこみました。

 つかれなければ、休むことができないからです。


 ミチのはしっこで休んでいると、末っ子のおなかがぐぅ~となりました。

 真ん中のお兄さんはホネの国でもらったカタいパンをとりだします。

 そのままじゃ食べられないので、末っ子がもらったタンケンをつかってきりわけます。


 だけど、一番大きなお兄さんはおなかがすいていません。

 真ん中のお兄さんと末っ子がおいしくパンを食べているのに、じぶんだけは食べるひつようがないのです。

 一番大きなお兄さんはおなかがすいてしまうホネをのみこみました。

 おなかがすかなければ、おいしくゴハンをたべられないからです。


 おなかがいっぱいになった三人は、おひるねをすることにしました。

 さいしょに一番大きなお兄さんのいびきがきこえて、次に真ん中のお兄さんのねいきがきこえてきました。


 末っ子はねむたくなってしまうホネをのみこんで、二人のあいだでねころびました。

 ねむくならなければ、いっしょにねることができないからです。


 三人はユメの中で、お父さんとあいました。

 ユメの中にいたお父さんは、お日さまのように温かく、大きな人でした。


 とんがり帽子の三兄弟はお父さんをさがすために、今日も山のミチをあるいています。

 おなかがすいたり、つかれたり、ねむったりしますが、今日もゲンキにあるいています。

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