心の容器
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心に傷は人には見えない。
少女は、心に傷をつけながら生きてきた。
いつからか胸に穴が空いていくような、少しずつ自分自身のなかで何かが抜け落ちていくような感覚に陥る。スーっと心が冷やされていく。
心の容器は大きさも形も全て其々に異なる。注いでいく水を溜める量も、流すスピードも違う。排水口は負の感情で塞がれ、溜まる水が溢れていく。
それは、誰にでもなり得ること。人が其々違うように、心の容器は大きさも形も全て異なる。
“「大丈夫」”
自分に言い続けて。魔法の言葉。
いつからか、魔法の言葉は言えなくなっていた。
“「普通でいいのに」”
普通の生活、ごく普通の平和な日常が続けと願う。
“「……疲れたな」”
魔法の言葉は消え魔の言葉。マイナスな感情が溢れる日常。
その言葉の闇の魔力に飲み込まれてしまえば、ひとり抜け出すことは困難。誰か助けてと思う気持ち……それさえ力弱く、終わりへと向かっていく。
それでも。それでも、ひとりでも良い。自分以外の誰かが溢れる容器の水を別の容器へと減らしてくれれば、心のくすりをわけてくれるだけで……。
途端に世界は変わっていくから……。
「大丈夫だよ」「ひとりじゃない」
傷ついた心は、その分。それ以上のこころのくすりへと変わっていく。
初心者のため、未熟さが目立つと思われますがよろしくお願いします。