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プロローグ
兄が死んだ。
兄は優しく温厚で、私がワガママを言うときも泣きわめくときも、嫌な顔ひとつせず優しく受け入れ慰めてくれた。
そんなこともあり私は昔からお兄ちゃん子で、兄にベッタリだった。
それは高校生になっても変わらず、親友からもずっと『ブラコン』のレッテルを貼られ続けた。
兄のことが好きなのは変わらないし、死を受け入れるのは簡単なことじゃなかった。
なのに今、私の目の前にいるこの、
「それはまた今度にしてさ、今日のところは俺と彼岸花見に行かない?」
彼氏とデート中の女の子をナンパしている元兄をどうしてくれようか(マジギレ)