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氷華の願い、狂華の祈り

作者:矢野 終夜
少女が目覚めるとそこは、一面雪で覆われた世界だった。
瞳に映るのは、雪で覆われた地面、暗い路地裏、美しい程に均等の取れた石造りの建物。
最後には、雲に覆われた空を仰ぐ、黒衣の男。
そんな異常とも思われる状況の中で、少女は男に視線を奪われていた。
美とは無縁な彼から、目が離せなかった。
  ―この世界に真実はない―
彼と行動を共にするうち、少女はこの世界が何たるかを知ってゆく、記憶を思い出す。
少女の空白の時間を埋め終わった時、少女は何を嘆き、何を愛するのか――。
序章
2016/05/17 13:49
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