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闇魔法特化の持ち主

「テイカ殿、お下がりを。門を開けます」

声を掛ければ蠢いていた黒がぞわぞわと退いた。


門は内側からは到底開きはしないけど外側からなら容易く開く。

薄暗い夕闇のようなところではあるがテイカ殿には部屋から出てもらった。


「助かったよ、ありがとう」

「いえいえ御礼ならばイオリに」

…闇魔法に特化しているのは本当のようだ。

こんな状況で1人でいて正気を保っているのだから凄まじいものだわ…

ただ茶の髪は黒く、薄赤の瞳も暗褐色になってはいるようだけれど。

「随分謙虚な方だね…あの方とは大違いだ」

後半聞こえないか聞こえるか位の声で言ったのは…

きっとカティナと比べているんだろう。


イオリに見つけたと連絡し、待っている間テイカ殿は今までの事を話してくれた。


無実の罪で入れられた時には、この国の虚空が穢れていて怨念渦巻いていたところであったこと。

闇魔法に特化していたテイカ殿は自分でも異常だとは分かっていたが、その怨念などの暗い感情が自分の力になる事が分かったらしい。

自分の魔力が及ぶ範囲で虚空の中の悪意を拾い集め自分を守る為の守護壁にしていた…との事だ。


自国でそこそこ立場があったらしいテイカ殿が悪名高い虚空に躊躇い無く入れられたのは忌むべき闇魔法に特化していたせいだろう。

魔力が高いだけでも怯えられたりするものなのに闇魔法が高いとなると…。

「…そんな顔しないで、俺にはイオリが居たから」


どうやら無意識の内に険しい顔をしていたらしい。

テイカ殿は柔らかく笑いながら私の髪を撫でた。


「姉様、イオリが来ます」

微弱な魔力の揺れを感知したギルが私に言う。




虚空の空気が微かに揺れイオリが出てきた。

そしてテイカ殿を見つけると…。

「テイカ……っ良く、よく無事で…!!」

「イオリ…ごめんね、助かったよ」

…皆さん(特に腐女子の皆さん)怜悧系イケメンが目尻に涙浮かべて優美系イケメンに抱き着いている現場ナウです。

ヒューリとギルの絡み少なくなってしまったから…こういうの久々で何だろうキた。


「…本当に大事な友人なのね」

「…イゼリア…お前イオリが暴走してる間丸投げってどうなんだ…」

私達と別行動していたヒューリは大分疲れた顔をしていた。どうやら相当振り回されたらしい。


「ふふ、お疲れ様…あぁ早く此処から出ないと」


さっきから頭が痛くなってきた。

虚空がそろそろ私達にも牙を剥いてきたということだろう。

真っ白の虚空ならばもう少し大丈夫なんだけど、この虚空は相当…キテるから。


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