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新章開始です3

あの話し合いの後、イオリの身支度を整え食料を持って私達は虚空の前の門に集まった。


領地は私の部下が仕事を無くしてくれたので大丈夫だろう。ギルも手伝ってくれたし。

朝方フラフラしながら書類をくれた部下は、こう言ってくれた。

「3日だけ休み作りました…俺この後有給休暇を申請します…」

目の下には濃い隈ができてフラフラ……いやもうほぼ寝てたね。ちょっと不眠不休気味に働いた方なのでお休みあげますとも。

残業手当も出しときますとも。…こっそりとね。



「…よく眠れましたか?イオリ様」

休んだおかげだろうか、肌艶も良くなり身なりを整えたイオリは随分と雰囲気が良くなった。

「はい、不躾な願いをしてしまい申し訳ありません。…本当にありがとうございます」

どうやら前は本当に余裕が無かったらしい。

まぁ虚空に入れられた人を想えば皆余裕なんか無くなってしまうだろうけども。


「本当ですよ。姉様のご慈悲に感謝してください」

……あれギルがなんか黒い。

いや気のせい。私の可愛い弟がこんな怖い訳はない。つまりこれは夢。そう思おう。

「…その説は誠に申し訳ありません…余りにも礼節を欠いた言動でした」


「いいえ、それほど気が動転なさってたのでしょう?お気持ちはお察ししますわ」

虚空の門から漏れる空気はどこまでも乾いている。


「では開けます。どうかご無事で!!」

門番が複雑な鍵(血と魔力が鍵なんだとか複雑過ぎて再現不可能らしい)を開く。




***


虚空の中は一面真っ白だ。

転移門があちらこちらにあるらしいから探してさっさとテイカ殿の元まで行かないとね。


「…これは…何事かしら?」

使える転移門は淡く光を帯びているものだ。

だがその光は暖色の柔らかな色合いのはずなのに…


「…これはイゼリア使わない方がいいんじゃないか?見たことがないぞ…濁った深緑など…」


「だけど…これを使わないと大分遠回りしなければならなくなるし転移門も何回も使うことになってしまうのよ?」

そうヒューリの言葉通り…連想しやすいのはそうね…ヘドロっぽい色なんだよね…。

無茶はしない方がいいか。

「…ギル、ヒューリ、イオリ大丈夫?」

敬称は要りませんとイオリに言われたため呼び捨てになったイオリだが、既に顔色が悪い。

ギルやヒューリはまだ平気そうだけど…。


「…大丈夫です。先へ進みましょう」

…虚空は人を壊すことが前提。

転移門から漏れる光が濁るなんて…転移した先で何が起きてるのか想像もつかない。


私達は最短の転移門を諦め安全な転移門を探す事にした。

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