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閑話〜ギルとヒューリ〜

「姉様20歳になってから綺麗になりましたよね…そう思いません?ヒューリ」

イゼリアが居なくなった後は女子会ならぬ男子会だ。ギルはのんびりお茶を飲みながらヒューリに(有無を言わさない口調で)言った。

ギルは思う。

ヒューリは普段、女の子に対して冷たいなんてものじゃない。口を聞けば完全に無視、触ろうものなら払い除けることもある。

見た目は緩く結んだ銀髪といい、少し柔らかな色合いをした宝石みたいな赤色の瞳といい女に好かれそうな優男なのに。

唯一異性に対して優しいっていうなら姉様相手の時だけだ。…いや姉様に愛情過多になり過ぎたから他の人に行かないのかな。


姉様は歳を重ねることに美しくなっている。

黒髪の艶やかさ、深淵をのぞき込んだような黒の瞳といい我が姉ながら本当に溜息をつくほど綺麗だ。

…俺が知ってる限りレオナードとエリオット…は確実に姉様の事が好きだろうなって思うんだけどヒューリの場合は従者として…って言われたら分からないからからかいにくい。

…まだ姉様を嫁になんかやらないけどね!!


「そうだな…だが歳を重ねるにつれイゼリアの警戒心が薄くなっている気がするんだが(ついでにお前の魔王度は上がった)」

…内心、ギルは一人称《僕》から《俺》になってから変わったなぁと遠い目のヒューリ。

昔はただ姉様、姉様とイゼリアの傍に居ただけだったのに…今はイゼリアに下心持って近付く相手を脅す事に躊躇いが無くなった。


姉に依存していた頃に比べギルは随分と大人らしくなった。ギルのことをイゼリアは可愛い可愛いと可愛がっているが、冗談じゃない。ギルが猫を被ってるだけだ。それも極厚の。

なんせ自分より弱い兵士なら容赦なく罵倒し(お陰様で近衛騎士団ではギルの罵倒に心折れない…って言うことが最初の試練らしい)、とても嫋やかな令嬢が瞳を潤ませ可憐に近寄って来た時すらゴミを見るような目で令嬢を見ていたからな。

いやむしろ

「寄らないでくれる?香水臭い。」

とか言ってたな。極寒の目で。

令嬢ボロ泣きだったな…。あの日はイゼリアが体調を崩して居なかった日だ。

ギルはイゼリアが傍にいれば紳士的な対応もするんだがな…。

本当にイゼリア無しで飲みに行ったりするとコイツの女嫌いは筋金入りだな…と思う。


危ないとは思うんだがイゼリア以外の女を見るつもりはギルにあるんだろうか…。

もう18歳だというのにイゼリアにしか関心無さそうなところが不安だ…。


内心バラバラな事を思いながら2人の男子会はさらっと幕を閉じる。

同じ家にいるので話は何時でも出来るからだろう。


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