表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
37/54

原作開始……?です!!9

「ありがとう…イゼリア。…本当に貴女は俺を闇から救いあげてくれる」

私が言った言葉にレオは視線をずらして父親を見たあと、本当に柔らかく笑った。

レオには手首の縄を解いた後、服を渡したので(余り見ないようにはした)それを着てもらった。

この屋敷寂れているのに何故服が無事だったんだ…?でもレオの元々の服かなり破かれてて着れたものじゃなかったから助かったかも。

そして私の頭をふわりと撫でると、この五日間で体力も消費しきってるだろうにレオはそれを感じさせない動きで立つと父親を真っ直ぐ見て口を開く。


「近衛騎士団隊長レオナード。この名を持って国家反逆を謀るオルシア家当主を捕縛する!!」

「…な、何故知って…?」

淀みのない口調で言ったのは私がやっとの思いで調べた情報だった。

レオが何故知っているか分からない父親は顔色を真っ白にさせて脂汗を滴らせる。

「…貴方は知らないんだろう。俺は幻覚を見せられてから三日目辺りからは、もう慣れ始めた事を。貴方達は俺がそんなことを聞いてる余裕はないと思い込んでか普通にここで話していたからな」

そう言いながらレオは父親の方へと向かう。

今の父親をレオは恐れてはいない。冷徹な目で父親を見るレオは流石この国の近衛騎士団隊長だと思いながら私はそろそろ身体が限界だった。

ふらふらと壁へ寄り掛かる。

窓から見える外は、夜明けが近い。

私はコレですべてが終わると思っていた。



安心したその時、バチリと静電気のような音と共にカティナが現れたのだ。

「…許さない…!!許さないんだから!!アンタのせいで!!全部全部パァよ!!」

部屋に入るなり状況を察したのか…カティナが髪を振り乱しながら私ごと窓から落ちたのは。

その声に視線を向けたレオは私の方へ手を伸ばしたが届かない。

為すすべもなく私は落ちる。

幸い下は植木で助かったが私の上に乗ったカティナは私の事を魔法でそのまま吹っ飛ばした。

かなりの距離を飛ばされた私はそのままどこかの壁に衝突した。


「ぁ…!!……っっ!!」

…身体中に走る裂傷が開き血が吹き出る。

何故かカティナは自分の足で私の方へと向かってくる。やっとの思いで立ち上がる私をカティナは憎々しげに睨む。

「アンタが…!!アンタなんか居たから!!消えてよ!!死になさいよ!!アンタなんか!!」

カティナは何か凶悪な魔法を使おうとしたらしい。

…その何かは分からなかった。

何故なら、その魔法は発動しなかったのだ。

辺りを禍々しくした魔力が一気に霧散する。これは…魔力が足りなくなった時の状況と一緒だ。

「…はぁ!?なんで!?なんで魔法が使えないのよ!!私の魔力はチートなんでしょ!?」

叫ぶカティナは気が触れたみたいだ。

魔力は消えても肌を突き刺すようなドロドロとした殺意は健在で。


そして彼女はふっと無表情になるとドレスの裾をまくり太腿に付いていたガーターベルトからナイフを取り出した。

「アンタ如きに手は汚したくないけどー…しょうがないよね。大丈夫痛くないヨ?」

…その目に理性なんか無かった。

血を大量に失って身体の自由が効かない私は刺されるしかないのだとギュッと目を瞑った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ